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2008年11月30日

裁判員候補者へ通知が来た

テーマ:CO2

裁判員候補者の通知が届いて、「けっ、めんどくせーなー」と思っていたところ、
法務省から受諾意思確認のための電話が来た。
 
介護だの高齢だの会社の社長だのという裁判員を拒否するのに正当な理由が

私にはないのは承知で、率直に「できればやりたくない」と告げたところ、
法務書の役人が言うには、
裁判員制度は初年度特例により、今回にかぎり

一定の期限内に申告すれば候補者リストから削除することが可能なのだという。


但し、本当に本人の意志で申し出をしたことを保証するため、
裁判員謝絶申告をするには直ちに供託金を積む必要があると言うことだった。
もちろん、審査の結果候補者リストから削除する手続きが済めば
供託金は全額返還される
のだそうだ。


そこで私はさっそく30万円の供託金を振り込みに行った。

ただ、銀行の窓口で行員がそれはおかしい、もう一度確かめたほうがいいとか
振り込め詐欺に違いないとかうるさいことを言ってじゃまをするので
「なんだよ、私個人の問題でアンタには関係ないだろう、

供託金の振り込みが間に合わなかったらアンタが裁判員を代わってくれるのか?

私はどうしても今日中に振り込みをいそいでいるのだ!」と、

銀行の連中をカウンターのキャッシュトレイで殴って黙らせた。


少々面倒はあったがともかく30万円の供託金の振り込みは終わり、

あとは裁判員候補者リストからの削除完了通知を待つだけだ。 


ところで、わたしの供託金はいつ返してくれるのだろうか。。。

 

 

 

 ****************************

 




【厳重注意】 法務省からこのような電話が来ることはありません。

そもそも、このブログはホラ(小説)を主体とするお笑いのブログです。

このブログを見ている人には関係のないことと思いますが、

振り込みをうながすような連絡があったら、ひとりで銀行に行く前に

周囲の人に相談しましょう。もちろん、アドバイスをくれる人を

パニックを起こして殴ったりしてはいけません。

 

  

 

 


  


 

   



 

 
 

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2008年11月29日

寒がりの私の冬支度

テーマ:物欲の果て


毎年、またかと思われるかもしれないが、この冬の寒さに備えて少々の抵抗を試みてみた。。。


(下着) ユニクロのヒートテック 
      ヒートテック

前にも書いたけれど、こいつは暖かいときに着てしまうと熱がこもって妙に暖かい「効果」がわかるのだけれど、寒いときに着たらやっぱり寒いという魔法の下着である。
だから単純に「暖かさ」という点で言えば、ちょっと上質のウールの下着、ジジシャツ・ババシャツを着た瞬間に幸せ気分に包まれるような暖かさには実感として遠く及ばない。
でも、その代わり動いて汗をかくとウールの下着が水分を吸って一転して不快なヤツに変わってしまうのに対し、ユニクロのヒートテックは調湿効果があるのか比較的さらりとしている。
それになんといっても、安い。

惜しげもなくガンガン洗濯もできる、という利点もある。
東京のようなヌルい寒さの中で動くときはこれがよい。
 


(内着) モンベルのインナーダウン

      モンベル
暖房をケチる我が家ではパンツとシャツだけで活動するのは困難なので、何かもっと着なければならないのだが、あまりに着膨れするのは鬱陶しいものだ。そこで目をつけたのがこれ、外套でなく、中に着るダウンなのだが、メーカーによってはダウンセーターという言い方をしているところもあるようだ。
これはなんと170グラムと長袖Tシャツよりも軽く、

持った瞬間は「何これ、紙の服?」と思ったほどである。
もともと薄い上に半そでで腕周りの動きも楽で、着ているのかいないのか忘れてしまうほどだ。でもダウンだけにそこそこ暖かさは確保されて、これにジャージ羽織るくらいで家の中は十分という感じだろうか。

