少々長い文を

私はこう見えて24時間、365日いつも料理の事を考えています

いや、正確には頭の片隅に必ず料理のヒントを探していると言った方が近いかな

食べ歩きや生産者めぐり、読書は当たり前ですが、同業じゃない方との話や、表現

プライベートでいくプールでの水の色や体育館の匂いなど、様々な部分で知らずと料理とシンクロしようとしています

今回のランチオードブルでの一皿
『豚足、豚耳、豚喉のテリーヌ、ラビゴットソース』
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どこにでもある単純なんてお皿なんですが、幾重にも重なった偶然がセラヴィらしいお皿に仕上げてくれました

そもそもスキルとして豚足を扱う事があまりなかったのですが、今年の頭に同業者さんと行ったお店でバートフィロに包まれた豚足のテリーヌが出て来ました

食感が楽しかったので、お店のシェフにつくり方を聞いて何度か作ってみました。メニューに乗せることはなかったんですが、それなりに手応えを感じて自分の経験として得るものがありました

時が過ぎ今年の9月にランチ改正をして、今後新しい事、新しいメニューにどんどん挑戦していく決意をした中、ついに豚足のテリーヌが陽の目を浴びようとしています

そんな時、とある方に食べてもらった時にその方は浮かない顔を、、、
ある程度自身があったのですがその方はこう言いました
「食感が苦手、ソースがあるから食べられる」
思いもよらない言葉に苦笑いをするしかなかったです

たしかに豚足を煮た後の独特の食感、好きな人は多々いるけど逆も然り(^^;あながち調理師は案外こんな食感が好きだったりします、でもあくまで調理師目線で(^^)

さて、どうしたものか、

煮る時間を長くして、食感をもっとソフトに?いや短くして逆にシャープに?もっと細かくきざむ?
そもそも万人受けするもの出したいならメニューを変えちゃい、テリーヌはまたいつかやれればいい?危ない橋を渡る必要がない?

いやきっとここでメニュー変更したら豚足のテリーヌの出番は訪れないかもしれない

なんか方法はないか、どうしたら美味しく食べてもらえる?

そんなふうに悩んでいる中、三島からお野菜が届きます、その中に新生姜が入っていました

新生姜かぁ、フレンチではどうやって出せばいいんだろ、辛味はなかなか強烈だし、歯ごたえは強いし
そもそも形が扱いにくいなぁ
悩みの種だなぁ(いい意味で)

、、、でも豚との相性いいよなぁ

…生姜焼きなんて最高だよなぁ

…生姜、醤油、昆布だし、旨味……

‼️‼️‼️

なんかいけるかもしれない‼️

テリーヌに生姜を入れる?いやありがち

すりおろして薬味っぽく?いや生姜が勝っちゃう、シャキシャキの食感もなくなっちゃうなぁ

生姜、醤油、昆布、、、、、

煮物?

佃煮❓  

佃煮‼️‼️

これはオンリーワンのお皿かもしれない‼️

急いで佃煮調べて何度か試作してみる

色んなアンテナが僕を刺激します

三島の畑の香り

体育館の湿ったような匂い、プールに浮いていたコースロープの形(≧∀≦)マジで

前日に食べた蕎麦のつゆが甘かった事

甘さがあった方がいいって指針になり

アンテナから発せられていた電波が一つにまとまった時に新しい発想が生まれました

豚足の食感が苦手と言ってくれた方の一言が全ての始まり、そこから偶然が重なり、一つのお皿を完成させてくれました

『豚足、豚耳、豚喉のテリーヌ、ラビゴットソース、自家製新生姜の佃煮添え』
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豚足の独特な食感をシャープな生姜の歯応えが応戦、甘みがラビゴットソースの酸味を引き立たせます

お陰様で色んなお客様からお褒めのお言葉を頂いております

是非一度食べて頂きたいです

結局何が言いたいかって、物事のヒントはどこにでも転がっている事、それを活かすか殺すかは自分の想い次第でなんとでもなるって事です

最後まで読んでくださってありがとうございました