毎年、日差しが強くなりはじめると
「ビタミンC化粧品は日焼けする」
「朝に柑橘類は食べない方がいい」
などと紫外線にまつわる情報が多くなります。
これは構造が不安定なピュアビタミンCや
食物に含まれるソラレンなどの光毒性を
懸念されてのことかと思います。
光毒性とは紫外線に過敏に反応して
肌に炎症やシミ、色素沈着などの
ダメージが加わる現象のことですが、
その発現メカニズムは紫外線によるエネルギーを
化学物質が蓄積し放出することで生じた
活性酸素や活性化した化学物質自体が
細胞に影響を与えることにあります。
この性質を逆手にとって
白斑や乾癬などに光化学治療として
用いられてもいます。
レモンやオレンジなどの柑橘類や
ジャガイモ、セロリ、キュウリなど
数多くの食材にソラレンは含まれており、
身体にとって積極的に摂りたいものばかりで
「朝にオレンジジュースもだめなのか」
と思ってしまいます。
光毒性の反応は原因物質が十分量存在し、
紫外線が十分量照射された時点で起きます。
ソラレンの光感受性増加は
10mg~20mg程度からなので
一度に大量に摂らないかぎり実際は
ほぼ心配する必要は無いと思います。
ソラレンは摂取してから
約6~8時間後には排出されるので
どうしても気になられる場合は
夜に食べたり強い日差しの下に
長時間お出かけになる時だけ
避けるのも良いかと思います。
ビタミンC誘導体配合の化粧品については
光毒性を生じる成分は取り除かれて
十分に安定化もされていますので、
シミ予防にむしろ朝晩しっかりと
精油による光毒性は
精油の種類や濃度に関係しており、
原液での使用や朝の使用を禁止している
物以外は問題の無い濃度になっており、
化粧品においては配合可能な上限量が
各精油ごとに厳しく定められているので
全く気にしなくても大丈夫です。
世の中には様々な
情報があふれておりますが、
朝の柑橘類やビタミンCは
シミが増えるといった情報は、
生命の維持に欠かせない塩でさえも
大量に摂取したら毒物になってしまうことと
同じようなことだと思いますので、
必要以上に心配することはないと
感じていただけたらと思います