第9地区 [DVD]
映画『第9地区』は、南アフリカに宇宙難民として暮らすエビ型宇宙人と、彼らを違う地区に移住させる業務の責任者となった男の物語です。

“身勝手で、自身の利益しか考えない人類 VS 何もできない被征服者としての宇宙人”という構図は、映画『アバター』にも通じるものがあります。

ピーター・ジャクソンがプロデューサーとして関わっているだけあって、戦闘シーンの人物爆破描写などは、容赦ありません。
昔からのピージャファンの方にはうれしいかも。でも、グロが苦手な人は要注意。

<STORY>
南アフリカのヨハネスブルグ上空に巨大な宇宙船が飛来してから28年が経った。この宇宙船に乗っていた宇宙難民のエイリアンたちは、“エビ”と呼ばれ、ヨハネスブルグの第9地区に住まわされていた。政府からエイリアンの管理を委託されたMNU社は、エイリアンをスラムと化した第9地区から第10地区に移住させることにする。そのプロジェクトの責任者・ヴィカスは、エイリアンの住居である液体を浴び、謎のウィルスに感染してしまう…。


<Cheeseの解説>
エビ型宇宙人が地球にやってきて、人類に差別や迫害を受けながら南アフリカ・ヨハネスブルグで暮らしています。
この映画では、エイリアンは特に何もしません。
人間が、宇宙人を移住させようと、戦闘機や銃を持ってエイリアンの居住地区に大挙して訪れるだけです。
そして、宇宙人の持つ高度な破壊力を持つ武器を使おうとし、いろいろな実験などを繰り広げるだけなのです。

すべては、人間たちが勝手にやっていること。
宇宙人たちは、自分の身にふりかかった火の粉は払おうとしますが、基本的には人間の指示に従います。
まあ、お腹がすいたら人間から食べ物を略奪したりもしますが、しょせん略奪レベル。
現状を改善しようと人間に立ち向かったり、宇宙人同士で組織を作ったりもしません。

あれだけの大きな宇宙船や武器を造る技術を持ちながら、一人ひとりの宇宙人には何の意欲や技術もない。
すぐれた指導者がいないせいかもしれません。


人間であるヴィカスは、第9地区である液体を浴び、あるウィルスに感染します。
ただの気のいい愛妻家の男が、巨大企業に狙われる身となり、体ひとつで逃げ出す羽目になるのです。
味方と言えば、宇宙人のクリストファー・ジョンソンのみ。
彼が、自分の持てる技術や知識を総動員して、自分を折ってくるMNU社に対して、闘いを挑むのです。

映画冒頭の、ただの“気のいいオッサン”風のヴィカスが、どんどんと(肉体的にも精神的にも)変容していく様子は、なかなかの見ものです。


この映画では、多くの宇宙人たちは、人間たちのやることにただ身をまかせているだけで、人間同士がそれぞれに利己的な理由で闘いを繰り広げます。
金のためだったり、先進技術を得るため(ひいてはその技術で利益をえるため)だったり、愛のためだったり。
人間の身勝手さだけでなく、無力感に押しつぶされ、何事にも唯々諾々と従う宇宙人の無気力さも、哀しく印象に残ります。


この映画は、南アフリカが舞台になっているということで、どうしても人種隔離政策“アパルトヘイト”を観客意識させますが、製作陣にはその意識はないとのこと。
監督のニール・ブロムカンプも、主演のシャルト・コプリー も、メインの出演者たちも、多くが南アフリカ出身。
自分の生まれ育ち、自分が暮らす国を舞台にして映画を作ったら、なんだか深読みされちゃった、ということなのでしょうか。

いや、というよりも、自分たちが生まれ育った国に厳然と存在する問題を、否応なしに意識のどこかに感じて生きてきた人たちが作ったからこそ、このような映画が誕生したと言えるのではないかと思います。
意識していなくとも、その国の人々が持つ精神性や問題意識というものが、映画の内容に反映しているのかもしれません。


実は、この映画のジャパン・プレミアに取材で行って来ました。
主演のシャルト・コプリーが来日して、舞台挨拶を行なっていたのです。

■リア・ディゾンやエディソン・チャンもお台場に登場!映画『第9地区』ジャパンプレミア開催!
http://www.cinematoday.jp/page/N0023281

このシャルト・コプリー、ホントにいい人でした!
もともとは南アフリカで映画プロデューサーをしていて、今回もプロデューサーとして映画に参加するはずが、なんだか主演になっちゃったそう。
でも、プロデューサーにしとくのはもったいない感じの気さくなイケメンです。
映画のヴィカスはイケてない感じの役柄だったので、実際会ってみてそのナイスガイっぷりにびっくり。

レッド・カーペットにファンの人たちがいたので、一度通りかかった際に何人かの人たちにサインをしてあげていました。
で、ちょっとした質疑応答があったりし、その後レッド・カーペット上でフォトセッションをするのですが、そのフォトセッションの準備ができるまでのちょっとしたすき間時間に、またファンの方にかけよってサインをしてあげて…。
普通、このすき間時間にまでファンサービスをしてくれるスターって、あんまりいませんよね。

このサインをもらった方たち、多分まだ映画を観ていない状態の人たちばかりだろうし、多分「知らない俳優さんだけど、サインもらえたらラッキーだなぁ」くらいの感じで色紙を差し出したんじゃないかと思います。
でも、こうやってきちんと対応してもらって、彼のファンになっちゃったんじゃないかなぁ。

さすが映画プロデューサー、映画のヒットにはクチコミが大事だっていうことがわかってらっしゃるわ…。


『第9地区』(111分/アメリカ・南アフリカ・ニュージーランド/2009年)
原題:District 9
公開:2010年4月10日
配給:ワーナー・ブラザース映画、ギャガ
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
監督:ニール・ブロムカンプ
製作:ピーター・ジャクソン/キャロリン・カニンガム
出演:シャルト・コプリー /デイウィッド・ジェームズ/ジェイソン・コープ
公式HP:http://d-9.gaga.ne.jp/


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