あれほど暑かった夏もようやく過ぎ去り、街中の木々も色づく季節になりました。
猫にとっては日向ぼっこの季節到来です。
夏の間は、窓辺から遠い涼しい場所に避難してお昼寝をしていた猫たちも、この季節になるとお日様の差し込む窓辺に引き寄せられていきます。
昔、九州の猫島を訪れた時、たくさんの猫たちがアスファルトの上で、じっと日向ぼっこをしているのを見たことがあります。地元の方のお話では、朝になって太陽が昇ると、猫たちがどこからともなくゾロゾロと現れて朝日を浴びるそうです。
外暮らしの猫たちは朝日の恩恵をよく知っています。暗く寒い夜を耐えて、ようやく昇って来た太陽は、冷えきった身体を暖めるために、とても貴重な熱源です。まさに天然のヒーターです。
猫たちは、お日様の熱を身体に取り入れて、寒い季節を乗り切るのです。
そのせいか、外暮らしが長かった猫は、たとえ家猫になっても、日向ぼっこの習慣は変わらないようです。
朝日が家の中に差し込んでくると、誰よりも先にその陽だまりに入っていき、じっと目を閉じて佇むその姿は、とても尊く見えます。
もちろん、外を経験したことのない猫も日向ぼっこは大好きです。
時間と共に西へ傾いていく太陽のせいで、家猫が日向ぼっこができるのは限られた時間です。
そのわずかな時間を愛おしむように、陽だまりで目を細めてくつろぐ猫の姿を見ると、とても穏やかな気持ちにさせられます。
9年間、外暮らしをしたみかんちゃん。秋冬の朝の日課は日向ぼっこです。