 
(靴) アディダスのタウンシューズ、エクスプローラ・クライマ・ウォーム

    エクスプローラー
私は平日はスーツに革靴のため、これはオフの話なのだが、これまではあまり季節に関係なく休日用の靴やスニーカーを繰り回してはくことが多かった。ところがなんと暖かい靴を履いたら暖かい、という当たり前の事実にいまさらながら気がついた。
アディダスというと、サッカーのドイツW杯の使用球を低開発国の子供を低賃金で劣悪な労働環境で酷使して作らせていたというような悪辣企業なイメージがあって、このブランド品を持つことに社会正義的憤りと抵抗を感じてしまうのだけれど、この靴もまた、冬靴のくせにインドネシア製などと書いてあって、一瞬不安が頭をよぎったのではあるが、一般的なタウンシューズとしてはよくできていると思われる。
足への柔らかなでもしっかりしたフィット感と暖かいのに蒸れないというのがポイントだろう。
 


さて、これで寒いのが苦手な私も今年の冬をどれほど快適に過ごすことができるのだろうか。
 
・・・今回はつまんない文を書いてしまったが、ともかく寒いので本日はこれにて御免。








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2008年11月27日

テキスト入力専用携帯機ポメラ使用レポ

テーマ:物欲の果て

ポメラ2

ポメラを買った。
私にとってはまさに欲しかったモノ。折りたたみキーボード付きメモ機である。テキスト入力しかできない。

 

PCが小さくなったといっても機能過剰で電池の持ちや起動時間の遅さなどその鈍重さが我慢ならないときがあるし、携帯電話の入力方法の進化しないことといったら傘が何百年も進化しないことと双璧である。

 
このポメラはテキストの作成に特化した携帯デバイスであるが、軽い、起動が速い(2秒)、フルキーボードとATOKで入力が容易など、詳細についてはメーカーのページでも 参照してもらうとして、ここでは三週間ほど使用してみた感想をメモしておきたい。

 
買ったのは発売日二日目の晩なのだけれど、目指していたオレンジ色はすでに発売日初日の朝の内に売り切れてしまっていたとのこと。みんな考えることは同じというか、カジュアルな文具の延長とするとやはりポップなオレンジ色を欲しがったということなのだろうか。そこで私は白を買ったのだけれど、これがまた意外にいい感じ。全体的な質感の高さ(予想外だった)と相まって安っぽくないパール調で、黒のように指紋や手垢が付いたのが目立つこともなく、なにより机の上に置いても書類に紛れて目立たず自然にデスク環境に溶け込むのがいい。(写真参照)

 ポメラ1


キーボードはもちろん少々小さいのだけれどむかし持っていたモバイルギアだのシグマリオンなどよりずっと良い。この程度使いこなせなければモバイラーにはなれないだろう。
応答性も良い。むかし私が使っていたモバイルギアはWindowsCEで変換や入力応答性のどうしようもなくぬるい感じがつきまとっていたが、ポメラにはそんなストレスがない。
 
なにより、一番感じたのは本当にテキスト入力しかできない環境での新鮮さである。
通常私は文章を書くときはもっぱらPCを使っているが、PCは常時ネットに繋がりまたたくさんの資料を格納している。いつもは思いつくままにこれらの資料を参照しつつまたそんな環境に依存しつつ文章を書いているし、また同時にそんな環境が一つの作業への集中力を奪っていると感じることも多かった。

 
だが、このポメラはテキスト作成専用機であるから、ひたすら思いついたことを伸ばし展開して書くしかない。わき目もふらずまっすぐ突き進むしかないのである。
これは良くも悪くも使い方次第なのだが、気の散りがちな私にはとても新鮮に感じたのである。

 

納得のテキスト入力専用機ではあるけれど、もちろんこれまでのところ機能的に変更を考えて欲しいところがないわけでもない。

 
第一には現在のところ一度に一つのテキストデータしか展開表示できないので、今後同時にいくつもデータを開いて画面切り替えで、同時進行で複数データを編集参照できるようにして欲しい。
つまり文章を書くときは次から次へとアイデアが出て複数の文章のアイデアをあちこちに書き付けたいとしたら、いちいち今書いているデータを保存して別データを開いて書き込むということをしなければならないのは煩雑である、というか現実的でない。紙のメモなら別の紙を並べてそれぞれに書き込めばすむことなのである。
まとまった文章でなくとも、議事録を書きながらふと気づいてToDoリストを書いたり、スケジュールを追記したりすることはよくあることであるのだから。
 
