昨年は、私が生まれてはじめて父のいないお正月を過ごした。・・・とは言っても父にとっては、いつも末娘は海外で、末娘のいないお正月を過ごしていたのだ。喪中というお正月。時が流れるというのは有り難いこと。悲しみや心の痛みも時の薬が効いて来る。
昨年の1月はお散歩をしていて初めて蠟梅という花の美しさを知った。甘い香りがどこからかしてきたので近寄ってみると美しい黄金色の小さなお花。見知らぬおばちゃんが「蠟梅じゃないかな」と教えてくれた。
夕焼けに染まってあまりにも美しかった蠟梅の花、そして甘い香り。
故郷の冬の海。子供の頃は夏によく海水浴に連れていってもらった。お正月は江ノ島に初詣に行った。記憶はあまりないけど、子供の頃の写真が残っている。
日本水仙がうつむきながら寒さの中に可憐な花を咲かせているのもとても印象的だった。日本の四季って本当に美しい。南国の陽気な花とはまた違う風情がある。
お寺には各お寺に四季のいろいろな木々やお花があって、それらを見ながら歩いているだけで楽しい。
これも蠟梅。蠟梅のお花を知ってから、しばらくは蠟梅がマイブームだった私(笑)。
父が買って履かないままだった運動靴はちょっと大きかったけれど、冬の分厚い靴下をはけばちょうど私の足にあってしばらくウォーキングにつきあってもらった。
江ノ島の見える風景。きっと父も好きだったろう風景。冬の海はひっそりとしているけれど、夏の賑わいの雰囲気とはまた違って結構好き。
「好きなことをやる道を選ぶなら、親の支えはない、親はいないと思え。」とずっと昔にメールを送ってきた頑固おやじ。「親なんかいるもんか」と思ってきた娘(笑)。その父の言葉が実は逆に私を支えてくれたのかもしれない。おかげで鼻たらして泣いてばかりだった末娘も「芯の強さ」だけは人様に褒められる大人になった(笑)。
今年は蠟梅も日本水仙もない、ハイビスカスの咲き乱れる南国の1月を過ごしている。