千葉センター・東葛飾支所から引取のシーズー2匹


推定8~10歳のシーズーたち。

引き取りをかなり迷いましたが、迷うということは、あきらめきれないということですね。


日向(ひなた) 日和(ひより)

      日向(ひなた)オス                  日和(ひより)メス

     体重5.7キロ(理想7キロ)             体重4.4キロ(理想5キロ)


持込シーズー


協力病院にて、フィラリア抗原検査(-)、検便(-)、血液検査済、5種混合ワクチン済


持込シーズー 持込シーズー


一緒に飼われていたようです。

1ヵ月前にトリミングしたような毛の伸び具合ですが、皮膚の状態はよくありません。

爪が伸びすぎていて、パッドに刺さる寸前でした。

写真はシャンプー後のものです。


今後、皮膚のケアも必要です。


日和ちゃんの足裏(パッド)の部分は、それは酷い状態なので、歩くと痛そうです。


日和の後足裏 日和の前足裏
        後足裏                          前足裏


マラセチアが悪化した結果と思われますが、普通は、こんな状態になるまで放置しないそうです。


日向(ひなた)くんは、心臓に問題を抱えていることがわかりましたが、詳細はまた追って掲載します。




埼玉県動物指導センター収容動物情報


まだ構築中の箇所もありますが、埼玉県動物指導センター管轄の保健所収容の収容動物情報が出来ました。

昨年9月に譲渡先団体として登録した際は、まだ収容動物情報はありませんでした。

やっと一歩前進です。


埼玉県動物指導センター 犬の収容情報

埼玉県動物指導センター 猫の収容情報


現状、当会では、センターが譲渡に適していると判断した犬猫のみ、引取をしています。

当会で引き取る犬猫を決めるということはありません。

今後、保健所での収容期間の延長、センターにおいての一定期間収容など、良い方向に改善されていきますように・・・。

保健所での収容期間は、通常3日です。

その3日の間に飼い主さんがみつからなければ、センターに移送され処分に送られます。

飼い主の処分持込は、センター本所のみ、窓口となっています。

センターへの飼い主処分持込みの犬猫は、即日か翌日の処分です。


東京・千葉のセンターのように、団体・個人ボランティアへの再譲渡を目的とした譲渡事業が、もっと広がることを望んでいます。

現在、埼玉県動物指導センターへの登録団体は当会だけです。

昨年は9月末~12月、埼玉県動物指導センターから犬15頭を引取りました。

消えていった命の数は、その何十倍もあるでしょう・・・。


コリー♂アルファ、正式譲渡のご報告


当会にて昨年9月末に東京都動物愛護相談センターから引取りました保護犬コリー♂アルファですが、3月6日、正式譲渡手続きが完了しましたのでご報告致します。


ここまで辿り着くには、大変多くの方のお力添えとご尽力をいただきましたこと、お礼申し上げます。

昨年12月初め、元飼い主様であるという方の代理人K様からご連絡をいただきました。
12月16日、飼い主ご本人様、山梨在住のお兄様、代理人K様、そして当会スタッフ1名に同席をお願いし、話し合いの場を設けていただきました。
当会の保護犬コリー♂アルファが、探しておられた犬であるという確認をさせていただき、その上で、今後についてお話をさせていただくことになりました。
お写真がないとのことでしたので、血統書の確認(年齢・性別等の確認)、過去の医療受診記録(医療費明細)を確認させていただきました。
かかりつけの動物病院へ伺い、体重の記録についても確認させていただきました。
動物病院の記録によると、2007年8月は体重23.5キロ、しかし2006年10月は27.65キロあったそうです。
センターに問合せされた際に「逸走時、体重28キロのコリー」との申告であったので、センター収容時の体重とはかなりかけ離れており、探しておられるコリーとの認識がお互いに一致しなかったのだと思います。
また代理人K様が保管されていた当会募集記事の掲載写真を院長に見ていただき、おそらく探しておられる犬に間違いないだろうとのお話をいただきました。


センターの譲渡条件に則って、安全管理(脱走・逃走防止)の徹底、終生飼育、迷子札・犬鑑札の常時装着、健康管理等、当会から譲渡に関してのお願いについてご説明させていただきました。
それらを守っていただけるというお約束をいただき、当会の保護犬の譲渡の流れに添って、トライアルへとお話を進めさせていただくことになりました。


コリー♂アルファの一時預かり様ともお話をさせていただき、話し合いの翌日、12月17日、空輸で東京に送っていただきました。
12月17日からは、東京在住の当会預かりスタッフの家庭にて、トライアル開始まで預かっていただいておりました。
脱走防止のため、庭に強度のある柵を作っていただくことになり、明けて1月中旬、柵が完成したとのご連絡を受け、1月27日からトライアル開始となりました。
飼い主様は単身者でおられるとのことでしたので、当会譲渡契約書においての保証人には山梨のお兄様、後見人には代理人K様の連名の署名をいただき、飼い主様ご本人の飼養管理責任と終生飼育において、ご協力をいただくことになりました。
当会スタッフ1名にも立会をお願いして、連名の契約書を交わしました。


飼い主さんと  飼い主様と一緒に



1月27日 1月27日

     スタッフHさんと庭で遊ぶ               トライアル前に駅で




庭のフェンス 庭のフェンス

      設置していただいたフェンス


庭のフェンス 庭のフェンス
     フェンスの下を掘らないように、下まで繋げてあります



3月1日、飼い主様のご自宅に再訪させていただき、元気に暮らしている様子を確認させていただきました。
3月6日、犬鑑札の再交付手続きが完了したとのことで鑑札番号のご報告をいただきましたので、正式譲渡手続きを完了させていただきました。
センター譲渡書類に犬鑑札番号・マイクロチップ番号を添えて、近日にセンターに譲渡報告をいたします。
マイクロチップの飼い主登録手続きは、既に当会からマイクロチップ登録協会であるAIPOへ書類を提出して完了しております。


