【番外】劇団四季ミュージカル比較マップ(2017年版) | 茶柱健之助の観劇ブログ

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劇団四季を中心にミュージカルを観劇しています。

これまで観てきた劇団四季のミュージカルの比較マップを作成しました。
2016年版をベースに全体的な調整を行った上、『ノートルダムの鐘』を追加しました。


■劇団四季ミュージカル比較マップ(2017年版)

劇団四季ミュージカル比較マップ(2017年版)


■前提事項

・劇団四季のミュージカル演目のみを対象としています。
 そのため、ストレートプレイは対象外です。また、『コンタクト』は構成が特殊のため対象外にしました
・観たことのある作品のみが対象です(まだ観たことのない作品も多いです)
・個人的な評価であるため他の方とは異なるところも多々あるかと思います



注意:ここから下には作品のネタバレに繋がる記載があります
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■評価軸の説明

●縦軸:ハッピー演目/アンハッピー演目
縦軸は作品から溢れるハッピーさを示しています。以下の観点で評価しました。

1.ハッピーエンドかバッドエンドか
 当然ではありますが、ラストの状態を最重視しています。
 ハッピーエンドはハッピー演目寄りに、バッドエンドはアンハッピー演目寄りに、
 どちらとも言えない作品(例:ACL、キャッツ)は中間に寄ります。
 
 特に主人公の状態をより重視しています。
 ウィキッドで言えば、グリンダ、エルファバ、フィエロの3名を主人公と見なしており、
 エルファバとフィエロの関係だけに着目すればハッピー要素が強いのかもしれませんが、
 グリンダの孤独やエルファバとの別れを考慮すると、手放しでハッピーエンドであるとは言えません。

2.ストーリー
 ラストだけでなくその過程であるストーリーも評価対象です。
 終始浮かれた内容のCFYやMM!は高くなり、重苦しい昭和3部作やWSSは低くなり、
 どちらでもないキャッツやACLは中間になります。

3.報われる人数
 報われる人数やその内容によりハッピー要素が高くなります。
 例えばカップルの成立を取り上げると次のとおりです。
 CFY(多数のカップルが成立)> MM!(1組のカップルが成立)
 
 また、アンハッピーの中でも以下のようになります。
 ※右の方がまだマシ(=上に位置する)
 WSS(誰一人報われない) < オペラ座(多少は報われる)

4.死ぬ人数・内容
 「死」は縦軸に強く影響を与えています。
 ハッピー寄りの演目でも次のとおり違いがあります。
 CFY、MM!(誰も亡くさない)> BB(1名の敵役を亡くす)> LM(1名の肉親を亡くす)> LK(数名の肉親を亡くす)
 
 アンハッピー寄りの演目は当然強い影響を受けています。
 単に死ぬ人数だけでなく、死に方により評価が異なります。
 自ら死ぬ(カジモド)> 死を受け入れて殺される(アイーダの2人)> 死を受け入れず殺される(エスメラルダ、WSSの数人)

縦軸はアンハッピー要素の強い作品の評価に苦労しました。
アイーダ、ノートルダム、WSSを取り上げると、以下の理由で アイーダ > ノートルダム > WSS の順となっています。
アイーダ:バッドエンドだが、最期に一緒になれたこと、来世で再会したことは多少なりとも報われた
ノートルダム:バッドエンドのようにも見えるが、カジモドは事をやり遂げたと見なせる
WSS:誰も報われない

●横軸:ダンス要素/芝居要素
横軸はダンス要素が多いか、芝居要素が多いかを示しています。
本来、ダンス要素と芝居要素は対極にあるものではなく、別の軸ですが、二次元の表で3軸を表すことはできないため、やむを得ず「ダンスシーンが多いということは、芝居の余地が少なくなる」(逆もまた然り)と、やや強引な評価をしました。
さらに言うと、本当は「歌唱要素」の軸も入れたかったのですが、やはり二次元の制約のため断念しました。

横軸においては以下の評価としました。
1.ダンスシーンの多さ
 ダンスシーンの時間が多いほどダンス要素寄りになります。

2.ダンスの参加人数
 ダンスシーンの参加人数が多いほどダンス要素が高いとみなしています。

3.ショーもダンス要素
 例えばアラジンのフレンド・ライク・ミーやプリンス・アリーのような
 ショーに近い演出もダンス要素として加点しています。

4.ダンスシーンと見做さないもの
 以下はダンスシーンとして見なしません。
 ・JCSのホサナ
 ・MM!のカーテンコール(本編ではないため)


■さいごに

劇団四季ミュージカル比較マップを作って、自分自身ではこんな気づきがありました。
・ディズニー演目は右上に集中(ハッピーエンドでダンス要素が多い)
・劇団四季の原点とも言えるACLが本当に原点
・WSSはやはり特異

もともと感じていたこともありますが、俯瞰してみて「やっぱりそうか!」と再認識をしました。

芸術全般に言えることですが、受け取り方は観る側に委ねられているので、人により様々な評価になるかと思います。
他の方はどのような解釈をするのか、作品を分類する場合にどのような評価軸を作るのかにとても興味があるので、
各自のアイディアで作品を分類・評価してみてお互いに見せ合うことができたら楽しいと思うので、興味のある方ぜひお願いします。