命どう宝/金子節子 | 元漫画少女の雑記帳

命どう宝/金子節子

命どう宝  沖縄戦の本


戦争を漫画にしたものは、有名な「はだしのゲン」等

ありますが、こちらは沖縄戦を描いたものです。

表題にある「命どう宝」は戦時中の話。

そしてその後の「白ゆりの墓」は戦後の話。
他に一作が収録されています。


「命どう宝」
戦前の沖縄ののどかな風景と、まだ少女だった主人公

「ユキ」の淡い初恋から始まります。

とても平和で幸せな暮らしを壊したのは戦争。
初恋の相手と結婚し子供も生まれた後に夫は徴兵。
そして沖縄戦・・。
2人の幼子を連れて死体の山を逃げる姿は本当に

涙が出てきてしまいました・・。
作者の金子節子さんも妙に美化したりなどせず

かなり惨い場面も描かれています。


これは決してフィクションじゃないんですよね・・・。

ユキさん自身は架空の人物かもしれませんが

同じ体験をした人、そしてあの地で亡くなった人も

大勢いたという事を決してこれからも忘れては

いけないんだと思います。
この本によると沖縄住民の戦死者は約15万人・・。


「白ゆりの墓」
この話は「命どう宝」とは直接繋がっておりません。

よってユキさんも一切出てきません。

こちらの主人公は「ゆり子」。

戦後アメリカ兵と結婚して渡米した日本人の物語です。
当然この時代、国際結婚・・ましてや敵兵との恋愛は

「パンパン」だと嘲笑されていた時代。
この結婚もとても大変だった様子・・。

それとこの話を読んで思い出したのは「天と地」という

映画です。こちらはベトナム戦争後にアメリカ兵と結婚し

渡米したベトナム女性の話なのですが、併せて読む事を

お勧めしたいです。

そしてこの話も前半はとても辛いエピソードがありますが

後半で気持ちが救われます。
救われるんだけど、やはり戦争に対して色々考えさせられて

しまいます。


アメリカは未だに・・今度はイラクを相手に戦っています。
イラクから帰還出来なかった兵も沢山おられるようです。

また無事に帰還出来ても戦争後遺症になって

心に病を患ってしまった元兵隊も多数いるんだとか。

戦争後遺症についてはベトナム戦争でも問題になった

ようですし、映画でも数々扱われました。

だけど戦争は未だに続いています。

どうしたら人類は気づくのでしょうか・・・。悲しいです。


天と地 <期間限定生産>  「天と地」DVD  悲しいけど実話です。
天と地〈ベトナム篇 上〉   天と地〈ベトナム篇 下〉  
天と地〈アメリカ篇 上〉    天と地〈アメリカ篇 下〉
レ・リ ヘイスリップ, Le Ly Hayslip, 渡辺 昭子