2006年01月03日(火)

奇子(あやこ)

テーマ:手塚治虫

手塚治虫漫画全集(197)   Girl in the box・・・  手塚治虫漫画全集(198)
手塚治虫氏の作品というと夢があったり感動したりわくわく

したり・・という印象があるけど、この作品は違う。

暗くて陰湿でそして異常。

それはこの話の舞台となる田舎の旧家も原因だろうと思う。

そして設定された時代。

時代設定は昭和24年から始まりそして40年代にポツンと終わる。

終わり方も実に寂しく読者は突き放された気持ちになるのです。

タイトルは「奇子」と書いて「あやこ」と読む。

これが驚く事に少女につけられた名前なのです。

そして実際に彼女の出生から異様な空気に満ち溢れています。

というのは・・彼女の父親は、彼女の母親の夫の父親だから。

自分が死んだ後の財産を渡すという条件で、好みの若い女性を

長男の嫁にし、そしてそのお嫁さんを妊娠させ産ませた子供

なのです。

夫である長男も、下に2人もいる弟、1人いる妹と分けるより

自分が独占した方がいいと奥さんを父親に抱かせる。

だけど嫉妬心等から妻の産んだ父親の子供を虐待する。

子供の名づけ親については書かれていなかったけど、

おそらくこの長男ではないかと推測してしまいます。


物語は次男が戦争から戻ってくる所から始まります。

彼はアメリカ軍の捕虜となっていて、抜け出す為にアメリカの

スパイとなりました。

恐らく戦争で失ったであろう眼球の跡に通信文を潜ませ

最後になっても正体不明だった組織からの任務を遂行します。

彼は死体を線路に置くという指令を出されました。

相手は共産主義の男。しかも妹の恋人でした。

任務はなんとか完了出来たものの、証拠隠滅する所を

使用人と僅か4歳だった奇子に見られてしまいます。

そして「見てしまった事」から更なる異常な生活を強要される

のです。

死んだ事にされ、土蔵の中に閉じ込められる4歳の女の子。

一族の中から犯罪者が出るのを恐れた親族・家族が、子供を

犠牲にしてしまったのです。

結果、以降15年近くも幽閉され成長した奇子は妖しくそして

異常な美しい女性に成長していきます。

そしてスパイである次男の人生も波乱万丈です。

家から逃げた後も人を殺し、闇社会で名を馳せるようになりながら

自分も死んだことにし他人としての人生を生きる事になるが、

組織とも縁が切れたようでありながら踊らされていただけの人生。

そんな彼は自分のせいで幽閉された奇子に責任を感じ、

多額の送金を続けているという心優しく義理堅い面もある。

奇子は暗くて狭い土蔵の中で、食べ物を運んでくる気弱な母と

勉強を教えてくれる三男としか関わりがない。

しかも母親が義父に抱かれているのを見てしまったり、兄の

くれた婦人雑誌に書いてあった性の記事を読んでしまったが

為に、彼女にはもうそれしかなくなってしまう。

勿論相手は三男しかいない。

昔から近親相姦を続けてきたというこの旧家の血を呪いながら

自らも妹を抱き、まともでありながらも狂っていく三男。

暗い・・なんて暗いんだ・・・

この奇子はなんてかわいそうなんだ・・・

読むと辛くなるエピソード満載なのに夢中になって読んでしまい

そして最終回で気が抜けてしまうようになるのです。

それにしても手塚さんというとブラック・ジャックやレオ、アトム、

サファイア姫などという正義の味方的なキャラクターも

生み出してきましたが、こんなに悲しくて残酷な救いのない

エロティックな話も生み出していたというのが凄いと思う。


成長した奇子の性しかない姿を見ると残酷で泣けてきます。

そんな彼女の王子様的・・サリバン先生的な役割のハナオとの

幸せな人生を期待してしまってただけに・・・とにかく悲しい。


またこの作品に取り入れられた下山事件 というのも現実に

あったそうです。結局犯人はわからないままだという事です。


文庫版 奇子(上巻)   奇子(下巻)


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2005年11月02日(水)

