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2012-02-15 15:30:28

誘導線をつけるべきか

テーマ:ブログ
ここ1週間ほど、毎日「自炊」している。

大学生になるまでお湯を沸かすこともできない、いわば「箱入り男子」だった17歳のかつての僕は、34歳の今の僕を見て、突然変異を起こしたのかの目を剥いて驚いていることだろう。

黒髪眼鏡で武装した、いかにも真面目そうな青年が、夏休みをはさんで、金髪レーシックで自信をみなぎらせて登校してくるような変化幅ではないからだ。

ちなみに料理を始めたきっかけは、村上春樹さんの小説「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」の主人公が、胃拡張した図書館のレファレンス係をしている女子にご飯を振舞うシーンが、なぜだか僕の心を打ったからだ。

西武のおかわり君なら、バックスクリーンに楽々ボールを運んでしまうくらいのレベルで・・・だ。

とにかく僕は、本をデジタルに変換するという意味の「自炊」ではなく、料理を自分で作るという意味での自炊をしている。

唯一の不満点は、野菜を思い通りに切れないこと。

遺伝子操作のような最新テクノロジーを駆使して、角切りや千切り用の「誘導線」を野菜に刻みこんでおけば、それに沿って包丁を入れるだけなので、随分僕の不満点は解消される気がした。

ただ「誘導線」が刻まれた野菜が、畑で収穫を待っている姿を、あまり見たくなかったし、気の毒に思った。


料理を食べ、後片付けが終わった時、アルバム「フォトジェニック」で伸び伸びと歌い上げていたsalyu が、歌うのをパタリと止めた。













2012-02-14 15:51:30

海ガメの嘘泣き

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チョコレート売り場で、大学生らしき男女が、鼻息を荒げた海ガメのように、こんなことを話していた。


「チョコレートが1000円なんてありえなくない??」



なるほど。

そんな意見も分かる気がする。



ところで、僕の友人曰く「金額は価値で決める」そうだ。

1つ1000円のチョコをプレゼントしたことがきっかけで、いつもより会話が弾む。
笑顔が増える。新しい味に出会える。

それだけで大満足だと友人は言う。

それを高いと思うか安いと思うかは、ひとそれぞれだ。

そして、亀男くんと亀子さんは、何を求めて、バレンタインにチョコレート売り場に来たのか?

色んな理由が挙げられると思うが、概ね「プレゼントする人に幸せになって欲しい」と願っているのではないか??

そのチョコを食べたり、プレゼントした相手から感想をいただいた後ならまだしも、「チョコは1000円もしないものだ」という観念が頭を支配してばかりで、楽しい未来を想像する余裕が幾分欠けているのではないか。

この会場に来た以上、心の中で思うだけならまだしも、口に出してしまっては、チョコをもらう相手が気の毒だし、僕だったら安物のマシュマロをつけて、受けとるやas soon as 丁重にお返しするだろう。


今、どこかの海岸で、産卵中の海ガメが涙を流して悲しんではいないかと、ふと思った。


ps.海ガメが産卵中に涙を流すのは、痛みに堪えているからではなく、体に貯まった余計な塩分を排出しているだけだそうです(汗涙)


2012-02-14 14:12:31

天神橋筋商店街

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僕にとって、大阪の天神橋筋商店街を歩くことは、多大な集中力を要する荒行と呼んでも過言ではない行為だ。

小学3~4年生が全力で走り幅跳びをした距離ほどの横幅しかない道を、自転車が全速力で走り抜けていく。

周囲への注意力が牛のミスジほどもない人達が、スコールのように前触れもなく
立ち止まる。

僕は、そんなスコール人や自転車人を、最大限の集中力を払って避けながら歩を前に進めるのだ。

途中、二度見三度見の誘惑に抗うことができないほどの美人が店員を勤めるケーキ屋さんに、僕もちらりと目をやる。

ガールフレンドの喜ぶ顔が見たくて、その店でケーキを買った男性の大半は、ほんの僅かな時間だけ、ガールフレンドの存在を忘れてしまうのではないかとさえ
思うほどの美しい人だ。