第二には何でメディアはマイクロSDなのか?ということである。携帯電話のように極限まで小ささを追求するマシンでもないので、今にもなくしそうなマイクロSDよりもアダプターなしでPCに突っ込める普通のSDカードで十分だと思うのだけれど。
 
三つ目はATOKのことなのだけれど、これはPC用のフルスペックなATOKとは異なる機能限定型の組み込み専用のATOKである。これが何が困るかといって、会社では困らないのだけれど、私の場合、私的な文章作成の時は古語文語漢文の引用など自由気ままに書くために、古語入力が面倒なのは困るのである。

ひとり蓬窓の下に座し兀々静かに尋思す。尋思するもその初めを知らず、いずくんぞその終わりを知らん。 徒然わぶる人はいかなる心ならん、まぎるるかたなく、ただひとりあるのみこそよけれ。 直ちに万事を放下して道に向ふ時、障りなく所作無くて心身永く閑かなり、、、などと言うのもすらすら入力できないとストレスを感じるのは当然である。古語入力モードを是非付与してもらいたい。

  

まあいろいろ言いいたいこともあるけれど、私は購入後二日目にして講演会に持ち出してバリバリメモを取るのに使って成果を上げられた。ブログもいくつかはこれで書いた。

 
このポメラの利点は文庫本並の携帯性とキーボードによるインタフェース、テキスト入力に特化した応答性の良さ、それに接続性の悪さと機能限定したことによるセキュリティに対する不安の少なさである。
少なくとも今後下手にあれやこれや機能追加してこの使い勝手を殺さないようにお願いしたいものだ。
 

 

 

 


 
 


その他詳しくはITmediaの記事 、または

使用レポート を参照されたし。

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2008年11月24日

冬眠したい

テーマ:ブログ


木枯らしの音を遠くに聞いて、ぬくぬくとコタツに入り終日うつらうつらして暮らせたらどんなにか素敵だろうかと、ついつい夢想してしまうほど寒いのがきらいな私である。 もちろん暑いのも嫌いなのではあるが。
 
寒さは人間の活動が鈍くする、というか何をするのも億劫になるので余計に鬱陶しい。エイッと気合を入れて動き出せばたいていは後はなんとかなるのだが、この気合が入らない。


そもそも人間は体内の物質を化学変化させて生物としての活動を行っているのだろうけれど、きっと気温が低いとこの化学反応のスピードが落ちて思考や気合も含む生物化学活動を鈍くさせているのに違いない。
 
だから、活動が鈍くなんでも億劫なのは私が寒がりの怠け者なせいではない。
単に寒冷時の物質化学的な道理によるものでこれは避けがたい必然的状況であるのだな、きっと。


また、とりわけこの傾向が顕著な私はきっと遠く先史時代には変温動物系の祖先を頂く可能性もある。
 
だったら、私がコタツで冬眠してもいいのではないのか。とまた話は戻ってしまうのだが、実際一般の人間には冬眠は無理でも、気合の入った冬籠もりをした人の話なら聞いたことがあった。
 

もちろん冬になってどうしようもなく交通途絶してしまう地域に住んでいてやむなく冬篭り状態になる人もいるだろうけれど、普段は暖地(関東南部)に住んでいて、冬になるとわざわざ冬籠もりをする人の話である。

 

 

この人は一人暮らしの女性だったのだが、東北の豪雪地帯で古民家を借り受け、冬の間ここに長期滞在することにしている。もともとは瀬戸内海沿岸の生まれで、東海から関東へと引っ越してきた人だから、雪に降られた体験などほとんどなかった。せいぜい二十センチ程度のベタ雪に遭ったのが最大の雪体験という程度だが、

