親愛なる映画日記

親愛なる日記よ、この世にはぼくの大好きなことがある・・・
で始まるナンニ・モレッティの映画『親愛なる日記』からタイトルをつけました。映画ライターのつれづれ日記です


テーマ:
「プリンスやマイケル・ジャクソンは、人々に幸せと喜びをもたらすためにこの世界に降り立った、人間を超越した存在だったのかもしれないね。」―アラン・リーズ(プリンスの黄金期をツアー・マネージャーとして支えた)
ローリング・ストーン 日本版 インタビューより
http://www.rollingstonejapan.com/articles/detail/25944


2016年4月21日(木)プリンスが亡くなった。NHK-BS朝のABCニュースの一報を見た時、あまりに驚いて「えーーーーっ!」と声をあげてしまった。そのニュースがパープルレインを歌うプリンスの映像で締めくくられたとき、一緒にサビの部分をくちずさんだ。ニュースが終わった後も、ひとりでしばらく歌っていた。

デヴィット・ボウイの時も驚いたけど、プリンスのほうが私にはショックだった。

世代がドンピシャ、一番CDを買い揃えたのはプリンス(今振り返るとプリンスが多作だったからだ)、さらにさらに(これが一番の理由ですが)、自分が体験したライブ史上、最高のライブがプリンスだったから。86年初来日公演「パレードツアー」を見てしまったから。実はこのライブの思い出は自分の中だけに大切にとっておいたのだが、ライターの宇野維正さんによる追悼文をよんで、「ああ、やっぱりあのライブってすごかったんだ、私だけが感動してたんじゃないんだ、伝説のライブだったんだ」とあの時、あの場所にいた感動をかみしめたのだった。


「プリンスがすべてだった」宇野維正による追悼文
リアルサウンド より
http://realsound.jp/2016/04/post-7242.html


その後何回も、いろんなアーティストのコンサートには行ったけど、いつもパレードツアーの感動を追い求めては「やっぱり違ったか」とどこかで思っている自分がいた。生涯最高のライブ体験はいまだ更新されていない。

今回、ライブ映画『サイン・オブ・ザ・タイムス』を見直してみて、ファッションに(おもにスーツの仕立て)に時代を感じさせるものの、音楽はまったく古臭くないのに感嘆した。マイケル・ジャクソンのスリラー以降、コンサートが照明、ダンス、歌、バックダンサーを含めた一大エンタテインメントショーになり、入念に計算されて時間通りに進行するステージが当たり前になり、音響システムの進歩もあいまって、口パクも普通になっている昨今。しかし、このライブは、ジャムセッションが永遠と続くような、それも殿下のご意向にあわせて毎日変わっているんじゃないか、ぐらいの即興性にあふれている。普通のコンサートでは、CDの通りに歌うだけのことがほとんどだが、プリンスのライブでは観客が聴きたいサビの部分をもっともっと長くやってくれたりアレンジが絶妙なのだ。

『サイン・オブ・ザ・タイムス』では、シーラ・Eはドラムソロから、歌、ダンスまでこなす。そこにダンサーのキャットが絡んで、シーナ・イーストンまでステージに登場。これが全部とぎれず進行するくだりは、本作のハイライト。観客は音楽にあわせて自然に体が動いてしまう。

殿下は、シーラ・Eがダンスしているときはドラムをたたき、ドラムから離れててダンスをはじめたかと思えば、いつの間にかギターをもち、次はピアノと縦横無尽に舞台をかけめぐる。

ライブでは(というか、いつでも)殿下はオーケストラの指揮者として君臨し、ちょっとした動きで次はこうする、とかみんなプリンスをみて演奏をしていると思われる。

バンドのメンバーとはコンサート関係なしに、四六時中あーだこーだ演奏しているからこそ可能なことだ。「It's Gonna Be a Beautiful Night」からのくだりは、凄みすら感じる。これできるアーティスト今いますか?小さなライブハウスならいいですよ、でもステージの規模が大きくなると分業が進むから、こういう即興のノリは難しいですよね。それをスタジアム規模でできるのがプリンスだったんじゃないでしょうか。