もし天神橋筋商店街を闊歩する機会があったら、ぜひ御覧いただきたい。


冒頭で、天神橋筋商店街を歩くことは「荒行だ!」と表現したのは、明らかに過言であった。
2012-02-13 14:21:10

掲示板

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僕の住むマンションの一階に、掲示板がある。

多大なるスペースを確保するわりには、役割は猫の額ほど小さな掲示板で、僕は毎日出かける時、それに嫌悪の眼差しを向けていた。

うちの掲示板がデジタル化するのは、アメリカ軍が沖縄から出ていくよりも先の話だろう。

そんな掲示板に、行き先を失った年賀状が貼り付けられていた。

そして、それを受けとるべき人間は、まぎれもない僕だった。

バレンタインデーで街がざわつく2月中旬に、年賀状くんは「happy new year」と陽気な文字を掲げている。

真冬にホタルが飛び交うことは歓迎されても、バレンタインデーに年賀状が届くことは、とても歓迎されるものではない。

ただ、送り主に返事を書かずに、のうのうと元スマッシング・パンプキンズのジェームス・イハの音楽に耳を傾けている場合ではなく、いっこくも早く詫びを入れなければと思った。


僕は掲示板のことを少し好きになった。

2012-02-12 12:25:32

奈良漬け

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ハイネケン、ラガー、ヒューガルデン、デュベル、マッカラン・・・

色んなお酒が渾然一体となり、二日酔いに苛まれている。

まるで自分が奈良漬けにでもなったような気分だ。

ただ、とても食えたものではないので、その点において奈良漬けの方が、僕より幾分価値があるように思う。

ちなみに「自分が奈良漬けにでもなったような気分だ」という表現は、漫画「課長 島耕作」から拝借した。

先日、待望の「漫画喫茶で漫画を読みふける」という長年の夢(?)を叶え、その時に読んだのだ。

僕が訪れた漫画喫茶は、中流ビジネスホテルのロビーのようにさっぱりしており、穏やかな時を刻んでいた。

そこにいる誰もがゆったりと体を動かし、サザエさんのフネさんみたいに優しい声で何かを話していた。

そこで烏龍茶を舐めるように飲みながら、「課長 島耕作」を読んだのだ。

数年前までコオロギの涙ほども興味をもてなかった「課長 島耕作」に、没頭した。

ある女性が島さんを誘う時に「次のジャックダニエルは、もう少し静かなところで飲まない?」と呟いたシーンに
心奪われ、いつか自分も同じ台詞を口にしたいと思った。

そんな素敵なシーンを経験できるなら、もう一度、「奈良漬け」みたいな気分になるのも悪くないと思う。


2012-02-09 13:46:53

ニック・デカロ

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大学時代からの知り合いで、シンガーソングライターとして活躍中の二村敦志氏のインタビュー記事を読み、ニック・デカロに興味をもった。

二村氏は、良質な音楽とモエ・エ・シャンドンを偏狭的に愛する男で、口を開けば猥談が機関銃のように忙しく飛び出すような人間だが、インタビューは彼の音楽的な側面にだけ光を当てていた。


話を戻そう。

ニック・デカロは、1970~1990年代に活躍したアレンジャーで、肥満が原因と思われる心臓病で、今は天国での音楽活動を主な仕事にしておられるミュージシャンだ。

彼のアルバム「イタリアン・グラフィティ」の冒頭を飾る「under the jamaican moon」が、ゲゲゲの鬼太郎に出てくる「ぬりかべ」ほどの大きなスピーカーから流れてきた瞬間、僕の瞳孔は虚をつかれた猫のそれのように見開いた。

穏やかな雲が薄く空を覆った、日曜日の朝のような音楽だった。

鼓膜を天女がくすぐるみたいに、心地よかった。


今、ニック・デカロは、この音楽を聴かせて、どんな天女にラブコールを送っているのか知りたくなった。


2012-02-09 13:18:20

ご意見いただきました。

テーマ:ブログ
「マツモトさん!いつもラジオを聴いてます。あと、ブログも読んでます。昔みたいに画像を入れたおもしろい内容にしてくれませんか?」



そんなメールが番組に届いた。



神棚に飾りたいくらい有難いご意見だし、目玉焼きが綺麗に作れた時のように嬉しい気持ちはある。

ただ、僕のブログは、誰かを楽しませることを目的に書いているのではないので、上記のような感想を抱く方がいるのは至極当然のことだし、春になると熊が冬眠から覚めるのと同じくくらい予想できることでもあった。


