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祖母の死

妹が書いていたのに触発された。

胸に閉まっておくべきかと思っていたけれど、思考は頭で反芻したところで霧にすらならない。

ならば、言葉という形にして残しておきたい。

 

 

母方の祖母が亡くなった。享年91歳。

 

唐突に感じたが、母はわりと覚悟していたらしかった。

その日の夜に帰省、玄関には父が迎えてくれた。

母は台所で背を向けて立っており、落ちた肩がひどく小さく見えた。

 

お座敷を覗くと、白い布を顔に掛けられた祖母が静かに眠っていた。

母が「綺麗な顔してるよ。見てやって。」と言い、私は布を取った。

美しい顔だった。込み上げるものがあった。

 

 

翌日はカウンセリングの試験日だった。

車を運転して会場へ向かう私に、父は「気をつけて」と二度言った。

この落ち着かない感じは何なのか考えていたけれどハンドルを握って分かる、父が念を押すように繰り返して言ったのは、私が「動揺を顕わにしていたからだ。

 

カウンセリングとは実に良いもので、クライエント役で生の気持ちを吐露させてもらった。

(試験の出来は最悪だったが。)

喋っている間は分からなかったが、振り返ると、私はその時、祖母に対して「深い感謝」の気持ちが湧き出していたのであり、それを表現したかった。

 

幼い頃、初孫の私はとても可愛がってもらったそうだ。

私もおじいちゃんとおばあちゃんが大好きだったけれど、我がままで融通のきかない落第生だったから、教育面では厳しく戒められて、心の片隅で2人を疎んじていた。

祖父の死は突然で、祖母は長く住んだ地に別れを告げて、娘である母の許へ身を寄せた。

あれから17年。ここ1年は病気と高齢のために意思疎通ができなくなっていた。

私はもっと、愛に報いるべきだった。

 

おばあちゃん!

最期の最期で、マリコに大切な贈り物をくれたんやね!

これからの生き方についてしっかり考えなさいって…たくさんたくさん…くれたんやね。

 

逝く人は、逝くだけで、遺された者に、大きな財産を授けていくのだと知った。

死によってしか与えられない気づきを、死をもって。

 

 

妹夫婦と姪の3人が、東京から到着していた。

家族とは本当に良いものだ、妹の旦那さんをとても頼もしく感じた。

 

 

お通夜。

慣れ親しんだ土地から遠く離れた場所で亡くなった祖母を訪れる人は少なく、父が「こんな寂しいお通夜なんて…」とポツリ呟いた。

祭壇は華やかに飾られていた。

私たちは斎場で賑やかにご飯を食べ、お酒を飲む人は大いに飲んだ。

 

 

お葬式。

母は、結婚前に誂えてもらっていた母方の紋の入った喪服に初めて袖を通し、バッグと草履は祖母のものを使った。

父は、やはり母方の祖父が生前着用していたモーニングを着、袖に同じく祖父の形見の琥珀のカフスをしていた。

私は両親を眺め、しみじみとこの2人の娘に生まれて良かったと思う。

 

参列者への挨拶は、父が行なった。良い挨拶だった。

父はよく観ている人だ。祖母を取り巻く孤独も思慕も愛も、全て詰まった、温かい言葉だった。

 

霊柩車に乗る時の、喪主としての母の挨拶も良かった。

短い言葉の中に、足を運んでくださった方々への娘としての感謝が、じんと滲んでいた。

 

私は祖母の遺影を抱いて、霊柩車に乗せてもらった。

今の母よりも若かった時分の、柔らかい笑顔の遺影。

元の写真は、すぐ傍らに凛々しい祖父が立っている。祖父の叙勲記念に撮影したもので、正装した2人の姿が晴れやかで清々しい、孫の私としても誇らしい写真だ。

 

火葬場で柩が燃されるのを見送って、骨を拾う。

そうして肉体と決別して、私たちは故人の思い出と共に生きていく。
 

最後の女4代を、父が撮影してくれた。

「向こうでみんなと楽しくやってるかな」と、母は独り言のように何度か呟いていた。

もっと活字と仲良く…

うーん。
買った本を読まない日々が続いております。
なんとか打破しなければ。
 
 
 
