「シレーナさま、シレーナさまーっ。」
ホールで一人佇むシレーナの元へ、ライチは駆けていく。
「あら、どうされたのですか?」
手を止め、立ち上がり、ライチを向く。
「あ、あのですね・・・犯人が全っ然分からないから、ヒント下さい! ・・・って新人シェフのポルカラさんが言ってました!」
「あらあら、ポルカラさんもいけませんわね、遊びではないですのに。まあ、いいですわ。」
シレーナは腕を組み、少しだけ目線を上げ、そしてライチに戻した。
「それでは、ヒントを3つ差し上げますわ。1つ目は、この事件のトリックは、ダイアロス島ならではのトリックですわ。2つ目は、使われた毒薬の量、その根拠と誤算が何なのかですわ。そして3つ目は、消えたワインの行方を突き止める事ですわ。」
声に合わせて、その細い指を一本ずつ立てながら、なるべくゆっくりと説明する。
しかしライチの頭上には・・・大きなクエスチョンマークが立ったまま。
「ふふっ、ライチ君には、ちょっと難しかったかしら? 早く気づかないと、答えを言ってしまいますわよ。」
「ええーっ、ちょっと待って下さいよー。ええっと、ええっと・・・。」
必死になって考え始めるライチを見て、シレーナは少しだけ目を細めたのであった。
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