はだ・けいすけ は1985年10月19日、東京都の生まれ。
明治大学商学部卒業。
2003年、明大付属明治高校在学中に『黒冷水』で第40回
文藝賞を受賞、当時の最年少受賞者だった。
大学卒業後、一般企業に就職したが一年半で退職し、専
業作家になる。
2015年、『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞。







健斗は七か月前に会社を辞めて単発のアルバイトをしながら
多摩ニュータウンで母親と要介護の祖父との三人暮らし。
三年前に嫁いだ健斗の姉と入れ替わるように祖父はこの家に
やってきた。
「早う(あの世から)迎えに来てほしか」が祖父の口癖。
家の中では杖を突いて歩き、週に何度かデイサービスに通い、
月に一度は母親のストレスを解消させるために三泊で介護施
設に行く。
健斗は就職活動の合間に恋人の亜美とデートはするが、二人
とも実家暮らしなのでセックスはもっぱら行きつけのラブホ
テルを使用している。