2006年03月29日(水)

理想と現実②

テーマ:ニュージーランド

さて、前回説明したNCEAなんだかすごい制度に思えますが、まだ新しいこともあって、問題がないわけではありません。

まずは評価方法について。外部評価は共通なわけですが(言わばセンター試験みたいな。)、内部評価は各学校のクラスの先生が行うわけです。これについては、NCEA側は評価項目を細かく決めているので、どの先生も同様の判断をできると謳っていますが、実際にはどうなのでしょう・・・?

また、外部評価についても、一つの科目の中にもいくつかの項目があって、例えば英語において、この項目の採点者は甘いのに別の項目の採点者は辛くて、公平性が保たれているとはいえないということがあるそうです。

 

また、これは容易に想像が付くと思いますが、アカデミックな科目にも実技的な科目にも同等の重要性を与えるという意義は分かるものの、当然のごとく、レベル取得のための難しさは、例えばダンスと外国語としての日本語では全然違うわけです。そのため、特にモチベーションの高い子を除いて、高校では、単位を取得しやすいダンスやドラマの人気が集まったのだとか。その中にはもちろんダンスを専門にしていきたいという子もいるのかもしれないけど、そうではない子がほとんど。ダンスを取るのはいいのだけど、彼ら、毎日1コマダンスをするのです。

どういうことかというと、大抵の高校において、高校のカリキュラムは6科目選択して同じ時間割が毎日続きます。(ローテーションしたりするけど。)科目によっては半期のものもあり。日本のように音楽を週1コマとかはまず不可能。なぜか?それは、NCEAのせいでもあります。というのも、音楽でNCEAを取得するためには、とても週1コマでは不可能。専門性が増してくるからです。そういうわけで、英語も数学も物理も地理も、音楽もダンスもドラマも料理も全ての科目が毎日1コマ、週5コマなわけです。

 

果たしてこれでいいのか?と個人的には思ってしまいます。どのような科目も同等に、というのは分かるものの、趣味程度に勉強するということができなくなってしまう。毎日ダンスしてもねぇ・・・。逆に選択肢が狭くなっているような気もしないでもない。あと、毎日同じ時間割では退屈という意見が日本人留学生の話では多かったかな・・・。

 

また、このNCEA実はかなり難しくて全体のレベル取得できる生徒は想像以上に少ないのです。たとえば、私の訪れた学校ではNCEA各レベルの取得割合が50%に到達するかしないか程度。そのため、何が起きているかというと、日本の大学受験による比較のような、高校別NCEA取得ランキングみたいなのが裏では起きているんですね・・・。どの世界も同じだ・・・。NCEA取得割合は公式に学校別に発表されるのですが、ある私立学校なんかは、NCEAの優の数の割合ランキングなるものを学校別に発表していて、それを自校のアピール材料にしています。(もちろん自校はランキングがかなり上の方。)

これを教育熱心な親は高校選択の判断材料とするわけです。ちなみに、前に述べたとおり、NZでは学校選択制を取っているものの、通学区内優先性を取っているので、人気校には、わざわざそのために学区内に引っ越す家庭なんかもあるそうです。そのため、人気校の周りの不動産の広告には「○○高校、学区内!」なんていう宣伝があったり・・・。

 

日本のような受験戦争はないとはいえ、NZもなかなか大変です・・・。


2006年03月28日(火)

理想と現実①

テーマ:ニュージーランド

NZからの帰りの飛行機で書いた記事をアップします。


今回は、NZの高校レベルの教育について。大抵の場合は、5年生のcollegeの後半3年間に当たります。

さてNZでは、このレベルにおいて数年前(確か4、5年前)にこれまた大きな改革が行われました。それが、NCEA(National Certificate of Educational Achievement)という制度です。NCEAにはレベルが1から3まで3段階あり、大抵の場合レベル1がyear11(高校1年生)レベルというように学年ごとに対応するようになっています。各科目においてNCEAレベル1~3まで認定されるのですが、その認定方法はクラス内の内部評価と学年度末における共通試験の外部評価によることになっています。特徴としては、英語や数学といった基礎科目からファッションや会計、機械といったような専門科目まで幅広くあることです。科目によっては、実技が主の科目など、内部評価のみによる場合もあります。

 

