母校から分厚い書籍小包が届いた。
「白神山地」
私が入学後初めて参加し、その後人生の財産となった実習の、最後の報告書だ。20年以上続いたこの実習の集大成となる報告書でもある。
私の代は別の場所に行ったんだが、白神実習は伝説として語り継がれていた。
お礼状を書きたいのだが、何から何まで書いていいか、思案がまとまらない。お忙しい人に長々と書くのは気が引ける。
当時の仲間との、10年以上続いている縁は、この先生のおかげでもる。恩師と言える数少ない人だ。
「最後の」とは、これで終わりということ。寂しい。さらにもっとショッキングなことも書かれていた。いくらリストラの時代とはいえ、この研究科の価値がわからないようでは、わが母校の明日には悲観的にならざるを得ない。
設立当初から、当時マイナーだった学際的取り組みを行い、研究と社会の接点として、大学の社会的存在理由の中核となっていくポテンシャルがあった。おまけに京都議定書が発効し、環境分野にはびゅうびゅう追い風が吹いている。アホでない限りその重要性は判るはずだ。なのにわざわざ帆を畳み、あろうことか切り刻もうとしている。だが、私がいた頃すでに分解しつつあったのは否定できない...
地方ではお荷物扱いされがちな文系の研究室が地域社会への貢献を図り、存在価値を高めていく取り組みをしてるところもあるのだ。ちったあ愛媛を見習え!
話は戻る。ハードな実習であり、担当教官ももうご高齢(とは言え私なんぞより遙かに元気な、エネルギーの塊のような人だ)、その他上にも記した諸々の事情で2004年が最後となった。
白神は憧れの場所でもあり、山頂まで行った時には本当に嬉しかったものだ。
尾根の向こうに見える森の眺めはどこまでも壮大だった。