3月1日 3月1日

        元気そうだね               大きな迷子札もつけています


センター引取時から献身的にお世話いただいた大阪の預かりママ様、本当にありがとうございました。
コリーを引受けるという強いご決断、何があっても責任を持ちますとおっしゃっていただいたお言葉、そのお気持ちでアルファの命が繋がりました。
東京に戻ってからトライアル開始までの1ヵ月半近くの預かりをしてくださったN様、毎日のお散歩やケア、本当にありがとうございました。
今回の件でいろいろとお力添えいただいたスタッフのSさん&Hさん、搬送協力いただいたTさん&Kさん、ありがとうございました。
そして、代理人としてご尽力いただきましたK様、お世話になりました、ありがとうございました。


ここまで辿り着くには、長い時間がかかりました。
多くの皆様にご心配&ご苦労をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
太郎くんがこれから先、健康で長生きして、そして飼い主様もご健康で太郎くんとともに幸せな時間を刻んでいただけることを切に願っております。


3月1日

    またボール遊びしようね



最後に・・・
心情的に大変辛い時期があったと思いますが、変わらず会をサポートして引取り&預かりを続けてくださったスタッフの皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
1頭でも多くの子の命を繋げたいという強いお気持ちのおかげで、センターからの引取りを継続できました。
今、くつろいで寝ている子たちは、皆様のおかげで、今があります。
皆様、本当にありがとうございました。


長らくブログの更新が出来ずに申し訳ありません。

昨年12月は40匹を超える犬猫のトライアルがあり、事務処理に追われていました。

年末年始には、ブリーダー廃業犬16匹の引取りもありました。

東京・千葉・埼玉センターからの犬猫の引取りは、日々続いています。


保護犬から我が家の子として一昨年迎えたシーズー♂キャラメルは、1月2日、天国に旅立ちました。

重度の心疾患で、余命いくばくと言われてから1年余り頑張りました。

色々な出来事が重なり、日々雑務に追われ、とてもブログの更新まで手が届きませんでしたが、会としてご報告しなければいけないことが山積しておりますので、少しずつでも掲載してまいります。


2007年度の収支報告が遅れております。

ご支援いただいている皆様、本当に申し訳ありません。

あと少しで終わる予定ですので、3月中旬にはアップできるかと思います。



もも&さくら


全盲の猫♀ももちゃん&柴♀さくらのツーショットです。

ももは、2003年4月、東京都動物愛護センターから引き取った子で、当時、生後5~6か月、両目とも眼球がありません。我が家での暮らしも5年近くになりました。

さくらは、今年2月に同じく東京都動物愛護センターから引き取った推定10歳以上の高齢犬です。

とても穏やかで優しい子です。


更新が遅れまして申し訳ありません。
週末まで書く時間が取れませんでした。


ご親族とのお話


11月22日、飼い主かも知れないという男性のお兄さまのご自宅にお電話させていただきました。
生憎、出張中でご不在とのことで、お兄さまの奥様とお話をさせていただきました。
今回の件についてお話はご存じでしたので、弟さんと直接お話しをさせていただきたい、ご自宅まで伺うのでお話をさせていただきたい旨、ご説明をさせていただきましたが、家族で話も終わり、やっと皆、落ち着いてきている状態なので、直接の連絡はやめて欲しいとのこと。
お兄さまが明日お帰りになってから再度相談して、こちらにご連絡をいただけることになりました。


以下に書くことは、お話しをしたお兄さまから、当会のHPでの報告として、どうぞ書いてくださいと許可を得ていますので、お話しをしたままを書かせていただきます。


11月23日の夜、お兄さまからお電話をいただきました。
当会の保護犬であるコリーについて、直接、弟様とお話をさせていただきたい、お会いさせていただきたいとお願いをしました。
しかし、回答は昨日の奥様のお話と同じでした。

もしコリーが弟様の犬であれば、お返しすることを考えているとお話をしました。
ただしお願いとして2つのことをお話しをしました。


一つは、弟様の犬であるという証明を何でも良いので当会に提示いただきたいこと。
お兄さまは、おそらく8割、9割方、弟の犬だと思うが、迷子札も鑑札もつけていなかったので何も証明するものがないとおっしゃるので、例えば、写真1枚、犬登録書や狂犬病予防注射済票、動物病院の受診記録、かかりつけの病院とのお話、ご近所の犬を知る人とのお話等、何でも良いとお話しをしました。
当会では未だ、保護犬コリー♂アルファが、飼い主であるという男性の犬であったのか、何一つ、確認できるものがありません。


もう一つは、安全管理。
二度と脱走・逃走しないように飼養環境と犬の管理に気をつけていただくこと。


犬の確認については、写真は無いとのこと、犬登録も多分しているだろうがお兄さまにはハッキリとはわからないとのこと。
病院の受診記録や、かかりつけの病院については、お兄さまも遠く離れてお住まいなので仔細まではご存じないのかも知れません、詳しくお話しを聞けませんでした。


安全管理については、絶対のお約束は出来ないとのことでした。
庭の四方に高い柵を作り、脱走防止策をすることについては、隣家と地続きでお付き合いの兼ねあいもあり難しいとのこと。
今まで脱走しそうな箇所には、簡易な柵と、そこに物を積み上げて塞いだりしており、犬が力任せに押したら崩れてしまうような状態で、それを堅牢な柵には作り替えられないとのこと。
それでは、そんなに堅牢な塀とか柵でなくても良いので、犬が押しても倒れない高さと強度のあるものでも難しいかとお話しをしましたが、難しいとのことでした。


