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7月29日からはじまった、東京ミッドタウン・デザインハブの企画展示『アジア・パシフィックの自転車生活デザイン展』を見てきました。

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タイトルから想像するに、日本をはじめとするアジア各国の「生活のための移動手段」としての自転車に焦点を当て、多人数乗車や膨大な積載量が可能なように改造された種々雑多な自転車が……と期待していたのですが、そういう点では完全に肩透かしを喰らいました。

結論を言ってしまうとアジアの車両、しかも実用車はほんの数台。はっきり言って「看板に偽りあり」なのですが、展示会タイトルさえ気にしなければ問題なし。さまざまな目的を持ったさまざまな国の自転車が集められていますので、大変に見応えのある内容となっています。

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エレベーターから展示室までの通路には、歴史的モデルと古い広告ポスターが。

それでは、展示車両の一部を紹介しましょう。

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ブリヂストン最後のロッドブレーキ搭載車『ジュピター』。出前等での片手運転に対応し、左右どちらのレバーを引いても前後のブレーキが動作する構造です。

現在でもジュピターは販売されていますが、ワイヤーブレーキで前後非連動。自分が幼いころはこうした実用車を「ダサい」と感じていたのですが、いつの頃からか「この質実剛健さがいい」という印象に変わりました。

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第二次大戦中のスイス陸軍が使っていた自転車。たしか戦後も銀輪部隊が……と思って調べてみたら、21世紀に入ったころに廃止されてしまったようです。

ちなみにこれは後方の連絡用ではなく、前線で戦闘に参加する部隊が使っていたもの。廃止されてしまった理由は、重装備となる兵員の輸送は機械化したほうが効率がいい、ということなのでしょう。

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Larry vs. Harry社(デンマーク)のカーゴバイクをカスタムし、2009年の「メッセンジャー世界選手権」(そんなイベントがあったのですね)のカーゴバイク部門で優勝したモデル。

このカーゴバイクのデザイン、日本でも小口配送などの業務にはマッチすると思うのですが……どうでしょう?

さて、実用車以外にも興味深いものを。

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メーカーやビルダーは不明だそうですが、1934年のツール・ド・フランスに参加した車両。現在のロードレーサーとほとんど変わらない車体構成に驚かされます。

やはりダイヤモンドフレームとドロップハンドルの組み合わせは、鋼管を使う限りロードレーサーにおける永久不変の構造なのでしょうか? 

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かわってこちらはヤマハが1999年に発表した『ケイリンPAS』。人力のみで駆動する自転車に、電動アシストユニットを付加するとどんなデザインになるか、という一例。競輪競技で選手たちを先導する目的で開発されました。しかし展示車両はバーハンドルなので、もしかしたら開発途中に作られたプロトタイプなのかもしれません。

現在の視点では「メカニズム全体を大きなカバーで隠す」という手法はいささか陳腐に見えますが、当時はまだ電動アシスト自転車自体が珍しい商品で、そのデザインは根本的な部分でトライ&エラーが繰り返されていたころ。「競技用だからレース用バイクのアンダーカウルのような形状に」という発想の流れは自然なものだったのではないでしょうか。

このほか、ちょっとキワモノっぽいオモシロ自転車も。

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イギリスのSkoot社が2001年頃に発売した(らしい)折りたたみ自転車。収納時や運搬時は、タイヤやハンドルがABS樹脂のケース内部にすっぽり隠れる構造になっています。タイヤは12インチで、重量は14.5kg。走行時には、ケース内にブリーフケースやPCバッグを入れることができます。

あんまり折りたたむ意味がないように思えますが、デザイナーは「インスタント・モビリティ」を意図したようです。気づけば世界中の大都市や観光都市で「外部からの内燃機関車の進入おことわり」という地域が増えてきています。そういう場所でビジネスマンが活動するには? という問いに対する、ひとつの回答になるかもしれません。

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スウェーデンのボルボが子会社に開発させたという、プラスチック自転車ITERA。1978年に開発が開始され、81年に販売開始。日本でも少量が販売されたそうです。会場の説明板では「1988年発売」となっているのですが……

自動車のボディの樹脂化の可能性を探るための先行開発、という意味合いの強い、いわば実験的商品だったようです。強度を確保するために大断面にされたフレームが、そのままスタイリングの個性になっています。もしかしたら現代の技術なら、樹脂化でもっとラディカルなスタイリング革新ができるのかも?

このほか、世界中のさまざまな自転車を約50台展示。「人力」という最小限の動力源で実現できるモビリティの、さまざまな可能性を感じることができる内容です。この展示会は8月27日までですので、機会があればぜひ一度訪れていただきたいと思います。

なお、マニアックすぎてここではちょっと……といった展示物もありまして、それはいずれ古庄のブログ http://4277.blog45.fc2.com/ で公開の予定。

(写真/文:古庄速人)

アジア・パシフィックの自転車生活デザイン展特設サイト:
http://pedallife.com/exhibition/index.html






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