2001年夫婦世界旅行のつづきです。8月。リスボアから9時間半バスに揺られ、15:30、定刻通りセヴィーリャに到着。








part203 「お~いしくな~い」セヴィーリャ 








要約: 午後、スペインはセヴィーリャに到着。宿をあまり吟味せず早々に決め、早めの夕食を済ませる。セヴィーリャのスーパーの品揃えはマドリッドと比べると結構乏しい。街はかなり近代的に開けて見えるが、どことなく田舎めいている。


















セヴィーリャに降り立つ。かくして我々は再びスペインに入ったわけだ。





セヴィーリャも気違い沙汰の暑さである。街中の店のほとんどはシャッターや木戸を降ろしている。昼下がりの町は死んだように静まり返っている。太陽に侵食されている。こことてやはりリスボア同様、街中ドライサウナのような暑さである。





バスターミナルで荷物をコインロッカーに預けて、身軽になってからホテル探しに出た。





セヴィーリャにはメトロがない。「巡回バス」に乗って、安宿が集中していて、次の目的地に向けて乗るバスターミナルにも近い辺りで宿を探す。ガイドブックが頼りである。





1、2軒覗いてすぐに決めた。あまり安くはないが、強烈な陽射しの中を歩き回るよりよほどいい。再び「巡回バス」に乗って最初のバスターミナルへ戻り荷物を取り出し、宿に戻る。すぐに見つけたとは言え、行ったり来たり、宿探しは骨が折れる。やれやれ。





宿は一家で経営しているようでこじんまりしているのはよいが、皆全く英語が通じないので困ってしまう。英語が通じない=英語圏の観光客が泊まりに来ない=地元の観光客ばかり泊める宿、なのかもしれない。となると、結構穴場かもしれない? と、前向きに考えてみる。





バックパックを置くととたんに腹が減った。朝からポテトチップスと水しか摂取していないぞ。私は腹がぺこぺこだ。まず何か食べに行こうと、そのままベッドで眠り込みそうな夫をせっついて、宿の付近を歩いてみた。





宿は大通りに沿ってあるので、色々と便利そうだ。しかしいかんせん、シャッターの下りている店が多く、食事ができそうな店がない。今日は日曜か? 祝日か? と思わず曜日を確認してしまう。(水曜だ。平日だ。)





少し歩くと、店の入り口に写真入りの大きな看板を立てかけている店が目についた。こんな看板を出しているなんて、ヨーロッパでは珍しいかもしれない。





看板にはスパゲッティやピザがうまそうに写っている。フランチャイズ店のようである。メニューに値段もはっきり出ている。よし、入ってみよう。ここはスペイン。イタリアは「お隣さん」も同然。スパゲッティもうまかろう。





……っていうか、疲れているし、暑いから歩き回る気力もないし、他に店も開いていないし、選択の余地はないのだ。ここに入るど!





店の中はいわゆるフランチャイズ店独特の、清潔で明るいが全体的にプラスティック的な店構え。若い学生アルバイト店員が、マニュアル通りに働いているって感じ。





店内は明るいのに活気がない。客も若い男女がちらりほらりいるだけで、彼らはケーキや飲み物だけを注文し、おしゃべりに来ているという感じ。4時5時の時間帯はこんなものなのかもしれない。スペインの人にとってはさっき昼食が終わって一休みしているような時間帯なのだろう。





とにかく写真のスパゲッティとビールを注文してみた。





まずはビールで軽やかにセヴィーリャに乾杯。くはぁ。大して冷えていないビールがすきっ腹にしみるね。





向こうのテーブルでは女の子がどでかいチョコレートケーキを受取った。日本のケーキの2~3倍はありそうだ。こってりと甘そうだ。ふむ、後でデザートに頼んでみようかな?





私は食べ物屋に入るとつい他の人が手にしている皿に目が行く。他にどんな料理があるのか、チェックしたくなる。目が爛々としてしまう。





そうこうしているうちに、お、きたきた。早いね。スパゲッティちゃん。





あれ! ……こりは、なんれすか? 目が点になる。





出てきた「スパゲッティ」は、見るからに茹で過ぎたうどんのようなものだった。味も見た通り、もったり、ベッチャリしたものだった。





イタリアは近いのに、どうしてまともなスパゲッティが作れないのさ? 不思議で仕様がない。「アルデンテ」という言葉をセヴィーリャの人はご存知ないのか? スパゲッティをなんと心得る!? 





と、目を三角にしていても仕方ない。ここはスペイン。ひとしきり日本語で悪態をついたら、モチャネチャする「スパゲッティもどき」をビールで飲み下す。いつもはビールをンググと飲んだら思わず上を向いて「ぷはーっ!」と叫ぶ私だが、俯いてしまう。「ねゅわー……。」





喜びのない食事はどんよりと暗くなる。夫婦二人して俯いて仏頂面で黙々と食べている自分の状況を思うと、大切な時間を台無しにされたように思え、腹が立ってくる。私の人生を返してっ! と訴えたくなる。





が、とにかく腹は満ちた。が、やはり腹の虫が治まらない。





私は腹が減ってもうまいものが食べたい! 腹が満ちなくとも、ほんの少しでもいいから、心から「お~いし~ね~♡」と言い合いながら食べたいのだ!!





胃袋は一杯だが、心が飢えている……と言っても過言ではないぞ!





とっとと宿に帰って休みたがる夫をなだめすかすようにして、今少し散歩をし、別の通りにスーパーを発見! うしっ。





赤ワイン、生ハム、アスパラガスの瓶詰め、ヨーグルトを買い込み、宿で晩餐の仕切り直しだ。うしし。





しかし、生ハムはマドリッドのスーパーで買ったものの方が、ずっと美味しかった……。ワインはなかなか美味しかったけれど、ヨーグルトも当たり前に美味しかったけれど、最後まで景気よく「お~いし~ね~」とは言えない1日であった。





セヴィーリヤのスーパーは品揃えもマドリッドと比べると数段劣る。やはり田舎なのだ。マドリッドはやはり都会なのだ……。


            つづく



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