私は音楽好きとは決して言えないたぐいの人間ですけど、現代の日本でプリンスに一番近いと思うのが、ピアニストの辻井信行さんなんです。あくまで私にとって、です。

「天才」と称される人は、音楽を奏でることが呼吸するのと同じなんだと思う。商業的な成功や他人からの評価とか全然関係なく、ただ響きをこの世に表すために存在する人。プリンスのすごさって、一言でいうと、「プリンス、音楽なかったら死んじゃうよね」っていうところだったと思います。
マイケルもね、ジャクソン5で歌ってきたときの、歌って踊るために生まれてきた輝きにもそれを感じます。

今、聴きなおすと「プリンスってこんなエロいことばっかり歌ってたのか」と驚いてもいますが(笑)、その突き抜け度というか、マイケルが永遠のピーターパンだったから、その対極としてよけい際立つ個性でした。

宇野さんが書かれていた追悼文で私が一番好きなのは、プリンスの「ンギャオオオッ」という雄たけびを文字化した箇所!!そう、プリンスは「ンギャオオオッ」よく叫んでた。ゴジラより叫んでた。マイケルの「フォーーッ」が、プリンスでは「ンギャオオオッ」なんですけど、
プリンスが音楽に没頭して没入しているときに発せられる声で、その雄たけびを聴いた瞬間に、ファンのスイッチが入るんですね。魂が解き放たれる瞬間です(笑)、あのプリンス初来日のパレードツアー、あの空間にいた人たちはみんなスイッチ入ったんだと思う。その記憶があまりに鮮明で、生涯唯一の最高のライブとして、その感動を一生の宝物にしているんですね。

私にとっての殿下3回目のライブは東京国際フォーラムのC会場。プリンスを東京国際フォーラムで観るなんて。ありえないって思ってチケット買ったら、2階は1/3くらいしかお客さんが入っていなかった。3列目以降は全部空席みたいな。しかし、殿下はまったく手を抜いているようには見えなかった。全盛期を知る私には、こんな小さい劇場も満杯にならなくなったプリンスに、悲哀すら感じていたのに、(とはいえ、それがプリンスの日本での最後の公演になったようなのだが)。何を言いたいかってお金のためにやってるんじゃないってことです。


常に変化していたというのなら、デヴィット・ボウイが先駆者だけど、ボウイは髪の毛の色やファッションは変えたけど名前は変えなかった。ボウイは最初にアンダーグランドから出てヒットがほしくてアメリカ進出して、その後はコンスタントに活躍して家庭も持って落ち着いて、子どもの送り迎えする人になったっていう感じ。彼は、変化が新しい挑戦という感じだったけど、プリンスは脱皮みたいな感じ。しかも脱皮が何回もあるから、周囲はついていけなかったという(笑)。理性で脱皮せずに、生物として脱皮していたから、本人は普通だったんだろう。実際、ステージでもよく脱いでたし(笑)。ただデビュー当初のプリンスも見た目、裸に近かったからもともと脱ぎたがりだったのかもしれない。

プリンスはほとんど下積みなしにメジャーになり、と思ったらメジャーブランドを断捨離した。「パープルレイン」のイメージは、「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」の時にはあっさり脱ぎ捨てたし、絶頂期に「レボリューションズ」もあっさり解散していた。でも、どこでもいつでも「殿下」は「殿下」だった。

「唯一穏やかでいられる時間は1人でいる時さ。そして、それが実現するのは唯一、神といる時だ。僕は時々そうする。幸せじゃないような時にね。神は僕がやっていること、すなわち僕自身の音楽をやり続けるように言うんだ。僕はいつもハッピーさ。悲しくなんてならない。スローダウンすることもない。常に音楽で忙しいんだ」
http://nme-jp.com/feature/18896/ プリンス1995年のインタビューより

最後にもう1回、

いやこれからもずっと。

プリンス、大好きです、そして、ありがとう!


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