2012年12月25日

年末のご挨拶

テーマ:冬景色
寒さが厳しくなってきて、天気予報は毎日のように「真冬並みの寒さ」とか言っている。12月の下旬は充分真冬ではないのか気象用の定義など知らないが、そんな生活実感とのズレに難癖をつけたくなるくらい朝などは寒い。

私の日常はと云えば、今年は寒さに血迷って余計な冬用グッズを買い込まないように、例年使わないような暖房もそれなりに使って、なるべく寒さをやせ我慢しないようにしている。
  
それはともかく、年よりじみたことは言いたくはないが早いもので今年もあと残りわずか。
年も押し詰まる師走というものは世の中が騒々しく忙しいということになっていて、世の隅っこで生きる私などもなんとなく忙しく振る舞わないといけないような脅迫めいた圧力がある。忘年会の予定はどんどん入ってくるし、年賀状書きから大掃除だの庭木の手入れだの、果てはあいさつ回りなんて、別に好きな時にやってもいいような気もするけれど、この時期にやらねばならないのは世の中の習わしであるかのようにせき立てられているような気もする。
 
別に日の巡ることは年末年始だろうと、いつだって変わらないのだからわざわざ改まることはないではないかと文句を言いたくなることもたまにあるのだが、それはただ怠け者の愚痴にすぎないのかもしれない。
  
でもまあ、忘年会だって声がかかる内が花であるかもしれず、人並みに同じような掃除をして、あいさつに回って、愚かしくも世の中と歩調を併せて何とか今年も生きてきた、どうにかこうにか自分もこの世の中の一員であるらしい、と実感する時期でもあるかもしれない。
たしかに、忙しいの慣例・虚礼は馬鹿らしいと言いつつも、何とかこの一年この世の中に生き延びてこられたことの有り難き不思議。
 
そう思えばこんどは、世話になった人や家や身の回りの関係を振り返り、共に過ごした一年に感謝して送り、新たな年の幸運を願うことは自然なことに思えてくる。
  
私もやはり、師走のひと騒動が収まったら、年の暮には門前を掃き、感謝と希望を持って静かに新年を迎えることにしよう。
 
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2012年12月22日

忙中閑あり、でめずらしく純文学を読んでみた「何もかも憂鬱な夜に」

テーマ:本読み
$酒とホラの日々。-何もかも憂鬱な夜に
『何もかも憂鬱な夜に』 中村文則 / 集英社文庫
  
このところは仕事がらみの本(資料)一辺倒だったが、息抜きに新聞の書籍紹介で見かけた本を読んでみた。

親に捨てられ施設で育った主人公は刑務官として働いている。社会や自己の矛盾が破たんした結果犯罪に至ったような様々な受刑者と向き合う毎日は、自分を含めた人間という得体のしれない存在のとりとめもなさや陥穽を目の当たりにする毎日だ。多少なりとも感受性のある人間ならば過敏にならざるを得ない。そんな主人公は、死刑判決に対し控訴しようとしない若い殺人犯を担当することになる・・・。
  
私はこの物語を、多かれ少なかれ誰もが若いころに経験する不安と焦燥に向き合った作品として読んだが、それはたぶん、私の若い頃に漠然と自己の毎日を包んでいた何とも言えない陰鬱な気分を多少なりとも思い出すことになったからだ。
漠然と包んではいたものの、若いころの様々な気分のうちもっとも支配的な気分だったかもしれない。 
  
このまま自分は、どうにも何ともならないのではないかという不安。今の自分でない何者かになってしまえばきっと楽になってうまくやっていけるのにという根拠も実現のあてもない願望のむなしさ。でも、今まで引きずってきた自分から自分でない何者かになってしまうことへのおびえ。そんなやり場のない今とこれから先への混沌とした不安に絡み取られて、ひりひりする痛みの中で過ごす毎日。
 
そんな不安と焦燥は若いころに通過するちょっとした疾病というだけではなく、年を経ても痛みに慣れはすれ完治することなく、今も時折そんな記憶が身を苛むことがあるようだ。たぶんそれは治ることはない。 
  
この小説は何もかも憂鬱な陰の部分を描いてはいるが一筋の光として芸術との出会も述べている。
確かに「世界にはすばらしいものがある」ことを知るのは憂鬱な壁の中の気分を一時楽にしてくれるものだし、芸術が「お前の狭い了見を広げてくれる」としたらそれは世界を囲む息苦しい壁を押し広げてくれることに他ならない。
 
また終盤近く、主人公は親しい女友達に対し二人で新しく自分たちだけの生活を少しずつ作っていこうと提案をしている。確かに他人のコピーでない、自分だけの生活こそはオリジナルなアートでもある。アートでなくとも、ささやかでも丁寧に自分なりの生活を紡いでいくことこそ憂鬱の壁の外へとつながっていく手堅く現実的な手段の糸口であることを示唆しているようにも読める。
もっともこれは幾多の憂鬱の壁を見てきたもう若くもない私のただの個人的な思い込みに過ぎないかもしれない。
  
だから憂鬱の向こうへの希望を読み取るかどうかは各人の受け取り方次第ではある。
ただ、この本は身近で果てのないような憂鬱に生きる息苦しさに圧倒される作品だが、本来それぞれに個人的な感覚であるあの憂鬱な気分を、小説という手段で表現することで、みんなで共有して客観的に眺めることを可能にしてくれた。これは作品の大きな魅力であり功績だ。
  
 
・・結局今に至るその後の私はひょとして強い何者かになったのかもしれないが、ちゃんとした解を出せるような何者にもなりはせずわが身を痛みに鈍く作り変えてきただけなのかもしれない。

ただ、何者にもならなかったかもしれないけれど、今も毎日酒飲んで大飯食ってちゃんと生きている。(爆)
 
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2012年12月09日

年の暮れさも忙しとあう人のただ一言で別れ行きぬる

テーマ:冬景色
$酒とホラの日々。-冬空

この一年もあっという間に一巡りして年の暮れを迎えることになってしまった。ただでさえ忙しい年の暮れだというのに、忙しさにかまけてうっかりしているうち、次々と予定を入れられてしまい、気がつくととんでもない数の忘年会に出るはめに陥ってしまっている。
そもそも厄介な他人や世間の義理やしがらみなどに捕われたくないといつも思っている私である。不義理も意に介さず、他人からは薄情大魔王とも呼ばれることをむしろ誇らしくも思っているくらいだというのに、今年はちょっと気を抜いたらむやみやたらと宴会ばかりやっている。不本意である。
 
歳末だクリスマスだ、新年準備だとかしましい世間の喧噪に巻き込まれているとあっという間に過ぎてしまう12月だが、実は低く巡る日に照らされた師走の風景というのはとても美しい。
斜めに射す冬の日に浮かぶ町の色、冷えた空気の中に人の行き交うほのかな暖かみ、それに、葉も散っていい具合に初冬色に染まった木立の連なる郊外の静けさ、というのもまたいい。 
  
歳末と新年の騒動に巻き込まれることを充実と思い込むのも勝手だが、この時期ならではの一瞬の美しさを味わえなかったとしたら、わたしにとってはなにより損失だ。
 
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