柵が無理なら、庭にノーリードで放さないようにすることはできませんか?ともお話しをしました。
それは出来ないだろうとのことでした。
犬の飼い方も人それぞれあると。
絶対に脱走させるなと言われたら室内でゲージに入れて閉じ込めておくしかない。
今までも自宅と庭を自由に行き来させていた。
閉じ込めておくことが犬の幸せではないし、どうやって犬を飼うかも人それぞれの考え方もあると。
首輪と迷子札や鑑札をつけることは出来ても、外れてしまうこともあるだろうと。


今までも何度か脱走したことがあったそうです。
たまたま近所でウロウロしていたところを見つけたりして、無事に連れ戻すことが出来たとのことでした。


大阪まで犬に会いにいくことも迎えにいくことも出来ないし、もし連れて帰ってきたとして、また脱走して皆さんにご迷惑をおかけするわけにいかないし、絶対に脱走させないというお約束も出来ないので、もう犬についてはお宅様にお任せしますとのことでした。


しかし、お兄さまのお言葉なので、弟様も同じお考えでしょうか、会わずにこのままでお話しを終わらせて良いのでしょうか・・・とお聞きしました。
お兄さまのお考えを、弟様のお考えだと受けとってよいのかと。
それで構いませんとおっしゃいました。
弟様には当会でご提案した内容とお兄さまの当会への回答についても、必ずご本人にご説明してお話しをしてくださいとお願いをしました。
結局、飼い主かも知れないという男性と直接お話しをさせていただけることなく、代理人であるお兄さまとのお話で終わってしまいました。


お兄さまとお電話でお話をして初めて、弟様の年齢がわかりました。
当初、お年寄りの飼い主だという情報が入ってきて、その真偽を確認しなかった当会にもいたらぬ点があったかと思いますが、実際は50代の半ばといった年齢でした。
お年寄りといえば、大変失礼かも知れませんが、60代後半から70代、80代の方を想像します。
60代、70代の方でも、とてもお元気な方はたくさんいらっしゃいますし、当会でも、そのようなご家族に犬猫を譲渡させていただいたことも何度もあります。
(ただし、ご高齢者だけのご家族の場合は、お子さんや身近な頼れる方に後見人をお願いしています。もしご本人たちがご病気などされて犬猫の世話が出来なくなった場合、引き継いでお世話をしていただけるかどうか、その点を確認させていただいた上で、お話しを進めさせていただいています)



以上、ずっと書き綴ってきた引取りの経緯~今回のお話までは、当会で知り得た情報でのみ、書かせていただいております。
個人的にメールをいただいた方からのお話や、ネット上に書かかれている第三者が知り得ている情報については、当会では、現状は確認する術がございませんので、その点はどうかご了承ください。
飼い主かも知れないという男性について、一度も面識もなく、お電話でお話しをしたこともありませんので、そのお人柄、犬への愛情を、人の言葉を借りて書くことは出来ません。
お兄さまとのお話だけに留めさせていただきたいと思います。


犬を無条件で返せばいいのではないか・・・そうお考えの方もあるかと思います。
本当に飼い主さんであるかどうかの確認をすること、そして、今後、安全管理に努めていただきたいこと。
代理人であるお兄さまにお願いした二つのことは、現在、保護犬という立場にいるアルファのことを考えますと、これから先の彼の十数年の犬生がかかっている大事なことです。
どうかその点は、ご理解いただければと思います。


情報が入ってきた11月12日の時点で、当会が迅速に対応していれば、今回のように多くの皆様にご迷惑をおかけすることはなかったと深く反省しております。

また、ご心労をおかけしましたご家族の皆様にも深くお詫び申し上げます。
今後はこのようなことがないよう、会としての対応方針を決め、またセンターにも指導を仰ぎ、対処していきたいと思います。


ご親族からのご連絡


11月13日、当会の保護犬コリーについて、ご親族からメールをいただきました。
飼い主かも知れないという男性のお兄さまでした。


当会が保護しているコリーは、10月8日に逸走した、弟さんが探している犬に間違いがないと思うということ。
お兄さまは、今日仔細を知ったこと。
当会のHP等を拝見され、コリーをお世話してくださりありがとうございますとのこと。
そして、生きていて良かったと安堵したとのこと。
センターとも話をし、センターからは、愛護センターを出た時点で元の飼い主の所有からは離れてしまったいるということを聞いたとのこと。
犬を返していただくわけにはいかないか。
迷子になった時困るから、電話番号等を記したものをつけておかなければいけないという再三にわたる忠告を聞かず、首輪を付けるのは首を絞めてかわいそうだからと、ほっておいた弟の身勝手でこのようなことになり、大勢の皆様にご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません・・・と書かれていました。


その後の11月14日のメールでは、


犬はリードを付けて歩く訓練を受けていなかったが、弟さんはとても犬をかわいがっていたこと。
室内で飼っていて、充分な食事も与えていたこと。
庭が広いので自由に出入りして遊び、お医者様にも連れて行き、よくシャンプーもしていたこと。
今回も庭で遊んでいて隙間から脱走してしまったようだとのこと。
法的にも犬を戻すことは難しいとのこと、里親さんにかわいがられる事を切に望むしかない。
多くの犬達が愛されず、こうなった事例はあるのだろうが、決して愛されていなかったのではない事を知っていただきたいと。


お兄さまからのメールを拝見し、とてもご心配されている様子がうかがえました。
そして、飼い主かも知れないという男性は、とても犬を可愛がっていたとのお話でした。
それなら尚更、どうして飼い主であるという証明のために、写真の1枚、犬登録書の一通、センター宛でも当会宛でも、ご提示いただけないのかとも思いました。
メールでの情報のみで、こちらは飼い主であると判断するわけにいきません。
再度、弟様とよくお話になって、今後についてお聞かせいただきたいとお返事をしました。
そのメールを送ったのが11月18日です。