ロロの旅路

テーマ:手塚治虫

ロロ   泣けた・・・


手塚作品の動物モノと言ったら数多いのですが、この

「ロロの旅路」はあまりにも切なくて泣けた。

絶滅した筈の日本狼が北海道で発見され、殺されて

剥製にされてしまうんだけど、この狼には乳児の子狼が

3匹いて、この子供達は母親を追って日本全国を

旅することになる。

というのは母狼の剥製が日本全国を回る「北海道展」に

出展されるから。

だけどまだ乳児です。チビです。

だから3匹の兄弟の内2匹は生き残る事が出来ず

残った1匹がこの「ロロ」というオスの狼です。

彼はずっとずっと母親を追い続けます。

母親が生きているものだと信じて。

それがもうあまりにも残酷で切なすぎる。

母狼が生きているのならまだしも、彼が必死で追い続けて

いるのは、母親の死骸なのに・・。

そんな切ない狼たちと裏腹に人間の醜さも、まるで

皮肉を込めたかのように描かれています。

でも決してオーバーな表現ではないと思うのが悲しいところ。
欲に目がくらんで動物の命なんて二の次三の次という

「人間様」は多いし、それがもはや当たり前のようになってる

部分もあったりしません?

例えば妊娠してる母親に「子供が大切なら、犬とか猫とか

どこかにやってしまえ。」とか「保健所へ」とか言う人。

彼らはその考えはおかしいとは思っていない。

逆に犬猫を手放せない妊婦を変人扱いし、子供が可愛く

ないのかと罵ったりする。


引っ越しをするけどペットはダメな家だから捨てよう、

保健所に・・とか。ペット可の家探したんかい?というと

「なぜ犬のためにそこまでする必要が?」と当然のように

返された事もある。

そういう話はまだまだ沢山あるんですよね。実は。

手塚さん自身もそういう体験があったのか?

それとももっと大きく元々考えておられたのかは不明ですが

この本は手塚さんの動物に対する深い愛情と、"人間様

至上主義"に関して皮肉を込めた作品だと思いました。

と、共に人間もそんなタイプばかりじゃないと、ロロと心を

通わせる人間も登場させてくれるのが嬉しいところ。

彼はおたずね者。逃亡中にたまたまロロと出会い

少しづつ友情を育てていきます。

最後に彼がした事は本当に優しさが滲み出ていて、ここで

また涙涙・・・・・。

今更ながらやはり手塚さんにはもっと長生きして欲しかった。

そう思います。


手塚治虫thebest(3) に収録


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うわあ・・・


ところでこんなのを見つけたんですが、この表紙のわんころに
ドキドキだ。この本はもしかして犬の話??

フライングベン(1) フライングベン(2)  かっこいいシェパードさんだ!
うちのシェパモドキ うちのロレンス(宇宙人)犬


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2005年09月29日(木)

火の鳥 鳳凰編

テーマ:手塚治虫

火の鳥(4(鳳凰編))   人生って儚いもの


「火の鳥」シリーズで2番目に好きなものはこれです。

(1番目はやはり黎明編)

2人の男と2人の女

2人の女たちはどちらも不思議な存在として描かれています。
速魚は化身、ブチは最後の方では本来なら存在しない

ものとして。
彼女たちはそれぞれ男たちの人生に大きな意味を遺します。

男たちはというと生身の人間です。

生まれた日に父親と共にガケから落ち、片腕と片目を失い

父親は転落死、母親は発狂。
村人たちに差別され育ったせいか、身も心も荒みきった我王。

そして特に不自由なく育ち、彫刻家としての才能を伸ばす茜丸。

特にこの2人の男たちの半生を重点に置き、鳳凰(火の鳥)と

絡ませて話は進みます。


「輪廻転生」がこの話の重要なテーマの一つなのですが
人の世とはなんて儚いもの。
この本を読んでいると頭の中で中島みゆきの「時代」が

ずっと流れていました。
巡り巡っていくんですね。命って・・。

そういう大きな・・大きすぎる世界と対比しての2人の男の人生。

野望に燃えた男が失った純粋な気持ちとあっけない死
野望を捨てた男が得た純粋な無欲と長い生

それをただ見つめる大きな存在・・火の鳥。


どうせ儚いものなら打ち上げ花火のように派手に咲いて散る?

それとも線香花火のように地味に咲き続けポトンと散る?