暖地では混乱の元には十分でも、二十センチの雪なんて降雪地帯にしてみたら降ったうちには入らないし、雪かきの対象にもなりはしないほんのもうしわけ程度の雪である。

  
ところがあるときどうしたことか、本格的な雪体験のない彼女が、雪の里の暮らしに憧れを感じるようになった。実際に北地では雪なんて冬のもってくる厄介な贈り物だったりするのだけれど、雪体験のきわめて乏しい彼女はテレビや映画の映像の「イメージだけ」で雪の中の暮らしをしてみようと思い立ったというのである。
 
彼女はある地域の年間長期・周期滞在型の村民の登録をし、秋の終わりに身の回りのものとたくさんの食料を買い込んで家に入ったが、借り受けた家は日本海側の山腹にあり、毎年普通に家の軒まで雪が積もるところである。

 
村の人々は表面はよく来てくれたと歓迎してくれたが彼女はもともと人付き合いの得意なほうでもなく、冬篭りが目的でやってきたため村の人たちともそれほど積極的に付き合いをしていたわけではなかった。
会えば挨拶をする程度だった。

 

ところがあるとき大雪となり、村の家は軒並み雪に埋もれた。集落から少し離れたところにある彼女の家もまた同様である。それ以来村では彼女を見かけることがなくなった。もともとあまり付き合いもない上、彼女の家の周りにはまったく人の気配がなかったし、村の人たちは、きっと雪に音を上げて帰ったのだろうと噂しあったが、
実際そんなにわか村民はそれまでも何人もいたのだから当然である。 
 
やがて長い長い冬も終わりに近づき、根雪も融けだして雪がまばらになったところにはフキノトウが顔を出し始めたころ、空き家だと思われていた彼女の古家から突然、人間が現れたのである。
もちろん人間は大雪を見て逃げ帰ったと思われていた彼女その人であり、雪かきをする技術も知識も体力もない彼女は一冬をずっと雪に埋もれた家の中で暮らしていたのだった。
 
とんでもない目にあったねえと、村の人たちは彼女をねぎらい、さすがにこれで懲りたろうと考えたのだが、とんでもない。
彼女はいたって意気軒高で、なんとこの年古屋の修繕・改築を行い、以来毎年冬から春はこの豪雪の村で暮らしているのである。

 

 

こういう話を聞くと、豪雪も冬籠りもなにかとても豊かで素敵なものに思えてきてしまうのだけれど、ビンボー症で始終せわしなく何かやっていないと気の済まない私には、三日以上じっとしているなんてとても無理だろうなともまた、思うのである。
  
冬籠りをするのに一番必要なのは、充実した自己の内面と精神の豊かさなのかも知れない。 
 

 
  

 

 


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2008年11月21日

大胆不敵、全裸美女襲撃事件が発生!

テーマ:本読み

昨日の正午ごろ、厚生省事務次官経験者の自宅を含めた
厚生省の施設を狙った全裸テロを企てたとして67歳の男が逮捕されました。


男は寒空の中公道上で突然服を脱ぎだし、

最後のフンドシを剥ぎ取ったところで、

付近で警戒中の警察官に取り押さえられたもので
その際、テロリストの男が抵抗して放ったウンコが

現場近くにいた厚生省職員らにあたり、

女性を含む二人が卒倒して病院に運ばれたほか、

男の裸を見た他の厚生省職員数名もが気分が悪くなったと

訴える騒ぎとなりました。
 
この事件を受けて厚生省の広報担当は
「犯人の67歳の男のフルチンは大変な凶器で、これをさらすことは社会的に重大な脅威だが、厚生省はいかなるテロにも屈せず、旧来通りにお気楽に仕事をする」
とのコメントを発表しています。
  
なお、捕らえられた犯人の男は
「テロは自分で責任をとってわが身を処すことのできない役人や政治家のための、
最後の手段だ。誰のためでもない彼ら自身のためでもある。 
またそもそも
テロとは単なる違法行為ではなく、明確に道理に反した行いを
裁くことのできない現行法の有効性を問い直すひとつの手段である
のだ」