メールを送った時点で、一度、お会いしないといけないと思っていました。
そしてその返事を待っていました。
先方がこちらへの連絡を試みてくださったにも関わらず、行き違いがあり、声が届きませんでした。
私の連絡先を伝えてくださった方があったそうですが、当会の里親募集受付用の携帯番号で、着信専用としてスタッフが携帯している番号でした。
それがわかったのは、後日、お兄さまの奥様とお話した時でした。
スタッフに確認しましたところ、11月18日と19日、その携帯に不在着信があったそうですが、着信があった時間帯は車の運転中でスタッフは電話を取れなかったとのことでした。


そして11月20日、お兄さまからのメールが届きました。
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月曜日に千葉の弟のところに出向きまして、話し合いをいたしました。
弟は、考えが堂々巡りをしているようで、ご返事が出来かねる日々であったようです。
母も交えて話し合いをした結果、皆様のおかげで命を永らえ、今幸せに暮らしている
それだけで満足しようという、結論に達しました。
CATNAPの皆様には本当にお世話になり、感謝の言葉もございません。
アルファの幸せと、皆様方の御健勝を衷心より祈念いたし御礼の言葉といたします。
本当にありがとうございました。
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団体としてどうして話し合いに応じないのかと数々のお言葉をいただいておりました。
しかし、ただ犬を返して欲しい・・・ではお話をすることは出来ません。
最初の段階で、こちらから話し合いの条件等を提示すべきだったのかも知れません。


11月12日以降、色々なことを考え続けていました。
一番は、アルファのこれから十数年の健康で安全な暮らし。それに尽きます。
センターから犬猫の引取りを続けるという当会の活動の目的は、苦しいガス室での殺処分から1匹でも多くの子の命を繋ぎ、二度とこのような辛い思いをしないよう、命の危険にさらされることがないよう、適切な環境下で、良識と愛情あるご家庭のもと、天寿を全うできるよう、犬猫たちを送り出すことにあります。
しかし、人をなくして、この活動が成り立つことはありません。
飼い主であるという男性のお気持ち、預かりママさんのお気持ち、そして未来の里親様として手を挙げてくださった方のお気持ち、アルファの命を繋げるために動いてくださった多くの方のお気持ち・・・
すべての方が納得する結果は難しいかも知れませんが、私自身が真実を知り、それに対して善処する努力をしなければいけないと思いました。
そう考えるに至るまでに時間がかかりました。


既にご家族の中では結論が出てしまったかも知れませんが、私自身、飼い主であるという男性と一度もお会いしたこともなければ、お電話でお話をしたこともありません。
自分自身が直接、見聞きしていない情報で判断を行うのではなく、会ってお話をしないといけないと思いました。


センターに、過日にコリーへお問い合わせされた方の連絡先を教えて欲しいとお願いしました。
センターに連絡された方と、市の広報誌に掲載された方が、同じ方かどうかの確認が必要でした。
しかし個人情報なので教えられないとのことで、センターに連絡を取っていただくようお願いをしました。
センターが何度かお電話してくださいましたが、結局、電話が繋がらなかったようで、その確認は出来ませんでした。


11月22日、飼い主であるという男性のお兄さまのご自宅にお電話させていただきました。
弟さんとお話をさせていただきたいという申し出です。



続きは追って書きます。



飼い主さんらしき人が見つかったとの情報


11月12日、当会の保護犬コリー♂アルファの飼い主さんらしき人が見つかったとの情報が飛び込んできました。
アルファの預かりブログへ書き込みがあったそうです。
預かりママさんから私宛にご連絡があり、書き込んでくださった方に当会宛に直接ご連絡くださるように伝えて欲しいとお話をしました。
ネット上にアップされている市の広報誌に「コリーを探している」と掲載されていた内容をどなたかが見つけ、コリーが保護された場所から近いので、収容時期からみても同じ犬ではないか・・・とのことでした。


アルファの預かりママさんにコメント欄への書き込みを削除して、当面、コメント欄を開放しないようにお願いしたのは私です。
既に里親様が決まっている段階でしたので、アルファを迎え入れたいと手を挙げてくださった方にご心配をおかけしたくないと思ったことと、今後の対応がその時点ではまだ決まっていなかったからです。
預かりママさんにアルファのお世話以外の心労をかけたくありませんでした。

当会が引取りの窓口となっている以上、全ての責任は当会にあります。


11月12日の朝、お二人の方からメールをいただきました。
内容を編集すると捉え方が変わる可能性がありますので、部分的に転載させていただきますことお許しください。


『金町で保護されたコリーを、××のお年寄りが探しております。
インターネットを利用できないので探せなかったようですが××市の広報誌で探しておりました。
3歳のセーブルで10月8日に迷子になったそうです。
××からは橋を渡れば金町は近くですので間違いないと思います。
大変心配しておりまして、大阪で無事保護されていることはお知らせしました。
里親捜しを中断されるようお願いします。
連絡先をお知らせいただければ、飼い主に連絡いたします』


『金町で保護されて都内の収容施設から引き出していただき、
大阪の○○さんが預かりをしてくださっているコリーのアルファ君ですが
飼い主らしき人が見つかりました!
千葉県××市のお年寄りの方なのですが
××警察には届けが出ていたのですが、東京までは届けを出しておらず
××から橋を渡ってすぐに金町ですので、そこまで行ってしまったようです。
いなくなった日と保護された日、特徴(セーブルで3才の♂だそうです)を考えても
まず間違いないと思われます。』


センターに連絡を入れました。
飼い主らしき人が見つかったとの連絡があったが、そちらに連絡はなかったかと。
先の経緯説明で書いたように、過日に2件、コリーについて問合せがあったことを聞きました。
ただし、問合せをした方が探しているコリーかどうかの確証はなく、センターでも所有者確認が取れていないとのことでした。
個人情報の観点から、この時点で氏名・連絡先などの仔細を教えていただくことは出来ませんでしたが、逸走時期・逸走場所・コリーの性別・年齢から、市の広報誌に掲載された方と同じ方ではないかと思われました。
センターから聞いた内容をセンターの許可なく第三者にお話することは出来ませんのでお知らせしませんでしたが、先日、経緯として書いて良いとの許可をいただきましたので、先に掲載させていただいた通りです。