さて、この制度のねらいは、生徒の興味に応じてアカデミックな科目にも実技的な科目にも同等の認定を与えることにあります。どういうことかというと、大学に行ってアカデミックなことをやりたい子は、基礎科目ばかりを取ることも可能だし、逆に日本で言えば専門学校に進みたいような子は、実技的な科目を中心に取ることが可能だということです。高校以上のレベルに進むときに、例えば大学の理学部に進みたい場合、数学と化学と物理のレベル3の取得が必須などというように大学側が入学条件として定めているので、それに合わせて高校で科目を選択すればいいわけです。また、レベル2の取得には、レベル1を取得していることが前提条件となることがほとんどで、そのため、高校のカリキュラムを見ると、例えば、year12の数学のところで、数学のNCEAレベル1を取得していなければ授業を取れないというように書かれています。では、もしもレベル1を取得できていなかったらどうするか。その場合は数学だけyear11の授業に参加することになるわけです。そして、科目選択は何であれ、レベル1を何科目か集めると全体としてNCEAレベル1を取得したと認定されるような仕組みになっています。ちなみに、大学の入学前提条件として、NCEAレベル3を通常のレベル認定条件となる単位数(科目数)よりも多くの単位数を取得していることが条件になっています。

 

なかなかややこしい制度なのですが、この結果どうなったか。高校のオプションが増えたそうです。NCEAに認定されている科目を全種類そろえる必要はないのですが、実技的な選択科目が大幅に増えました。今までは高校を卒業してから専門(たとえば栄養学とかジャーナリズムとか)を勉強するようになっていたのが、より早く個人の興味に合わせて高校レベルから専門の勉強を始めることができるようになったわけです。

 

さらにすごいのが、個々人のNCEAの結果をNZQA(New Zealand Qualifications Authority)という認定機関が全て把握しているのです。どういうことかというと、各科目のレベル認定にはいくつか項目(その中に内部評価のものもあれば外部評価のものもある)があって、優・良・可・不可が付き、全ての項目で可以上を取らなければレベルを取得できないのですが、個人の取得した全科目の全項目における成績が問い合わせればNZQAから出てくるというわけです。つまり、全国民の成績表をNZQAという国の機関が持っているということでしょうか。これはどのように使われるかというと、たとえば大学院に後々行きたいと思ったときに、この科目は勉強していないから補習として取る必要があるとか、そんな感じに使えるそうで。国に成績が把握されているなんて恐ろしい気がしますが、(とはいえ、目的は成績の把握よりもどの科目で単位を取ったかということだと思うけど。)これも人口が少ないNZでしかできないことのような気がします・・・。



2006年03月25日(土)

写真集⑤

テーマ:ニュージーランド

家族旅行の最後に、私がずっと住んでいた大都市(といっても、東京の比にもならないが)オークランド。

高い塔はスカイタワーといって、NZ最初の週末に登ったところ。床がガラス貼りになっていたとこ。覚えているかしら??


私の自信作。中央に映っている橋(ハーバー・ブリッジ)を右の方にず~っと進んだところにステイしていた家がありました。ちなみに、この橋の建設、日本のとある大ゼネコンが請け負ったんですよ。


最後におまけたち。外装が気に入っていたミネラルウォーター。普通のももちろんあるけど、下の写真はフレーバー付きで、ボイスンベリーとキウィフルーツ。


2006年03月24日(金)

写真集④

テーマ:ニュージーランド

前に遡って書くと気付いてもらえないらしいことが発覚。なので、遡るのをやめる。

ちなみに、3月11・12日あたりの記事が何気に新しめなので、写真ばかりですが見てくださいな。


さて、またまた写真第4弾。

南島のとある場所にて。乾燥地帯。らしい。何やらNZは緯度が低いせいで標高1000Mちょっとで○○限界が来てしまうのだとか。「○○限界」、、、思い出せそうで思い出せない。なんか高い植物が生えなくなって、草みたいな植物しか生えなくなるというやつ。何だっけ・・・??なんて記憶力が悪いのかしら・・・。


クイーンズタウンという町。小さな町だけど、湖に面していてとてもきれい。NZ人オススメの場所は8割方ここだったなぁ。まさしく。絵葉書になりそうよ。


ここからは、フィヨルドランド国立公園にて。

Mirror Lake(↓)。湖の際にある看板が上下逆になっいて、湖面に反射すると正しく見えるようになっている。一年の3分の2は雨が降っているというこの地域で、普段の行いがいいせいかなんだか、幸運にも快晴。出会う人みんなに、いかにラッキーかを力説される。で、くっきりきれいに映りましたとさ。

 


カモの子どもたち。私が感動したのは、カモではなく、水のきれいさ。純度100%!!