と自らの全裸テロの正当性を強く主張しています。  


   
(注:今回「記事のタイトル」については爺が全裸になって女性を襲撃したということを言っているだけで

美女が全裸になったと言うことではありませんのであしからず。
なお、最後の男のテロリズムに関する主張論旨の是非ついては以下文献(まじめ)をぜひ読んでいただきたいと

存じます。)



                   terr

『テロル機械』  ローラン・ディスポ 著  /  現代思潮新社
 








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2008年11月19日

救世主を探せ

テーマ:CO2

皆さんはあのF博士をご存知だろうか?実はF博士が失踪してから二ヶ月がたった。
F博士は人類の未来を救う画期的な発明に取り組んでいたのだが、ある事情により身の危険を察して一時身を隠しているのだと言われている。

  

現代の救世主ともなるべきF博士の発明とは、新しい人体常在菌である。大腸菌とかビフィズス菌だの乳酸菌のようなものだろうか。ともかくこの新たに開発された腸内に定着する有用菌の働きにより、人は元来の排泄物をさらに吸収再利用可能な栄養物に生まれ変わらせることが可能になる。 
この結果、人間は飯やステーキを食って、クリームパテやテリーヌの糞をし、同時にバイオエタノールの小便をするようになるのである。エネルギー危機も食糧危機も当面はるか未来に先送りされることは間違いない。

  

博士はこのクリームパテ状の可食性排泄物のことを「天国のマナ」と呼んでいたが、
ここでついでに言っておくと「マナ」とは、モーゼの主導によりエジプトを脱出した後、
長い放浪を余儀なくされたユダヤの民が露命をつなぎとめることを可能にしたという
荒野で拾得できた食物の呼び名である。


マナのことをユダヤ人たちは天国からの贈り物と考えたが、実際のところこれは甘みを帯びた虫の排泄物だったそうだから、博士も絶妙なネーミングをしたとはいえる。
 
また新しい人体常在菌の方は「イクソダス菌」というのだが、これはモーゼの出エジプト、すなわちイクソダス (EXODUS)=(いい糞出す)に引っ掛けたという説もあったが、きっとこれは単なるおやじギャグだろう。 
  
ともあれこの発明により、 人類に課せられた食料とエネルギーの制約が緩むのはもちろん、食料供給地図やエネルギー勢力図が劇的に変わることは間違いないのだが、
同時にF博士は経済的利権を失うことに強い危機感を抱いた産油国と穀物メジャーに狙われることとなった。
 
このためF博士は身を隠さざるを得なくなったのだが、日本の相模大野あたりでサラリーマンの格好をしているらしいので見つけた人は力になってやってほしい。 
だって、なんといっても彼は未来の救世主なんだから。。。

 

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2008年11月16日

陽光と南風の読書

テーマ:本読み


立冬を過ぎたこの時期、あたりのものすべては北から浸入する冬へと向かうエネルギーの影響を受けて、晩秋から初冬の佇まいへと移り行く光景が冷たく沈んだような深い静けさをたたえている。 
水底に堆積した落ち葉から晩秋の地の色が滲み出すように、
まさに秋と冬との境目の空の底に沈殿した色が
私たちの這い回る地表にじわじわと拡散していくようだ。
  

もっとも秋は好きでも寒さの嫌いな人間というものは多いもので、確かゴッホもゴーギャンも寒さから逃避するように暖かいところへ移動したのではなかっただろうか、うろ覚えだが。スナフキンだって冬は南へ旅に出てムーミン谷に帰って来るのは雪解け後の4月ごろである。
そして私もまた寒い時期には南への衝動に駆られることがある。
  
もっとも堅気の勤め人である私は簡単に暖地へ逃げ出すわけには行かないので、
代用手段や架空の旅を求めることになるのだが。
そこで晩秋の景色を眺めながら南方志向の読書ということを考えてみた。
   
それも単発の作品でなく、作家の性向というか作品の傾向に南方志向のあるものはいなかったかとつたない記憶をどってみると、中島敦、開高健、池澤夏樹というあたりが浮かんでくる。
ずいぶんと適当なラインナップではあるけれど。
  