既にアルファの里親様が決定しており、トライアルに向けて時期を調整しているところでした。
飼い主かも知れないという方の仔細の確認をこちらから積極的に行うことはせず、メールをいただいた方々には、既に里親様が決まっていること、また、センターから当会に犬の所有権が移っており、元飼い主さんがいたとしても犬の所有権は消失しているのでご理解いただきたい旨、お返事を出しました。


以下、お返事の全文です。
--------------------------------------------------
当会の保護犬・コリー♂アルファですが、
現在、この犬の所有権は、当会にあり、
センターの譲渡事業方針に則って、里親様とのご縁を進めております。
(すでに里親様が決まりました)


東京都のセンターの流れをご説明しますと、
センターに収容されてから最低1週間(土日を除く平日)の公示期間があり、
その間に飼い主が見つかならない場合は「処分」となります。
処分には2通りございまして、
ガス室での「致死処分」
団体・個人へ譲渡する「譲渡処分」です。
飼い主が見つからなかったため「致死処分」となるところを、
当会が引取りました。


公示期間中に飼い主が見つからなかった場合は、
期限満了とともに所有権がセンターに移ります。
その後、センターから当会が再譲渡を目的とした団体譲渡として犬を譲り受け、
犬の所有権が当会に移りました。


このコリーの飼い主が判明するようなもの、
例えば、迷子札、犬鑑札、マイクロチップ等、一切、ございませんでした。


よって、この犬につきましては、たとえ飼い主さんがいらっしゃったとしても、
飼い主さんの犬の所有権は消失しております。
ご理解いただけますよう、よろしくお願い致します。
--------------------------------------------------


もし、コリーを探しているいう方がセンターに問合せをした方と同一人物であったとして・・・
高齢者の方が、まだ若いコリーをこれから十数年、終生、健康で安全な暮らしを与えられるのかを考えました。
収容時の状況、犬個体の情報の差異、その後の捜索活動、そういったことも考える背景にありました。
この時点では、これから先のアルファの健康と安全な暮らしを考え、このまま譲渡に向けての話を進めることに致しました。
どこかで線引きをして考えていかなければ、これから保護犬猫の里親さんになろうとお考えの方にも大きな影響を与えることにもなりかねません。


アルファはセンター収容時から多くの方に気を留めていただき、そのおかげで命が繋がりました。
誰もがアルファの幸せを願ってくださっていたと思います。
関わってくださった方々すべてが納得できるような結果を、どんなに時間がかかっても導き出すことが大事だったのかも知れません。
私自身、時間の経過とともに考えることもあり、何度も心揺れていました。


その後、11月13日、当会の保護犬であるコリーの飼い主かも知れないという方のご親族の方からメールをいただきました。
これについては追って書きます。
11月23日の最終報告に至るまでに、まだいくつかのご報告があります。
もう少しお時間ください。


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今回の経緯とご報告は、時系列で順を追って書いていますので、時間の経過とともに、こちらが得た情報が変わっている内容もあります。
結果だけをご報告してもご理解いただけないと思ったので、順に書き記しております。
皆様が知り得ている情報と差異がある場合もあるかも知れませんが、当会が知り得ている情報で書いております。
その点はどうかご理解ください。


東京都動物愛護センターへの問合せ


コリーについて2度、逸走コリーを探しているという男性から、収容されていた東京都動物愛護センター本所への問合せがありました。
センター担当者の方にヒアリングした情報は以下です。


----------------------------------------------------------
・1回目の問合せ 10月23日 千葉県在住の男性から
 飼っていたコリーが逸走した。千葉県の自宅から。
 コリー♂3歳 毛色は茶白 体重28キロ 逸走日10月8日
 庭に放していたら脱走した。
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 ※この時点でセンターには当会が引取ったコリー♂アルファが、まだいました。
 問合せしてきた男性に、センター収容中のコリーの説明をしたとのことです。
 体重28キロあるようなコリーではないこと、毛色は茶白ではなく、黒の差し毛も混じっていること。
 毛色の確認をお願いしたが、茶白だということと、体重が違うことで、探しているコリーではないとの判断をしたのか、収容されているコリーの確認には来なかったそうです。


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・2回目の問合せ 11月2日 前回と同じ男性から
 センターに収容されていたコリーは、自分の探しているコリーではないか、とのこと。
 再度、センターに収容されたコリーと、問合せした男性のコリーとの比較。
 申告は、毛色は茶白、体重28キロということで、マッチングしない。
 センターは、その男性に、センターに来所していただければ写真をお見せできるし、もし来られないなら探しているコリーの写真を送って欲しいとお話。
 男性は、来週センターに確認に行くということだったが、結局、来なかった。
 コリーを譲渡した団体を教えて欲しいと言われたが、電話ヒアリングだけではコリーの飼い主であるかどうかの確認が取れなかったので教えなかった。
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<センターとしての回答>
 収容したコリーの飼い主かも知れないという男性からの問合せが2回あったが、結果として何ひとつ、その男性が飼い主であるというマッチングが出来なかったので、センターとしては、コリーについては、所有者不明との判断をせざるを得なかった。
 コリー収容中に、探している犬かどうか確認のために見に来ていただくか、団体譲渡後であっても、来所して写真を確認していただくか、探している犬の写真を郵送・持参していただくかしてもらえればセンターから引取った団体への話も出来たが、何の確証を得られるものがなかった。
 電話の問合せだけでは確認できないので、必ず、犬を見に来て欲しいとお願いしている。