いろいろと考えさせられた哲学的な1冊でした。

この話はアニメ映画にもなっているので、興味のある方は

原作とあわせてどうぞ。ほぼ忠実にアニメ化されてますので

安心して観られます。


火の鳥(4(鳳凰編))

火の鳥(4) 文庫版

火の鳥 鳳凰編 火の鳥  鳳凰編 アニメ版

オーディオドラマ 火の鳥  ドラマCD版


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2005年04月27日(水)

ついに見つけた

テーマ:手塚治虫

びーじぇーまがじん  くろお

ブラックジャックマガジン。

一冊だけ残っていました。

しかし売場・・・・・・・

お姉ちゃんの裸満載雑誌の隣に置く事はないじゃないか。


立ち読みしているおっさんの間に入っていって

レジに持っていくまでちょっと恥ずかしかった私であった。

更にやたらと各所に590Pと書いてあるんだけど

なんか数字的に値段だと勘違いして、600円出して

「足りません」

といわれド赤面。1000円札出せばよかった。はずかし~~~。

だけど久しぶりにまた青池版BJにであえて満足です。

まだソレを読み返しただけだけど、これは買いだったかも。

青池BJのポスターがついているのは知ってたけど、まさか

BJの他に少佐・伯爵・ジェイムズ君・ボーナム君、そして

ピノコ・ヒョウタンツギまで描かれているとは。

これはまた隔離せねばのう。


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2005年04月07日(木)

なんじゃこりゃぁぁぁ/アニメのBJを見た。

テーマ:手塚治虫

くろおなんかトラックバックのお題が「アニメの名シーン」らしい。(ギャグマンガの特集は終わってただよ。とらさん。くそぅw)

アニメは~~~~見ません。トトロ程度。

でも小学生までとあと最近は少し見るようになりました。

ま、子供が喜ぶので時々一緒に見る程度です。

うちの本棚に「ブラックジャック」の本があるからか

息子はブラックジャックを見つけると喜びます(うししw)

それで今月曜の7時からアニメ化されたものが

あるというので、1,2回一緒に見ました。


なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

な、世界でした。

原作と全然違うし。

なんか原作の 時々ある後味の悪さが不気味な程にない。

黒男(ブラックジャックのこと)もやたらと好青年で

正義の味方ぽくなっている。

こんなの黒男じゃないやい。

ピノコもなんか声がつくと・・・なんと言ったらいいのか。

と、思ってたら声優はあの椅子踊りの宇多田ヒカルさんらしい。

ふぅん。そうなのか。

更に「やめろぉぉぉ」と思ったのが、なぜか

「三つ目が通る」の主人公がレギュラー出演している。

ヤメテ・・・。

更に更に・・・原作では一話限りで出演していた「ラルゴ」という

犬が感動の死を迎えるわけでなく生きている。

それだけならまだいい。

なぜか黒男の飼い犬になっていた。あわわ。



しかもしかもプロデューサー?は手塚さんの長男坊らしい。


・・・・・・・。


おっとテーマは名シーンでした。

「なんじゃこりゃぁぁぁぁ」と思った名シーン・・それは!☆←キラーン

 

なんということか。

黒男は手術する前に

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と

飛び上がり、変身するかの如く

手術着に着替えていらっしゃる。

オネガイ・・・・ヤメテ・・・・泣



ちなみに見たのは「シャチの詩」となんだっけ・・・

義手の話でした。どちらも原作でお気に入りの話

だったのでショック倍増。

シャチの方はなぜか黒男がトリトン(シャチ)に乗って

おられるし(泣)、人を襲ったエピソードもなかった。

義手の方はまだシャチよりは原作に近かったけど

なんか納得出来なかった。

ということは結局2回しか見てなかったんですね。

でもあの着替えシーンはないぜよ。

それならまだお色気たっぷりに着替えられる方が

まだいい。←嘘


ついでにあとどんなアニメ見てるかってーと

「それゆけアンパンマン」と「トーマス」位。

アンパンマンなんかはふざけとんのかという

非常識な時間帯で放映されているので

(毎週日曜 朝5:15より。)毎週実家の父に録画

頼んでいます。うちのビデオ機は息子に壊されました。南無。


あと子供の頃は「ハイジ」とか「ゲゲゲの鬼太郎」とか

「妖怪人間ベム」とか「はいからさんが通る」

「ガラスの仮面」「ときめきトゥナイト」「キャンディキャンディ」

「走れジョリィ~♪」「ニルスの不思議な旅」「トムソーヤ」

「赤毛のアン」「パトラッシュ・・僕はもう疲れたよ」とかが

好きでした。ベムの歌は良く歌ってました。

カンベンしてくれな合コンではカラオケであえて歌ってましたv

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