中島敦 というと「山月記」だの「李陵」だの、漢文知識をベースにした格調高い作品を思い出す人が多いが、彼自身パラオ諸島へ教師として赴任したこともあり、「夫婦」だの「風と光と夢」だの南方を向いた作品も多い。
  
開高健 は南にばかり行っていたわけではないのだけれど、「ベトナム戦記」だの「オーパ!」だの、東南アジアや南米の紀行文をはじめとした旺盛な行動から南方に軸足を置いた行動作家としての印象がある。
  
池澤夏樹 についてもまた、「南の島のテオ」「マリコ・マキータ」「マシアス・ギリの失脚」「タマリンドの木」など南方ベースの作品目白押しである。
  
時代も作品の性質も違う彼らを南への憧れという勝手な共通感想で一括りにしていいものか、判断に迷うところであるが、繰り返し読み直すに足る彼らの作品には、どれもまぶしい日射しと、海や樹林が放つ暑く湿った濃密な空気が立ちこめているような気がしてならない。 
  
ひっそりとした晩秋から初冬の空の下、せめて明るい南国の本を積み上げて
つかの間の南方紀行に浸りたい。







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2008年11月13日

どこでも書斎の読書スタイル

テーマ:本読み

私の場合本を読むのはたいていが電車の中である。
車で移動が主の生活をしていたら読書量も圧倒的に少なくなっていただろう。
たいていの本は電車の中で読むし、
そこそこの難度の資格もほとんど電車移動中のスキマ勉強でとった私としては
電車の中は第二の書斎である。というかメーンの書斎である。
 
もちろん家には書斎などなく、机がいくつかあるだけなのだが。 
 
本を読むスタイルは本の使用目的によってさまざまだが、基本は
「分解綴りなおし」・「徹底書き込み」・「付箋貼りつけ」の三点を使い分けている。
誰に教わったわけでもなく、次第にこういうスタイルに行き着いたのである。
  
仕事の専門書や勉強の本は必要なパートを分解して簡単にリングで
つづりなおして携帯する。 
 
情報本のような類は書き込みをして必要な箇所だけ切り取って後は捨てる。
 
小説などは主に読みながらの付箋と書き込みがメインとなる。 
付箋も書き込みもされなかった本はそのままゴミ箱に行く可能性が強い。
 
このときに筆記具と付箋はちょっとだけこだわりがあって、
筆記具は線引きに関しては太めで濃い目のシャーペン、たとえばマークシート専用の
芯が1.3mmのシャープペンなどもお気に入りである。

また、付箋はポストイットの透明シール型で幅の狭いタイプである。

付箋を貼って文字を隠すことがなく、付箋を貼りたい箇所にピンポイントで
貼ることができるためである。 


ポストイット

そういえばここ数年、電車の中で成人向け雑誌や娯楽新聞を読む人が減り、
勉強している人が増えた気がする。
勉強や読書に挑むことにより自己を啓蒙する喜びは確かにあるし、
自己表現の幅も増えるのは確かだが、
勤めがあっても安穏と暮らせない厳しい世相を表しているのかわからない。
 

 

 


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2008年11月10日

安全でも健康的でもおいしくもありません?

テーマ:CO2

ミネラルウォーターを好む人間は珍しくもないが、テレビで見ていたマダムは、ミネラルウォーターの信奉者で、自ら毎日大量に浴びるほど飲むのはもちろん、煮炊きから、洗顔、果てはペットの仔犬を洗う時の仕上げのすすぎまでもおフランス製のボトルドウォーターを使っていた。マダム曰く「健康さが違う」と。
ここまでいくと信者というかもう狂信者の域である。


テレビはスポンサーに不利なことはいわないから、ボトルドウォーターの正確な知識が入ってこないのもあるのだろうが、安全性という点で言うのならば、

それこそ水道水は湯水のごとくつかっても大丈夫なことを前提にするのに対し、

ミネラルウォーターはあくまでも酒だのコーヒーだのと同じ「嗜好品」の扱いで
そこそこの量をたしなむことを前提に安全基準も作られている。


だからミネラルウォーターの常識を超えた飲量使用量は自己責任が原則だ。

だから実際のところはボトルに入ったミネラルウォーターの安全基準は
水道水のそれより数倍ゆるく設定されているのが事実だから、確率論的に水道水とミネラルウォーターのどちらを飲み続けるリスクが高いかということは単純な話だ。