この話をセンターに確認したのは、11月12日です。
11月12日、コリーの飼い主らしき人が見つかったとの情報が当会に入ったため、センターへの確認&報告もあり、これまでに何か問合せなどはなかったのか聞きました。
センターには、このような問合せは多いため、結果、マッチングしなければ、こちらに情報は流れてきません。



当会の引取ったコリーが、もしこの男性が問合せをしたコリーであったなら・・・
どうして東京都のセンターにコリーが収容されていると確認できた時点(10月23日)で、自分が探している犬がどうか確認に行かなかったのか。
もし探している犬であったなら、すぐに自分の手元に連れ帰ることが出来ました。
なぜ、11月2日に再度、問い合わせした際に、翌週の来所を約束していたのに結局行かなかったのか。
もし探している犬であったなら、センターから当会に連絡がありました。
二度、確認のチャンスがあったにも関わらず、確認に行かなかった。
確認のために足を運ぶということを一度もされていないことは、信頼に欠けます。



逸走した男性宅から保護された葛飾区金町までは、直線にして5キロほどの距離です。
逸走日から収容日までわずか4日。
センター収容前に警察で保護されていますので、実際に市中をウロウロしていた時間はもっと短いでしょう。
コリーという犬種は、あちこちで見かける犬種ではありません。
確認さえしてくだされば、その男性の犬であったなら、当会が引取ることなく、手元に戻ったはずです。
痩せて体重20キロに満たない犬が、逸走時、28キロあったとは考えられません。
体重はしばらく計っていなければ、多少の変動はあるでしょうから、なおさら、確認に行く必要があったと思います。


何かしらすぐに行けない事情があったとしたら、確認に行けるまで犬の処分を待ってもらうことも出来ます。
そういうケースはよくあって、当会が引取予定であった犬でも、飼い主らしき人から問合せがあったので確認できるまでは、団体譲渡出来ないと言われたことも何度かあります。
また、飼い主の確認は取れているが、一向に迎えに来ないので、1ヶ月、2ヶ月と長期間、センターにいる子もいます。
飼い主がわかっている犬を飼い主の了承なく処分できないし、飼い主らしき人がいる場合も同様で、白黒の確認が取れるまで、センターは犬猫の譲渡処分・致死処分が出来ないのです。



コリーの飼い主らしき人が見つかったという話は11月12日に飛び込んできました。
同時に流れてきた情報では、飼い主は高齢者の一人暮らしの男性で、お年寄りでインターネットが使えなかったため探せなかったというようなことでした。



私たちは「命の期限」に押されて日々動いています。
もし飼い主であれば、なぜ東京都のセンターに問合せを入れているにも関わらず、犬の確認に行かなかったのか。
もしどこも引き取っていなければ、コリーは処分に送られていました。
東京都のセンターに問合せされた方が、今回のコリーの飼い主だという方であったのかどうかの確認は後日、ご親族の方を通して行いました。



続きは後で書きます。

コリー♂アルファについて、センターから引取後の医療措置について、以下、ご報告します。



●当会でのメディカルチェック&医療措置等


・トリミングスタッフからの報告
 フケが多い、耳がかなり汚れている、毛玉がいくつかある、痩せている、毛がかなり抜けた


・病院での診察結果
 体重19.6キロ、体温正常、コリーアイ無し
 推定3~4歳ではないかとのこと
 当会にて、マイクロチップ装着、狂犬病予防注射接種


センター収容時から、かなり痩せていると聞いていました。
性格はとても良い子だとのことで、虐待されていたような、人に対する警戒心、脅えなどの様子はありません。
センター収容前の環境で、適正に給餌されていたのか、飼養環境がどうだったのかはわかりません。
センターに2週間いましたが、センター内でちゃんとご飯は食べており、下痢・嘔吐などの症状はなかったとのことです。
(センターでは食べない子には「特別食」といって、ドライフードのみではなく、嗜好性の高い缶詰フードやミルクなど与え、収容中の管理に気を配っています)


1泊させてもらったスタッフからの27日のメール報告では、
『昨夕食・今朝食にビオフェルミン含めてますが「掴めるけれど緩め便」です。食事量少なめにしてます。』
『排尿は、一度にしっかりせずマーキング回数多いです。うちに着いてから、かなり水分摂取しているのですが出がショボショボです。全て、散歩でしています。』
『栄養摂って、体格毛並み良好になれば立派で美しいコリ-になりますね。』との一文がありました。


便か緩めというのは、環境の変化によるストレスからか、食べすぎか、慢性的な栄養失調で腸の消化吸収能力が低下しているか、寄生虫がいるか、もともと腸が弱いのか、食べたフードが合わなかったのか、原因はいろいろと考えられます。
極端な例ですが、先に埼玉センターから引き取ったダックスは、膵外分泌不全という病気であることが後にわかったのですが、膵臓から消化酵素が分泌されないために、たんぱく質を消化吸収できず、食べても食べても体重が増えず貧血状態でした。現在は、消化酵素と低たんぱくフードで体重が2.6kg→4.2kgまで増えています。
下痢でない限りは、多少、便が柔らかいというのは、どの犬にも起こり得ることですが、食べるが太れない、もともと痩せていた子なら、何かしらの原因があるのかと思います。


コリーについては、外飼いされていて逃走したか、捨てられたのか、そんな状態に思えました。

総合的に判断して、客観的に見てですが、適切な飼養環境で飼われていたようには見えませんでした。

もちろん、長期間に渡る放浪があれば、食べ物も食べられずに痩せ、外貌も悪くなるでしょう。
しかし、引き取った時点では、いつから放浪(迷子・遺棄等)してセンター収容されることになったのかは知る術はありません。