 
沈黙 (新潮文庫)
 遠藤周作
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中学生だったか高校生だったか。夏休みの読書感想文か何かで、一度読みました。内容は全く覚えていないけど、何だかすごく後味が悪くて、「この本はもう二度と読まないだろう」と思ったことを覚えています。
けれど、映画化されたのをきっかけに再読したい気持ちがふつふつ沸いて購入、今読むと、また違った感想になるのではないかと思っています。
舞台は長崎だし、遠藤周作記念館にも行っていますし、歴史への造詣も人の心への寄り添いも10代の頃よりは深く熟しているであろう自分に期待してもいます。
ちなみに、「深い河」「海と毒薬」はずっと手元にあるんですけど、やっぱり読んでない…トホホ。これを機に読もう。
 
 
 
色彩学概説
 千々岩英彰
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私の中で、目の不自由な方にカラーセラピーを受けてもらうことは可能なのか…という課題が専らでして。そういう意味でも、この本はとても参考になりそうです。
目次を見るだけでもワクワクするのですが、じっくり読む時間を作れていないので、確保しなければ。
 
 
 
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が会員向けに発行している機関誌があるんですけど、そこに斎藤環(Wikipedia)先生のインタビューが掲載されていて、興味を持った「オープンダイアローグ」。非常に気になるところ…早く読みたいです。
 
 
 
あ、そうだ。
「産業カウンセリング実務必携」は、産業カウンセラー(Wikipedia)しか買えないかと思ったら、一般の方でも購入できるそうです。書店では販売してないので、書籍刊行案内からどうぞ
カウンセリングの実務に必要なことを先生方が座談会形式で語っておられて、実践に即したことだけではなく、講座との違いや大事にしていることなども開示しておられるので、とってもためになる本です。
でも、これも途中までしか読んでないんですよねー。良くないなぁ(汗)
 
 
 
ドラッカー学会大会で初めてお逢いした麻子さんは、それはもうとても素敵でした。見識広く聡明でいらっしゃるのに、柔らかくって笑顔がチャーミングでフレンドリー。こんな素晴らしい女性がいらっしゃるのか!と、いたく感激しました。
そんな麻子さんの最新著書は、ドラッカーの小説!楽しみながら読みたいと思います。
ちなみに、3月4日に福岡で出版記念講演会が開催されます。麻子さんに逢ってみたい方は是非!!
 
 
 
実践するドラッカー 利益とは何か
 佐藤等, 上田惇生
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「実践するドラッカー」シリーズを課題本として開催している読書会に参加してるんですが、これ5冊目ですねー。佐藤先生が、実践できるようにと工夫して書かれていらっしゃる本です。
もしも「ドラッカーを学んでみたいけど敷居が高い…」と二の足を踏まれているなら、実ドラから始めるとすんなりいくと思いますよ。え?なぜかって?かつて私もそうだったから。
そして、読書会に参加したいという方いらっしゃいませんか?「いさドラ」は“世界一ゆるい”って呼ばれてるんです(笑)。3月から上記の本での読書会が始まります。
 
 
 
ドラッカー名著集1 経営者の条件 ドラッカー名著集1
 P F ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)
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そしてついに、敬遠してた赤本を買っちゃいました。
前述した「人生を変えるドラッカー」のベースになった本でもありますし、これを使った読書会が長崎でも始まるっていうことだし、もう、もう、逃げられない(笑)
けれど内容はめっちゃビジネス系かと思いきや、セルフマネジメントなのだそう。根幹は自分が社会でどういう存在であるべきか。そのために何をすべきか。苦手とする部分なので、上手に活用できたらなと思っています。
 
 
以上、もっと活字と仲良くなりたいマリコの、メモ的ご紹介でした。
 
 
 
2月からも研修受講、講話、就職指導、テキスト改訂、慰問、ラジオ、セミナーオーガナイズ、セラピー開発…色々あって、ゼロベース思考でオリジナルに構築したくて、脳みそパンパンにしてるけど、やっぱり書籍(あるいはまとまった文字)は拠り所です。さしずめ、精神を醸成するエッセンスといったところでしょうか。
やっぱり読むって良いですよね。