ヴァイオリニスト・作曲家 山﨑千晶 

ヴァイオリニスト、作曲家  千晶のブログ。
演奏法や、コンサートにまつわるエピソードなど、
いろいろな演奏家との出会い、演奏者の面からの感想、
今までのコンサートの思い出など、
音楽シーン盛りだくさんの内容でお届けします。


テーマ:
先月開催した、チェコのピアノ教授、L・シャバカ先生による

ムソルグスキーのピアノ曲、

「展覧会の絵」のレクシャーコンサートの内容は

初めてのレクチャー開催でしたが、

実践的で多くの音楽家に役立つ内容でした。


ですので、覚えている範囲で数回に渡って

記事にしてみたいと思います。


この曲は45分もあり、ピアニストにとって、大曲のうちに

入るようですね。

ピアニストが中心のレクチャーでしたので、指使いや

何か所かのテクニック的な解決策なども交えての

レクチャーでした。

私からすると、この解説を聞いた後では、

曲の意図しているところは万人にかなりわかりやすく

出来ていると思います。

P・デュカスの「魔法使いの弟子」などは、ディズニー映画に

なっていますが、これもアニメにできそうです。

子供の鑑賞教室にもピッタリ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この曲は、ロシア5人組という音楽家グループにいた

ムソルグスキーが仲間に誘われて、

ヴィクトール・ハルトマンという画家の

展覧会に行ったことでインスピレーションを受けて

作曲された曲です。

先生の意見では、この画家の絵は、その後作曲された

曲ほど優れているわけでもないとか。

それが証拠に、この画家の名前を知っている人は

少ないが、この曲を知っている人はたくさんいる、と。


ムソルグスキーは、ロシア5人組の中でも

音楽教育をまともに受けていなかった人物でもあり、

そのため技術的、構成的にこの曲に少し

不自然な部分があることは否めない。

しかし、このピアノ曲をもとにしてオーケストラに

編曲したフランスの作曲家、ラヴェルは

ムソルグスキーとは逆に、作曲技法も、

知識も一流の腕を備えていたので、

このレクチャーは、そのラヴェルがいかに

上手くムソスグスキーの欠落した部分を補って

オーケストラ曲に仕上げたか、という

説明もありました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まず、この曲はプロメナーダ(ラテン語で散歩道という意味)

という曲と、展覧会の絵の曲が交互に現れ、つまり

散歩をしながらいろいろな絵=音楽

を聞いてゆく構成になっています。

なので、最初にまず散歩道のテーマが現れ、

それが各絵のあとに必ず現れます。


さて、このプロメナーダでは、特筆すべきところがあります。

それは、19世紀半ばの、まだロマン派最盛期の

時代にはめずらしい4分の5拍子、4分の7拍子という

変拍子が交互に出てくるところです。

このような変拍子が交互で出てくるのは、当時では

かなり斬新な手法でしたが、これは、単にエクスペリメントを

作曲家が試みたということではありません。


これは、ロシア語で「私は散歩に行った」という文体、

民謡からきている変拍子です。

 Šel jsem se procházet ("Ja vyšel paguljať").

Paguliatはロシア語で散歩にゆくという意味。

この文体がピッタリとこのプロメナーダのテーマに

はまります。



この後、何度か出てくるプロメナーダの、ひとつとして

同じ曲調にはなっていません。

必ず、次に来る絵の示唆を含んだ

曲調になっているので、演奏者は

ここのところをよく踏まえて解釈を練ります。


同じように弾かないこと。

最初のプロメナーダで注意すべきところは、

表示が最初にフォルテとだけ書いてあり、

その後一切ダイナミクスがないので、

つい最初から終わりまで

ゴンゴンと叩いて弾きがちになってしまいますが、

散歩している情景なのだから、

あくまでリリカルに何でもない穏やかな雰囲気を

保つこと。


そして1曲目の絵、Gnomus ノーム=小人の妖精。
 by Viktor Hartman





ノームは、トロルと似ていて、ハリーポッターにも出てきますね。


山に棲む小人の妖精で、悪い奴と、良い奴、両方います。


余談ですが、チェコで長年ヒットしている

ロシア映画に「Mrazik(ムラジーク)」(霜の精という意味)

という、あまりにもダサすぎて、この先どうなるんだろうと

つい見てしまう、ゴジラ、ウルトラマンと同時代の

60年代の特撮映画があるのですが、

この映画のキャラはいくつか展覧会の絵のキャラと

共通しているので、この機会に紹介していきたいと

思います。

いつかこの映画のサムイ笑いを誘う、

強烈な印象について書きたいと思いつつ、

どう表してよいかわからなかったので、ちょうど良い機会です。


ムラジークにも出てくる、小人の妖精。







この映画、日本語字幕にしたら、コアに絶対ヒットすると

思うんですよね~。






ちなみに楽曲としては、この第1曲が、全曲通して

一番難しいそうです。

最後のパッセージの奥の手の指使いなどを紹介していました。

(オケでも、このパッセージ難しかったなぁ)

そして、その後またプロメナーダが出てきます。

このプロメナーダはすでに次の曲の

雰囲気をもって弾きます。


第2曲は、古い城で。 つづく


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