センターでは6畳ほどの大犬舎に入れられており、身動きできないようなスペースではありません。
東京都のセンター本所では、大型犬は基本的には、この6畳ほどのスペースに1頭収容です。
収容犬が多い場合は、他の犬との相性をみて、同じスペースに2~3頭が入ることもあります。
他の犬との相性が悪い、人を噛むおそれがある犬は、別犬舎のゲージ収容になります。
小型犬・猫はすべてゲージ収容で個別管理です。
多摩支所&城南島支所では、すべての犬が個別管理されています。



●大阪移動後のメディカルチェック&医療措置

・フィラリア検査(-) フィラリア予防薬の処方
・血液検査 ※白血球数以外は正常値

 ※血液検査の結果、白血球数26820(正常値6000~17000)と高め。
  なんらかの炎症がどこかにあるのか。経過観察となる。


・尿検査


 頻尿が気になるとのことで膀胱炎を疑い尿検査
 結果、血尿と尿ビリルビン陽性反応があり、肝臓に問題があるかも知れないとのことで、抗生剤投与しながら経過観察することに。
 白血球数が高めだったのは、膀胱炎や肝臓の炎症だったのかも知れない。


・去勢手術
・歯石除去スケーリング


・11月24日、再度、尿検査の予定
・体調をみて、混合ワクチン接種予定


日常生活においては、体重増加もみられ、元気に過ごしています。
他の犬との関わりも大きな問題はないようで、預かり宅の先住犬ともソツなく暮らしているようです。


上記の医療措置においては、すべての医療費明細の原本&血液検査結果表を当会にご提出いただいています。


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当会では以上のように、センターから引き取った犬猫に対して、適切な医療措置&ケアを行っています。
繁殖制限手術(避妊・去勢手術)は、手術可能であれば、高齢犬猫においても実施します。
将来の病気予防のため、また、行動問題(マーキング、吠え、権勢、マウント行為等)の抑制や、万が一の繁殖行為が起こらないようにするためです。
センターに提出する譲渡誓約書(里親さんに署名捺印いただく書類)には、
「動物に不妊・去勢手術、又はこれに代わる確実な繁殖制限措置を行うこと」という誓約項目があります。
センターから直接譲渡を受けた一般の方も、必ずこの誓約書に署名捺印して、センターに経過報告をすることになっています。
(城南島センターから一般譲渡される犬猫については、センターにて繁殖制限手術を行ってから譲渡しています)

当会から犬猫を譲渡する場合、すべて医療費明細書のコピーをお渡しし、医療措置の経過をお伝えしています。




続きは追って書きます。

深夜になると思います。


このたびは保護犬コリー♂アルファの件で、多くの皆様には、ご迷惑&ご心配をおかけすることになり、本当に申し訳ありません。
一度にすべてを書ききれないと思いますので、順次、今回の経緯と当会の見解をご報告させていただきます。
報告までには数日のお時間をいただきますが、なんとか連休中には書き終えたいと思います。



コリー引取りの経緯について

順を追ってご説明しないとご理解いただけない部分もあるかと思いますので、当会がセンターから引取りするに至った経緯からご説明致します。


コリーは、10月12日に東京都動物愛護相談センター・本所に収容されました。
収容場所は葛飾区金町。収容期限は10月22日。
東京都では都の条例で、休日(土日祝)を除いて1週間の収容期間となっています。
通常、収容期限内に飼い主さんが見つかられなければ、処分となります。
処分には、譲渡処分(一般譲渡・団体譲渡)と致死処分があります。
このコリーの場合、飼い主が見つからない、一般譲渡には適さない、引取る団体がいない場合は、本所の処分移送日、10月24日に致死処分に送られるかも知れない状況でした。
(処分移送日は曜日で決められています。本所の場合、通常、月・水・金。収容頭数が少ない場合は、処分日が次の処分予定曜日になる場合もあります)


当会では収容動物情報は毎日チェックしており、センターへのヒアリングも行っています。
収容されたコリーについては、気にはなっていましたが、その時点で当会は70頭を超える保護犬を抱えており、今後の引取予定の子の預かり先探しや、かかる医療費の支払いに切迫しており、且つ、当会では、大型犬の預かり家庭は2家庭しかなく、そのご家庭には既に預かり犬がいる状況。もし引取るなら動物病院に有料で預けるしか手はなく、このコリーは引取検討は難しい状況でした。
(当会では保護犬の9割が小型犬です。都会の住宅事情もあり、一時預かり家庭の9割が小型犬しか預かれない状況であること、また、中型・大型犬でも室内預かり(里親様には室内飼育が譲渡条件)を基本としているため、中型犬・大型犬を預かれるご家庭は本当に少ないのが実情です)


10月15日、このコリーについて1通のメールが届きました。
大阪の方からで、10/22が期限のオスのコリーの件で・・との相談でした。
コリー愛好家が自分のサイト等で、懸命にアナウンスして飼い主を探しており、コリークラブにも情報を連絡した、最悪、問い合わせが入らずに譲渡会のようなものにもエントリーができなければ、引きだしてやってもらえないでしょうか?ということでした。
知人が何人か施設に連絡をしたところ、飼育面談に合格した東京在住者か、登録の指定保護団体でないと引き出せないので団体に相談するように言われたとのことで、当会宛にメールが届いたようです。
茨城、大阪で、一時預かりをしてもいいという家があるとのこと。
(メール原文の転載は了解を得ていないので、要点だけ上記に書きました)


10月19日、以下のようにお返事を出しました
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その後、コリーについては、引き出し可能となったでしょうか?

当会が窓口になることは可能ですが、
現在、当会では70頭を超える保護犬がおり、
医療措置含め、大変な状況下にあります。

コリーを引き出して、一時預かり先の家庭に移動する場合、
(あるいは、里親さんに引き渡しする)
○○様はじめ、このコリーを助けたいと思われた方々が、
医療措置や、もし必要な治療があれば、行っていただけますか?