以下、フィヨルドランド国立公園内のミルフォード・サウンドというところにて。タスマン海に続く入り江です。

これまた、地理の授業で習ったそのもの、氷河によって削られたU字谷。フィヨルド。私、あまりの「U」さに感動して写真撮りすぎたよ・・・。


いやぁ~ほんとに、自然は偉大なり・・・。

2006年03月12日(日)

写真集③

テーマ:ニュージーランド

感動的写真(だと思う)。朝日の当たる南アルプスの山々。一枚目の写真の中央の山はNZで一番高いMt.Cookという山。スイスのマッター・ホルンみたい。ちなみに季節は夏ですのでお間違いなく。



中央の山の下部にちょろっとみえる白い川みたいなものが、タスマン氷河。生まれて初めて氷河を見る。というか、初めて氷河の定義を正しく知る。氷河は当たり前だが、雪ではなく氷。感動。


川のように山肌に散乱する砂利。これ、氷河によって削られ運ばれたモレーン。中学のときの地理の授業を激しく思い出す。


写真よりも実物は1000倍くらいきれいなスカイブルーをしている湖。これも、氷河によって砂よりも細かい粒子が運ばれ、それが太陽光にスカイブルーの色だけ反射することによって、生み出されているのだとか。




2006年03月11日(土)

写真集②

テーマ:ニュージーランド

南島のクライストチャーチという都市にて。

確か東京ドームが16個入るという大きなハグレー公園がある。

そのうち一つの入り口付近にて。(↓)奥に見えるのは博物館。


町の中心部にある教会。チェスに夢中な人々。なんてゆったりしていること・・・。


みんな公園内をお散歩。こんなところが近くにあったらステキね・・・。

 

2006年03月10日(金)

写真集①

テーマ:ニュージーランド

帰ってくる前は色々とNZのことを報告しようと思っていたのに、いざ帰ってみるとめんどくさくてやる気が失われる・・・。

そんなわけで写真で攻めてみる。


まずは家族旅行の写真から。母と娘二人の三人旅行。といってもツアーだったけど。

でも、こんな旅行はもう二度とないだろうし、いい思い出になったかな。。。


典型的なNZ的風景。まるでゴマ粒のようにいる羊たち・・・。


そして、羊はさらに期待を裏切らない・・・。

NZの道路交通規則では羊は車に優先。ちなみに、このような田舎で一般道路の制限速度は時速100km。でも、羊渋滞にひかかると、時速1kmくらい?かなりいい迷惑。でも、観光客の私たちは楽しむ。

2006年03月09日(木)

来週日本に帰ります

テーマ:ニュージーランド

ブログを一気に書いて一気にアップするということを続けていましたが、私、なんだかんだで一応リサーチ期間を終え、これから家族がNZに来て、家族旅行して日本に帰ります。ちなみに、母親と妹と3人で旅行するのは人生初めて。食事と孤独度に苦しみ、毎日毎日早く日本に帰りたいと実は思っていましたが、まさにステイ先を離れるとなるとやっぱりちょっと寂しい。特にステイ先の3歳のおてんば娘と別れるのはとても寂しくなるな・・・。英語を上達させたいという第2の目的はどうやらあまり達成されなかったようです・・・。最後まで苦しみました・・・。

 

NZの教育のことは、まだまだ書いていないことがたくさんあるのだけど、また帰国してからまとめてアップしようかなと思います。いいことを中心に書いてきたけど、問題点を感じなかったわけではありません。

 

そんなわけで、帰国したらなるべく多くの皆と会いたいと思っているので、よろしく。連絡お待ちしています☆

2006年03月08日(水)

多様なオプション

テーマ:ニュージーランド

今回はNZのsecondary schoolについて。Secondary schoolとは、year9year13。日本で言う中学2年生~高校3年生です。義務教育は16歳の誕生日まで(ほんと誕生日が好きだなぁ・・・。)なので、year1216歳の誕生日を迎えると学校をやめることも可能です。

 

