早いもので、リフィート卒業から3年3か月が過ぎています。
私の場合、体重さえ増えなければ、体型に大きな変化は起きないようです。
もちろん加齢による皮膚のたるみとか、新陳代謝の悪化は避けられないので、徐々には体型が崩れるのでしょうが、一定体重を維持していれば、それ以上の変化はないという結論を出していい頃かと思っています。
さてこの体重維持ですが、卒業後半年くらい、つまりダイエット直後とそのあとでは、考え方がまったく違います。
ダイエットをやめてしばらくは、ダイエットの続編が続きます。徹底した管理とカロリーコントロールが必要です。気が緩むぶん、ここが難所とも言えます。「頑張って手に入れたこの足を、失ってたまるか」って根性で乗り切りましょう。
そして半年くらいが過ぎると、体は新しい体重に慣れてきます。1年が過ぎるころには、新しいペースができます。その後は、もうダイエットは無関係です。健康的に体重を維持するだけですから。
そこで大切になるのが、食習慣と考え方です。
まず基本は、体が必要とする以上のカロリーを摂らないということです。いくら主食を減らしても、体重が減った体で、以前と同じ量の食事をしたら、当然太ります。食習慣そのものを見直さなければなりません。
これは似ているけれど、ダイエットではありません。健康維持と同じです。ここをまず、しっかり理解してください。
そのうえで、私達は飽食の時代に生きていることを認識してください。ローマ時代の一部の貴族達は、食べたものを吐いたり、噛んだものを吐き出して体重コントロールをしていました。私達はいま誰もが、そのころの貴族達のように食べ物に恵まれた生活をしています。でもね、「吐く」なんてだめ。胃液で食道を痛めます。
私達は飢餓の時代に適応した、肉体と本能を持っています。飽食の時代に自由に食べたら、誰でも太るんです。だから本能をコントロールし、食生活を工夫しなければなりません。子供にお菓子やファーストフードばかり与える親はいないでしょう。同じ事を、大人は自分で考えて自分で節制する必要があります。
食生活の工夫というのは、単に食べないことではありません。私はもともと痩せの大喰いでした。リフィートに通うので初めてのダイエットをするまで、30年間体重が変わりませんでした。
この「痩せの大喰い」時代というのを振り返ってみると、私の場合、ポイントがいくつかありました。
1、 筋肉質で基礎代謝量が多い。
2、 よく動き、睡眠時間が短い。
3、 食べる量に較べて排泄物が多い。
4、 吸収率が低い。
1と2は、単純に消費カロリーが多かったということです。でも3と4は体質というより食習慣によるところが多いと思います。ずばり、食物繊維の多い食生活です。
江戸時代から明治初期にかけて、日本人は女性でも、1日3合の米を食べていたそうです。こういう食事の仕方は、いまでもインドネシアやベトナムなどアジアの国で普通に見られます。
インドネシアの地方都市のケンタッキーに入ってびっくりしたのは、巨大なご飯のボール(おにぎり3個ぶんくらいのイメージ)を売っていたことでした。
現地の人々はチキンを1個頼んでチリソースをドバドバとかけ、このライスボールを1、2個食べます。
貧しいからではありません。米を食べないと食べた気がしないからです。同じように、麺を食べるときもご飯が一緒。それでいて太っている人はめったに見かけません。ネパールでもカンボジアでも、人々はとにかく大量の米を食べます。米からタンパク質の多くを摂っています。
これが「お米の国」の食事の原型です。日本人もちょっと前までは、こういう食生活をしていました。
もちろん米からタンパク質を摂れとはいいません。日本人は豊かなタンパク質をおかずから摂れるようになったからこそ、寿命が延び、年をとっても若々しくいられるようになったのですから。
ただ、我々の消化器官は、そういう、米を1日3合も食べるような食生活に適応しているということです。白人と違って、量のある食事をとらないと腸が動きません。排便が順調でないと腸内菌のバランスが悪くなります。そして食物繊維が少ないと、食べたものの吸収率も上がってしまいます。
というわけで、私が食生活で意識しているのは、筋肉を維持するためのタンパク質と食物繊維の摂取です。
夕食の副菜には根菜を中心とした、大量の野菜をとります。サラダと果物はあまり食べません。意外に食物繊維が少ないんですよ。加熱した野菜が中心です。
朝食や昼食は、これまた胚芽ビスケットにクリームチーズとか、ミューズリーにヨーグルト&バナナとか、食物繊維だらけ。そういえばおやつも、ナッツバーとか食物繊維が多いですね。あれ? 和菓子の餡も食物繊維か。意識しないところまで、食物繊維だらけですね。
無理して摂っているわけではありません。それが食習慣になっています。
リフィート卒業後も、そういう食事をして3年。まずはダイエットで初めてなった便秘が治りました。食べている総量としては、リフィート以前よりずっと少ないのに、毎朝順調な排便があるようになりました。それに伴い、「食べなくてもそれほど体重が減らないけれど、食べても思ったほどは増えていない」という、以前の調子が戻ってきました。
もちろん揚げ物の翌日は魚にしてカロリーを抑えるとか、普通の注意はしています。でも毎日和菓子を食べるし、ごくごく普通の生活です。
あ、この甘いものの食べ方というのも、コツがありますね。会社の帰りなどにコンビニに寄ってスイーツを買ってしまうのは、仕事やストレスで脳が疲れているからです。消耗した脳が、ブドウ糖を必要としているのです。
でもそこでロールケーキとか買ってしまうのはバツ。脳が必要としているのは糖であって、生クリームなどのカロリーの高いものではありません。生クリームより、砂糖のかたまりのほうがカロリーは低いんですよ。
私は和菓子好きですが、和菓子は油分が少なくて、満足度の割にはカロリーが高くありません。そして疲れた脳は、糖分さえ摂取すれば、充分に満足するんです。太りにくい食生活というのは、このへんにコツが潜んでいます。
食べてストレスを発散するタイプの人は、中途半端な間食をしないで、純粋に甘いものを食べましょう。
ある程度、量を食べないと満足しない人は、むしろ白米をしっかり食べましょう。
リフィートを卒業して体が新しい体重に慣れたら、ダイエット気分も終了です。いつまでも半ダイエットみたいな生活を続けていると、飢餓感から間食が増えて、むしろ総カロリーが多くなってしまいます。また小麦粉を使った食べ物よりも、白米中心の食生活のほうが、むしろ太りません。
疲れたら甘いものが欲しくなるのも、お腹にたまる食事がしたいのも、健康なら当たり前のことです。何でも我慢するのではなく、体の要求をある程度満たしながら、総カロリーはほどほどにする。これが太らない食生活です。
いつも心のすみに「ダイエットしなくちゃ」という気持ちを置いて、脳はいつもハングリー。その結果、食べたり食べなかったりする「半ダイエット」生活は最悪です。栄養も偏るしね。
自分に合った、太らない食生活を見つけてください。