第23回 実録「カツ船長の19歳航海記―A Maiden Voyage
テーマ:2日ぶりの上陸で、サントス家の招待に与る【1970年3月17 日(火)】
2日ぶりの上陸に胸躍る。粋な計らいに感激
サントス家に招待され、楽しい一夜を過ごす
P-039 (美しいサマリンダ河畔の夕焼け。この後、訪れる南国特有の夜も素晴らしい)
2日ぶりに上陸した。どうも昼間は天気が悪くていけない。しかし夕方になると晴れてきて、素晴らしい夜を創り上げる。今日はチーフ・オフイサー、パセンジャー等と共にヌーグラハ・サントス家へ行った。小生としては思いがけないハプニングであり、粋な計らいに感謝しつつ楽しい一夜であった。
チーフ・オフイサーの話だと彼は中国人(いわゆる華僑と思う)で、取引先の副親玉らしい。その彼の話す英語はどうも難しかったが、とても良く我々をもてなしてくれた。奥さまも大変良くしてくれ、お土産(何という宝石かガラスかは知らないが)までいただいた。
彼もまた、すこぶる気前のいい男で、何でもくれてしまう。パッセンジャーの一人には、スカルノ・ハット(兎製)まであげてしまったが、たいそう高価なものであろう。畜生、小生も欲しかったのに…。
その代わり小生、インドネシア語のベリー・イーズイな本を頼んだ。すると、明日さっそくマーケットへ買いに行って、船まで届けてくれると言う。子供の使い古しの教科書でもと頼んだのに、とんだことになり大いに恐縮してしまう。彼はまた、写真にもたいそう凝っていて、我々の写真も撮ってくれた。明日、小生は白黒ではあるがフイルムを贈ることにする。
何か記念になるお土産が欲しかったが、全く何も買わなかった。明日チェンジの奴が来たら替えることにするが、来なかったらしょうがない。
香港、マニラ、サマリンダと来たわけだが、その中で一番良かったのはやはりここサマリンダである。ここには我の愛する自然があり、静けさがある。人々も殆どが親日的で、人懐っこい。
ただ、もう少し小生にお金と時間があったなら、もっと見方も変わったかも知れないが…。
今日は、なぜか非常に酒が飲みたい気分だ。しかし、俺は何も持っていない。人生とは、最善を尽くすべし、か。(am0:40)
■記事訂正 前回の【船員の仕事と名称あれこれ】の解説で、「甲板部」が重複するとともに「機関部」が抜け落ちてしまいました。訂正してお詫びすると共に、下記に「機関部」の仕事内容を記します。
◎「機関部」の主な仕事は機関士の指揮の下に様々な機関の運転、点検・整備・修理などで、機関長(Chief Engineer,チーフエンジャー)1名、1等機関士(First Engineer,ファーストエンジャー)1名、2等機関士(2nd Engineer,セコンドエンジャー)1名、3等機関士(3rd Engineer,サードエンジャー)の各1名が乗船。そして部員では、操機長(Numbur One Oiler,ナンバン)1 名、操機手 (Numbur Two Oiler,ナンブツ)3名,機関員(Fireman,ファイヤーマン)1名の計9名が「愛光丸」に乗船していた。

![旅行情報ならH.I.S.のブログ [旅ブロ]](http://stat100.ameba.jp/p_skin/cmn/img/spacer.gif)









