新旧ソナチネに思う | A skater's soul ~髙橋大輔応援ブログ~

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フィギュアスケーターを愛してます。
中でも、別格なのは ”高橋大輔”

世間はエリボン杯に注目を移しているのでしょうが、(確かにぱとちゃんもゆづもすげぇとしか言えん)

ちと、悶々と考えてしまったのでありました。


なんで「変えたのhate」って。ソナチネ。


現地で見ているときはもう緊張していて、クワドおりた~~っの後あれ??となって、

アクセルここに来たん??となって

でも、悪くないよ・・・と思っているうちの怒涛の神演技で、

あれよあれよと終盤、もうくるくる回ってるし、で

ぎゃーっで終わってしまったもんで・・・。  (めっちゃボキャ貧(笑))  





家でゆっくり見返してみて、いいと思いますよ。


フィギュアスケートのショートプログラムとしては、とても。


フレンズでの初見、あの音楽とプロの凄さをよくわかっていないうちは

メリハリがないだの、決めポイントがないだの、一本調子だの、素人が言いたいこと言ってたんですが

そんなこと承知の上でミヤケンは作ってるはず。


大ちゃんは確かに、踊れて、スケーティング・表現力に申し分なくて、

なんでも器用にこなしてしまうスケーター。


でも道化師を見て思ったのですが、音楽を内に取り込んで自己の体と共に再生するのは得意でも

感情を表現するのは苦手なんだろうなぁ・・・って。


バンクーバーではカッコいい曲想のタンゴで、一番得意な分野はもう世界に魅せつけてる。


次にミヤケンが目指すのは、当然彼に金メダルを獲らせること。


そのために、踊る大輔から更に「もっと感情を出す」ことでステップアップを目指した

このプロを作り上げたんですよね。





N杯の新プロはなんと3日前の火曜日に変更し、たった3日間で仕上げたそうですね。


しかも、モロ蔵が編曲したのかいっ??

大ちゃん、相変わらず、物凄い対応力で驚きます。


これを事後の記事で知ったとき、

「あぁ、またミヤケンに申し訳ない・・と後ろめたい気持ちでいるんだろうな・・・」と思ったよ。


昨季のストロール、跡形もなく変更させられて、しまいにゃ「月光」に完全変体しておった。


その、申し訳なさから、5月のプリンスアイスワールド最終日、ななみ先生の前で

旧ストロールを滑ったんだよね。

さすがに滑り込んで体に染みついたモロ版ストロールのフィニッシュポーズが出ちゃって

ご愛嬌だったけどさ・・・。


これが、彼にとっての「贖罪」というか「みそぎ」というか、ななみ先生に対する

お詫びとけじめだったんだと思いました。





最近のローリー記事を読んでも、モロに振付をいじられるのがいやで昨季は断った、とあった。


そりゃ、皆、プライドをもって選手に授けているわけで、気分の良いものではないと思いますよ。


そんな中、ブレーン中のブレーンであるミヤケンのプロに手を入れたのは、

やっぱりここで絶対に勝たなきゃいけない、というチームの逼迫感だったんだろう、と思う。


ここが、メインコーチと振付師の関与度の違いなんだろうな。


モロゾフは、スケアメ後の雷で大ちゃんの意識改革は促せた。


一番必要であるとチームが認識したのは「闘争心」「自信」そして「勝利」。


これら全て取り戻して、ファイナル云々より、全日本~ソチに繋げる精神的・技術的基盤を

固めたかったんだと思われます。


その為には、まずはショートを大ちゃんのジャンプが一番跳びやすい今までのスタイルに戻し、

そのジャンプの変更にあった編曲を試みたんだと思う。




(モロの)付け焼刃の編集にしては、センスは良かったよ。


バイオリン色から、ピアノによる一時の静寂感を取り入れたことで、SPとしてのメリハリは出たし、

(ラストのジャンプからステップに入る部分はちょっと違和感あるけど)


うっとりとする癒しの瞬間があることで、ラストのステップを際立たせるのに効果的かもしれない。


そして、結果を出して、大ちゃんが自信を取り戻すきっかけになったのだから大成功だった。





でも、ミヤケンがこの音楽を選び、あの怒涛の振付を施した振付師の大いなる「意志」は

やはり最初のプログラムこそ宿っている。


どちらも好きなんですよ。


この曲は「ヴァイオリンのためのソナチネ」という曲だから、佐村河内さんが曲に込めた


「苦悩・闘う」という己の心の様相を表すのは、圧倒的にヴァイオリンの音色部分にある、と思う。


だから、あのスピードに乗ってターンを繰り返す振付が多いのだと思う。


ヴァイオリンのしなるような音色と、そこに込められた苦悩や闘う意志を、

あのスピードから、指先・頭頂部まで使ってぐわんっっと遠心力に任せる振付が表現しているはず。


まぁ、その部分は残っているので、印象を変えてしまうほどの大きな変化ではないんだけれど・・・。





ローリーの記事を読み、ミヤケンと共に佐村河内さんとお会いした場面まで思い返すと

ちと、う~~ん、となってしまう訳です。


それでも、eyeの時のことを振り返ると、相当の手直しをしていました。


ミヤケン本人も、全日本、ソチ、の直前あたりでまた見直してくるとは思っていたんですよ。


だとしたら、今回はあくまでも急場を乗り切るための策なのかもしれない。


昨季のストロールもざっくり変えられた後、一部ななみ先生テイストを感じるポーズを取り戻していたから。




モロはモロで最愛の教え子をここで勝たせるために施した「策」であり


気持ちの入れ替えをするには、作品自体を変える、というのは凄い効果を発揮したのでしょう。


わずかな手直しでも、やりやすくなり、気持ちにまで変化をもたらしたのであれば。





それでも、曲の想いを自分の想いと重ね、


それを五輪で披露しきる、というのが大ちゃんの願いであったのならば


最後、振付師宮本賢二の意志がきちんと反映されたプロを持っていってほしい。


もちろん、今回の手直しが本人納得のものなら、何も言うことはないのですよ・・・。