これまでは、見ていただく方に楽しんでもらいたい一心で、僕はブログを書いていた。

そして、いつのまにか僕はブログから離れていた。



今は楽しい。



グローブを買ってもらい、日が暮れるまで野球に興ずる小学生のように、楽しい。


ブログを読んで、物足りない方が大半だと思いますが、気をてらわない素直な気持ちを綴ることで、少しでも皆さんに「何か」を感じてもらえれば、嬉しいなぁと思います。



2012-02-08 02:42:56

一番搾り

テーマ:ブログ
ラジオ番組終了後、発声についての「コツ」みたいな感覚を掴んだので、その感覚を恒常的な技術に変換するために、4~50分ほどスタジオに籠った。

僕はこの時間が好きだ。

マスオさんがサザエさんとの会話から逃避して、書斎に逃げ込むくらい、おそらく好きだ。



その後自宅に戻り、マンチェスターユナイテッドとチェルシー戦という、サッカーファンが大好きな人との初デートより優先するであろう試合を観ながら、「一番搾り」を喉に流し込んだ。

ビールは、盛りのついた蛇のように、勢いよく、僕の胃に飛び込んでいった。

本当は、「黒ラベル」が一番好きなのだが、別に「一番搾り」でも問題は無い。

吉高由里子さんが好きだが、北川景子さんが家にやってきても、顔中の全筋肉を重力に抵抗させた満面の笑みで迎え入れる。

そういうことだ。




お風呂が沸いたので、次の一番搾り(僕の中では二番搾りだが・・)と、村上春樹さんの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をもって、湯船に体を胸から下のみ浸す。


本には「ウィスキーをもってベッドに潜り込む・・という甘美な儀式を欠かすわけにはいかない」と記述されていた。

僕は、そんな粋な行為を自然体で実行できる男になりたい・・と可愛らしい一番搾りの缶を握りしめて思った。

幾分、手の形にあわせて、缶がへこんでいた。


2012-02-07 03:29:44

スーパーボール

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ラジオのオンエアが終わり、神経が穏やかに鎮まり始めた頃、テレビからスーパーボール決勝の試合が、ケリー・クラークソンの国家斉唱を合図に幕を開けた。

ケリーの堂々とした歌声を聞いて、三重の山奥で耳にした、品のない鹿の鳴き声を、なぜかふと思い出した。

どこか猥雑な響きがあったのか、僕の思考が正常に働いていなかったのか、理由はどちらか1つだ。

誤解のないように言えば、ケリーの歌声は文句のつけようがない出来だったし、付け加えるなら、バックコーラスの小学生らしきメンバーの歌声も見事だった。

のど自慢コンクールなら、鐘の音はカラスがゴミを漁る時間まで鳴りやまいだろう。

そんなバックコーラスの一員である、眼鏡をかけた、いじわるなカマキリみたいな顔をした少女の表情が、駅のホームにこびりついたガムのように、頭から離れなかった。

顔のあらゆる筋肉を、空に突き刺さるように上にもちあげ歌う表情は、とても迫力があり、お喋りを生業にする僕も見習いたいなぁと思った。

今回のスーパーボール中継で、カマキリ少女に気持ちを奪われたのは、僕だけではないような気がした。



2012-02-05 09:47:02

宮城舞

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コンビニの雑誌コーナーで、ある女性がこちらを凝視していた。

いや、正確には凝視どころか、割れたビスケットの欠片ほどの関心ももってはいなかったのだが、僕にはそう感じた。


モデル「宮城舞」


雑誌「jelly」の専属モデルであり、僕の心を奪った、ルパン顔負けの大泥棒でもある。

人生を達観したかのような落ち着いた目をしているが、全体の印象としては上流家庭で飼われているリスのように可憐で弱々しい。

女優・菊池凛子さんとの共通点を見つけるが、僕は菊池凛子さんに特別な好意を抱いているわけではなく、どちらかと言えば菊池桃子派だ。

男子を含めるなら、菊池雄星くんに
清き一票を投じるくらい、凛子さんに
関心はもっていない。

しかし、その彼女に似ている宮城舞さんの視線には、動揺し、心が浮き足だってしまった。


インターネットでプロフィールを調べた。

あだ名は「まいぷぅ」と言うらしい。



自分のことを「マツモトアキぷぅ」と名付けるセンスを僕は持ち合わせていないが、「まいぷぅ」なら許せる気がしたし、そんな自分を幾分嫌悪した。


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