Secondary schoolについても色々あるのですが、何よりもまず驚くのがそのオプションの多さ。Year9Year10は基礎科目を中心に必修が多いのですが、高校レベル(Year11~)になると突如としてほぼ選択になります。例えば、私が訪れたsecondary schoolでは、Year11の必修は英語と数学だけ。Year12の必修は英語だけ。Year13は完全フリーです。

さて、では、オプション科目としてどのようなものがあるかと言うと、地理・歴史・化学・物理・生物・各種外国語・音楽・美術・体育などはもちろん、会計学・経済学・ビジネスから、ジャーナリズム・メディア学・グラフィック・デザイン・ファッション・料理栄養学・看護介護学・電気・機械などまであるのです。どれを取っても可。

自分の進みたい進路によって求められている科目を取ったり(例えば、大学の医学部に進みたい場合は高校で生物を取っている必要があるなど)、趣味で好きなのを取ったり。

 

さて、なぜこのように幅広いオプションがあるかと言えば、まず第一にNZに工業高等学校や音楽高等学校、高専などの専門高校がないことがあげられます。また、アカデミックな科目だけではなく、実践的な科目も同様に重視しているという背景。どちらがう重要ということなく、個人の興味に合わせて勉強したいものを勉強して、其々の道に進んだらいいという考え方があります。

50年ほど前はNZでも高校の中でacademic course, art course, technological courseなどときっちり分かれていたそうですが、これでは生徒をきっちりと分類することになってしまう。そうではなくて、より多様な選択肢を生徒に与えることで生徒の自主性に任せようと変わったそうで。つまり、現在の制度により、例えばacademicに優れている子がfashionに興味を持ってfashionを高校のオプション科目の一つとして取ってその道に進むということも可能になったということ。

 

この制度、問題がないとは言い切れない(その点はまた今度。)のですが、日本では高専などの人気度が落ちている&中学生に取って専門的な進路にするか普通高校に行くかの選択肢は今では早すぎるという背景を省みるに、その解決肢の一つとして、こういうのもありか・・・とちょっと発見した感じでした。

2006年03月07日(火)

解せない点

テーマ:ニュージーランド

本日(37日)はNZでは、5年に1度の国勢調査の日。人ごとだと思っていたら、いきなり私も書け、と言われてびっくり。Visitorの調査も同時に行うそうで。住民ほど細かい点は書かなくてよかったのだけど。というか、私もうすぐステイ先を去るし、集計することにはNZにはいないのに、変なの・・・。

 

もう一つ絶対におかしいと思うのが、小学校の入学システム。NZでは、入学日が人によって違うのです。どういうことかと言うと、5歳の誕生日に学校に入学する。誕生日かその次の日か、数日以内に。その結果、何が起こっているか?

通常の始業時期は2月。6月までに5歳になって学校に入学した子は、次の2月に2年生に進級。つまり1年生には1年以内しか在学しない。7月以降に誕生日を迎えて入学した子は、次の2月には2年生に進級できず、再び1年生。つまり、最長で約1年半1年生。この1年生と2年生の区別はそこまではっきりしたものではなく、5月生まれでも2年生に進級するにはちょっと、という子は1年生に在籍し続けることもあるし、学期ごとにこの子は2年生に行けると判断されたら2年生に進級することもあるそう。1年生といっても、通常入った時期によってレベル別クラス(つまり、数ヶ月年上のクラスみたいな)ができているので入った時期によってついていけないとかいう問題はないのですが、どうなんだろう、これ・・・と思ってしまう。

 

5歳なんていう時期における1年の差はけっこう大きいので、日本(そして多くの他の国)のように同じ時期に入学することによる問題は確かにあるものの、誕生日によって入学時期が異なると、確かに年相応の対応ができるということになるのかもしれないけれども、2年生に進級時の差はものすごいことになっています・・・。1年生に在籍していた時期が半年~1年半までギャップがあるのだからそりゃ当然。例えば、readingのクラスはレベル別グループに分けるのが普通ですが、一番上のグループが簡単な英語の文章の絵本を読んでいるかと思いきや、一番下のグループは簡単な単語しかまだ読めません。この差はもちろん段々縮まるものの、個人的にはちょっと微妙な気がしたんですが・・・。

ちなみに、このシステム、NZ人に変だと言うと、誰もが苦笑。複雑だとか、学校在籍期間が違うのはunfairだ、とか。でも、昔からこうだから仕方ない、と。変なの・・・。

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