景気低迷で主要な労組が今春闘の賃金改善要求を見送る中、約5万8000人が加盟する職業別労組「日本介護クラフトユニオン」(NCCU)は、月給1万円以上の賃上げなどを求めて交渉している。

 低賃金にあえぐ業界にとって、待遇改善は喫緊の課題。だが、国が決める介護報酬に経営が左右される特殊事情から、「大幅な賃上げは困難」と悲観的な声が労使双方から出ている。

 「30代半ば。ラストチャンスと思った」。首都圏の訪問介護事業所で働く男性(34)は昨年、上司に内緒で公務員の中途採用試験を受けた。結果は不採用だったが、「介護の仕事では暮らしが安定しない」と転職を目指した理由を語る。

 男性は、約250人の訪問介護サービスを担当する営業所の所長。約20人いる介護士の訪問先手配や利用者の苦情対応を担う。携帯電話は利用者からの問い合わせで昼夜鳴る。妻と長女の3人家族で、月給は手取り約21万円。ローン返済などを差し引くと、手元にはわずかなお金しか残らない。

 財団法人「介護労働安定センター」によると、介護労働者の平均賃金は月約21万円で、全産業平均(約29万円)を大きく下回る。

 男性は、NCCU分会の書記長として経営側と交渉する立場でもあり、NCCUの要求「月給制で1万円以上、時給制で60円以上の賃上げ」を経営側に示した。だが、所長として経営の苦しさも知っているだけに「介護報酬頼みの経営は不安定。大幅な賃上げは期待できない」と語る。

 中小の事業所では、要求に対する回答さえ得られない労組もある上、そもそも労組がない事業所も多い。NCCUの組合員は全介護労働者の5%以下だ。

 ある経営者は「賃上げを統一要求すること自体、現実離れしている」と話し、労組幹部は「春闘要求は、他産業との格差是正を段階的に図るため、労使一体で国に介護報酬増を求めるスローガン的な意味合いが強い」と打ち明ける。

 民主党政権は、介護労働者の平均賃金4万円増を公約に掲げてきた。政府は昨年10月、待遇改善を行った介護事業者に交付金を支給する自民党政権時代から計画されていた新制度をスタート。正職員換算で1人月1万5000円の賃上げに相当する補正予算を組んだが、看護師や事務職が対象外となるなど、現場には不公平感が残る。4万円増についてはまだ具体化していない。NCCUの河原四良会長は「結局は、介護報酬アップなど、すべての労働者の待遇改善につながる国の政策が必要」と訴える。介護報酬 介護保険制度で定められた介護サービスの公定価格で、訪問介護や通所介護などサービスの種類ごとに決められている。報酬額の9割は保険料と税から支払われ、残り1割を利用者が負担する。3年に一度見直され、2000年の制度開始後、03、06年と引き下げられたが、昨年4月の改定では3%引き上げられた。

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