従来型の「百貨店」は地方では難しくなっている。

小型店舗では物足りないところを補うのに良い戦略なのでは。

都内にも増えてほしいなあ。

三越伊勢丹、「中型」で中核都市攻略

2016/3/5 3:30 日経朝刊

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は4日、名古屋市で新型店「イセタンハウス」を公開した。ここ数年展開を強化してきた化粧品などの小型店と従来の百貨店との中間規模となる第3の店舗だ。各社は駅ビル向けなどの小型店を強化している。三越伊勢丹は中型店も加えて地方中核都市などの駅前再開発などに対応し、成長を目指す。

4日午前10時、建て替えを終えた名古屋駅前の大名古屋ビルヂングで、報道陣向け内覧会が開かれた。イセタンハウスは中核テナントとして9日に開業する。「買い物を楽しむ若い世代にアピールしていきたい」。イセタンハウスの責任者である三越伊勢丹・中小型店事業部の田代直子氏は意気込む。

地下1階から地上2階までの3フロアで構成し、化粧品や婦人服、雑貨などを取り扱う。化粧品では駅ビルなどに入居する小型店「イセタンミラー」で好評だった陳列を採用。婦人服などには伊勢丹新宿本店(東京・新宿)で顧客評価の高い売り場を導入した。

三越伊勢丹HDが新たに中型店と位置づけるイセタンハウスは同社の国内での成長を左右する。売り場面積が数万平方メートルの従来型の百貨店は人口減もあり新規出店は難しい。2011年に出店したJR大阪三越伊勢丹は、開業から3年で百貨店の看板を下ろし専門店へ転身した。競合する百貨店が取引先を囲い込み、欧米の高級ブランドが軒並み出店を見送ったことなどが要因とされる。

一方で12年に開始した数百平方メートル規模の小型店展開は新たな顧客を獲得している。12店を数える化粧品のイセタンミラーのほか、東京・丸の内や六本木でも開店した。

ただ、小型店は高島屋やエイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急阪神百貨店など他社も強化している。専門店を含め、今後競合が増える。

イセタンハウスの売り場面積は約3000平方メートル。同規模の店舗を手掛ける百貨店はまだない。伊勢丹が得意とするファッション性の高いブランドで売り場を構成できる規模だ。高級ブランドの不在に苦しんだ大阪とは異なり、独自性で勝負しやすい。

また中型店は、駅ビル・ショッピングセンターなどに一テナントとして入る小型店と違い、「伊勢丹」の名前を地域にアピールできる。長らく課題と指摘されてきた東京以外での存在感向上につながる。化粧品のみの小型店などと違い、複数のカテゴリーの売り場を確保でき、顧客層も広げられる。

出店には地方中核都市での駅前再開発などを視野に入れている。名古屋以外にも展開できるとみており、ほかの地域への出店を検討していく。

百貨店業界では訪日客の「爆買い」や富裕層による高額消費が足元の販売を下支えする。ただ、訪日客の伸びはいずれ鈍化する。幅広い出店機会を取り込むため、三越伊勢丹HDは中小型店の出店を加速させる。

イセタンハウスには、開業に合わせて新たに開発した商品もあり、三越伊勢丹HDがかける期待は大きい。それは「従来型の百貨店の出店余地は限られる」(大西洋社長)現状の裏返しでもある。

(川崎なつ美)
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