 

水に限らずこの程度の単純な話を知りもせず理解もできず、ただなんとなく雰囲気だけで流される人間が多いから、世の中に詐欺まがいの商売のネタはなくならないのだろう。
  
なお、マダムの仔犬はある日ミネラルウォーターの入浴後に、
手早く乾燥させてあげようとしたマダムの計らいで、電子レンジに入れられた結果、二度と帰らぬホットドッグとなってしまったということである。

 

水のこともレンジのことも、どれも近年問題とされる理科離れの影響なのだろうか、
あるいは単純に人類(日本人?)はすでに文明と発展のピークを越えて
知的退化の局面に入ってきているのだろうかな。
 
 
 
 
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2008年11月07日

無為のうちに見る空の色と海の色は

テーマ:散歩

インドネシアの離れ小島に出かけたとき、人々の生活は芋掘りとマンゴとり、それに魚とりがほとんどだった。
あるとき彼らと一緒に漁に出かけたことがあったのだけれど、その島の漁とは帆のついた比較的大きな筏に乗って、沖合に仕掛けを流し、魚が仕掛けに入り込むのを待ちながら、流される仕掛けを追って海を漂うだけなのである。

 
出漁の時こそ、帆にいっぱいの風を受けて勢いよく筏が滑り出していく様は勇壮であるけれど、一旦沖に出て仕掛けを流せば、後はただひたすら仕掛けとともにに流されるだけのことだ。

  
漁師は日に二度三度だけ仕掛けを確認し、後は取った魚で持ってきた酒を舐めながら、終日空を見、雲を見、ゆったりとうねる海を眺めて過ごすのである。  

天候と気分しだいで、漁は一週間のこともあれば一ヶ月にも及ぶこともある。海と空の間をひたすら漂流する漁である。

 
空や海のダイナミックな変化や極めて微細な色の違いが、漁の間ではこの上ない興趣を提供してくれ、そこに詩もできれば歌も起こるのだ。
 


またあるとき、私は山で雨にたたられ、たまたま通りかかった山の土木作業の飯場小屋に転がり込んで、二晩降り込められて宿の厄介になったことがあった。

 

 私がたまたま持っていたブランデーの瓶を宿のお礼に差し出したところ、滅多に人も通わない山の中の作業現場で、酒の備蓄も不足と偏りがちだったのか、ことのほかこれが喜ばれて、私は妙によい部屋に通されてお客様のように扱われたのだった。男たちは雨降りでも資材の積み直しや小屋の設備の補修など忙しかったが、お客様の私はすることがない。

 

小屋は夏でも冷え込む山の上のため何でも燃やせる鋳物のストーブがあったのだが、私はこの火を絶やさぬようたまに薪や木くずを加工した燃料をくべながら、ひたすら火を眺めて過ごすことになった。

 

火というものは不思議なもので、揺らめきいぶり立ち時にはぜ返る炎には表情があり、人の過去や未来、現在の心の内にわだかまる様々な思いをそっとなでていくように想念を刺激し揺さぶるのだった。 このとき意識の表面と奥底を、心地良く飽きることのない不思議な時間が流れていくのである。 
 

 
空も海も山の火も、それを眺めて何をするというわけではないのだが、川面に浮いた泡が流れていくように次々ととりとめもない想念が湧いては流れ、完全に思考の形を失った意識はやがて瞑想となる。そうして私たちは豊かな瞑想のうちに空や火を眺めることになるのだ。
  

 
もちろん今の私は毎日都会にあって、日々の多忙と喧噪を流されているが、時々あの空や火の色を鮮やかに思い出すことがある。
濛々とした塵芥のような情報の闇という虚無に向き合わねばならない私たちの求める、確かなものがそこに有るのかもしれない。
 

   

 

 
 

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