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「リカード貿易問題の最終解決」から。

四半世紀以上前に私が大学で経済学の講義を受けた時には、既に新古典派の価値論が席巻していたと思われる。他の価値論に関しては、恥ずかしながらこの書籍で初めて知った。しかしこれは重要な視点であり、現在の経済学の大きな問題である。

P6『二大価値論とは,言うまでもなく古典派価値論と新古典派価値論のふたつを言う.ふたつの価値論のもっとも大きな対立点は,新古典派価値論が需要・供給の一致により価格と数量が同時決定されるものとするのに対し,古典派価値論は需要・供給の短期的な一致より基本的なものとして生産費から規定される正常な価格があると考える点にある.』
ここで注意しなくてはいけない点を述べておくと、マルクスの価値論は古典派価値論の流れを汲むものである。マルクスの言っていることだからと言って尽く間違っているなどということはないのはもちろんだが、古典派価値論はマルクスの誤りによって誤りとされるべきものでもない(マルクスの価値論の誤りに関しては、著者は十分すぎるくらい説明している)。

砂漠の水やゴッホの絵で例えられるような状況には、確かに古典派価値論は答えることはできない。野菜の市場での価格などは需要と供給による価格の変動などよく観察されるところなので、新古典派価値論は、正しいように思えるかもしれない。しかし市場での野菜の取引を考えれば、需要には限度(特に現代では)があり、また変動する価格のおおよその基準として生産にかかる費用の重要性は否定できないだろう。何よりも著者の言うように、近代的な企業生産とその販売を考えれば、古典派価値論こそ正しい考え方と言えるだろう。(特に企業の競争状況が、生産費に上乗せする利益の大小に関わってくるという著者の視点はおもしろい)

それが正しいという根拠となる記述を引用しよう。
P75『原価企画とは,例えば自動車の設計・開発にあたり,このクラスのこの仕様でこの程度の価格なら生産期間中(中略)にこの程度の販売が見込めるというマーケッティングリサーチの結果を生かし,望ましい販売台数を見込めるよう,設計や生産ラインの工夫により原価を切り詰める過程を言う.ここには需要動向が明確に意識されているが,販売が始まってからの企業行動がフルコスト原理に基づいていることは変わらない.』
『定価販売には,かならずそれと対になっている販売側の行動がある.それは定価で引き合いがあるだけ供給するという行動である.』
『19世紀には,おおくの商品が市況商品であったと考えられるが,20世紀以降,しだいにフルコスト原理とスラッファの原理に基づく,安定した価格による商品供給の比率が高まってきた.その理由をKaldor(1984)は,製品の需給に任せた市況商品では,企業はけっきょく安定した利潤が得られないことに求めている.』
新古典派の単純な需要と供給の関係がいかに現実に則していないかわかるだろう。
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