預かり先(あるいは、里親さん)は、決まっていますか?

どんな子でも1頭でも命を繋ぎたい気持ちでおりますが、
現在、大型犬を抱えられるだけの余裕が当会にはありません。
諸条件があえば、ご協力はできるかと思います。
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すぐにお返事がきました。
コリーはまだマッチング(飼い主が見つかっていない)ができておらず施設にいる。センターの方が、コリシェルは人気があるので殺処分しない方向で考えていると言っていたとのこと。22日にもう一度確認するつもりだが、何処の団体も引き出さず、都の譲渡会にもエントリーできない状況になっていたら、あの子をだしてやっていただけないか。すぐに動いてくれそうな東京在住の友人知人は思い浮かばないが、探してみる。人材が見つからなかったら、伊丹行きの飛行機に乗せてやってもらえないでしょうか?とのこと。
必要経費は負担する。我が子同様に病院にも連れて行く、養育費も出す。里親を探す場合は、コリーという犬を理解していて、コリーがどうしても欲しいのだという方を慎重に選ぶ。体もあまり頑丈ではないし、吠える犬種だから・・・とのことでした。


同時期に、千葉県動物愛護センターにもコリー♂の収容犬がいました。
このコリーについても、当会宛にご連絡をくださった方のグループで、命の行く末について案じておられるようでした。
当会は千葉県動物愛護センターからの引取りも行っているので、センターにヒアリングを入れましたが、まだよく様子を見てないとのこと。
千葉センターからは別の犬の引取検討をしていたので、とても当会にこの子を引取る余裕がありませんでした。


10月20日、最初に当会宛にメールをくださっていた方が事情により対応窓口になれなくなったとのことで、現在のアルファの預かりママさんが、今後の対応窓口になるとのことでした。
収容期限も迫ってきており、まだ飼い主が見つからず、他の団体からのオファーも入っていないことはセンターに確認していましたので、早々にご連絡をして、今後の対応について相談させていただきました。
預かり先、あるいは里親候補があるのかどうか、医療措置を行っていただけるか、遠方で日々の経過を見ることが出来ないので、信頼おける方に譲渡として出すのか、それとも当会の一時預かり家庭として登録していただき、一時預かりとしてコリーを預かるのか。
もし万が一、継続治療が必要な疾患が見つかった場合でも、責任を持って対処していただけるのか。
当会が引取りの窓口になる以上、引取犬への責任があるので、よく考えてお返事いただきたい旨、お話をしました。
並行して千葉センターのコリーについての相談もありましたので、同様にご検討いただくようお願いをしました。


10月21日、上記の件についてお返事が来ました。
千葉センターのコリーについては、茨城の方が一時預かりするとのこと。
東京センターのコリーについては、あと数日(2~3日)待っても飼い主が現れない、他団体からオファーもない場合は、現在のアルファの預かりママさんが預かるとのことで、その場合は、犬の引取り&伊丹までの空輸をお願いしたいとのことでした。
『空輸代その他の経費はすぐに振り込みます。その場合も犬の所有権はcatnapさんで私は預かりで里親さんを捜してあげたいと思います。もちろん、医療面では獣医師での明文化したものを保管しておくようにしておきます』とのことでした。
千葉センターのコリーは、23日期限でしたが、最終的には、茨城の方かその関係者がセンターから直接引取りできることになったとのことで、当会は窓口にはなりませんでした。このコリーは11月5日までの検疫で、その後の引き渡しになるとセンターから聞きました(千葉センターはパルボ感染の危険性があるので、引取犬は、必ず2週間の検疫期間があります)。


10月22日の収容期限があけ、東京センターのコリーには飼い主が現れませんでした。
センターから一般譲渡に出す対象にはならないとのことでした(大きさ、年齢、健康状態、確実に終生飼育できる里親さんの選定が難しい等の理由から)。
遠方でしたが、確実な預かり先が見つかったので、当会で引取りの窓口になることにしました。
預かりママさんとなってくださる方から、正式に一時預かりアンケートフォームからの申し込みをいただき、今後の引取り&搬送ついて、協力してくれるスタッフを交えながら調整を行っていきました。
そして10月26日に引取り、翌27日に、遠路大阪までコリーを送ることになりました。


10月26日、センターから引取り。
スタッフにシャンプー&トリミングしていただき、メディカルチェックのため、協力病院へ。
簡単な身体検査とマイクロチップ装着を行い、その後、狂犬病予防注射を摂取、スタッフ宅で1泊して、27日の昼、大阪に空輸で送りました。
マイクロチップ装着と狂犬病予防注射は、遠方に移動する子が万が一(迷子・咬傷事故等)のことがあってはならないと、こちらで済ませておきたいことでした。
その後の医療受診は、大阪の預かりママさんに引き継ぐことにしました。


以上が、センターから引取るまでの経緯です。


コリーは、10月12日~26日までの2週間、センターに収容されていました。

その間に、逸走犬を探しているという方から、このコリーについての問い合わせが入っています。

それについては、あとで書きます。


なぜコリーが東京から大阪まで行ったのかと思っていらっしゃる方があるかも知れませんが、当会ではその時期、引取りが難しい状況であり、千葉センターから中型犬クラスの犬や子犬の引取りを検討していた時期でもあったので、とても抱えられる状況にはありませんでした。異例的に、通常は引き取らなくても他団体からオファーが入るような比較的若い小型犬がセンターにたくさん残っており、とてもコリーを引取検討に入れられません。
当会が窓口になることで、コリーの命が繋がるなら・・・
そう思って話を進めました。
もちろん、保護管理下における責任はありますので、センターの譲渡細目&当会の譲渡条件に添うように、今後の里親希望さんの受付窓口は当会が行い、コリーという犬種をよく知る方々にアドバイスいただきながら、最良のご縁を探していくことになりました。



続きは追って書きます。