ツールド熊野の黒潮ロードレース(最終日だけ)走ってきたよ! え〜す | C3;OKINAWA ~explosion of life~

ツールド熊野の黒潮ロードレース(最終日だけ)走ってきたよ! え〜す

はいさい。皆さんこんにちは。え~すです。

3年ぶりに行ってきました。
当然レースの手伝いもありますが、
今回のメインは前座レースへの参加です。

そう、南紀が名古屋から近くなりました。
2時間半で新宮まで着いたのには驚いた。
晴れた中、快適なドライブでした。

金曜日はレースが終わってからの夕方、
日の入りまで少し走りました。
実は、初、丸山千枚田でした。

自動車では何度も登りましたがバイクでは初めて、
なんとか、リア23で登りきれる勾配で、
リズムを刻んで一気に登りきれました。

最高の景色、美味しい空気、
風も涼しく、体調もよく、
終盤は19で山岳ポイントまで!!

土曜日はレースが終わってからも、
なんやかんやしていて、
走り始めたのは7時頃。

ちょっと新宮の市役所前の自転車屋へ寄った。
軽く覗いて、すぐ出るつもりだったけど、
しばらく来ていないうちに、いいお店になっていた。

使える小物もいっぱいだし、
ずっと気になってるインソールも有って、
なんとフルラインナップ、見た事無い新製品も!!

青や黒や黄色や・・・カーポンや
店主の丁寧な説明を聞いていたら、
レース前日なのに、またやってしまった。

一昨年のツールドおきなわ前日にシューズを買って、
次の日いきなり使った事がある。
今回はインソール。ようやるわ。

でもね、シューズの時もそうで、
買ったのは前日だけど、半年も前から調べ尽くしていて、
買うのがたまたま前日だっただけ。出会いは運命ね。

その後30分くらい、夜の42号をかっ飛ばした。
登りを重いギアで、グングンと。
うん、このインソール最高やで!




で、日曜日のレース当日。
朝起きた瞬間から!!絶!!不調汗
よく寝たのに朝飯もまともに食えない。

とにかく気持ち悪い。
前日まで最高に体調が良かっただけに、
なんでなのか、全く分からない。

もしかしたら、2日間も、
ずっとエアコンの効いた部屋に居たからか?
どちらの日も4時間以上座って作業してた。

普段こんな事は無い。
涼しい職場でも、ずっと走り回ってるから暑いし。
精神的にもキツい2日間だったからか?

レースもある事だし暑い外に出来るだけ出ない様にしていた。
涼しい夕方に走って体力温存しているつもりだった。
それらが裏目に出て、体を冷やし過ぎたか?

鯨のまち、太地町に着いて受付して、アップを兼ねて試走に行った。
ここも走るのは初めて、特に下りを入念に。
自動車では何十周も走っているのにね。

この日は更に暑い。日差しが痛い。
たった1周、10キロ走るだけで暑さにもやられ精一杯。
登りが思いのほか勾配がキツかったので不安が増した。

固形物は食べられない、幾つもゼリーを飲む。
朝からあまり食塩を摂っていなかったのに気付き、
スポーツドリンクの粉末を1リットル分丸呑みしてやった。

外に居たら、めまいがしそうなくらい暑いので、
スタートまではエアコン全開の自動車に避難する。
エアコンで体調崩したのに、エアコンのお世話になるとは・・・

気合いでアドレナリン放出を試みる。
何度も「体よ動け」と唱える。
深い腹式呼吸を意識する。

気付いたらスタート時間だった。
まだ準備できてないのにE1がスタートして行った。
自分は黒潮なので1分後か?ラインから遠く離れた後ろに並ぶ。

E2の30秒後にスタート。すぐに位置取りを上げる。
ここは無理をしてでも前に居なければ。
トンネルまでに10番手まで来た。

かなりの速度で進んで行く。
実はこのレースを直前まで甘く見ていた。
1週間前に過去のリザルト見て、ヤバい!と思った。

国際レースの前座だし、
同時スタートの実業団は厳しいだろうけど、
このカテゴリーは無登録だしね~なんて軽く見ていたのだ。

走ってみたらやっぱり速かった。
狭く曲がりくねった港町の道を突っ込んで行く!!
あっという間に最初の登りに来た。

長さ500メートル。勾配は8%以上。
何がキツいって真っ直ぐな事。
後半は勾配の変化が全く無い。ズドーン!

写真あり http://cyclist.sanspo.com/136260

それでも、いつもならグイグイ登れるのだが、
この日はどうにもパワーが出ない。
登っているのに、ギア25で100回転で耐える。

つまり18キロくらいまで速度落ちてるのに、
重いギア踏めないから無理矢理回しているのね。
登りでこんなに回したら、すぐに心臓は爆発するね。

このコースのキツいところは、
登りが。では無いんだよね。
登った後に下りがすぐに無い。

登りで気を失う程、心臓が動いているのに、
休まず高台のハイスピード区間で振り回されるのね。
一瞬の気のゆるみが命取りなわけ。

で、登りで2人が抜け出したみたい。
メイン集団は15人に減っている。
たった3キロで半分だよ。やば。

前を追うために自然とローテーションが始まる。
さすがレベルが違う。この人達うまいぞ。
変な中切れを起こさないために自分も無理をして中に入る。

自分の前の選手が先頭に出る、強そうだ。
え?  全く引かずに降りて行く。
自分も数秒しか引けないのは分かってたけどリズムが狂ってしまった。

突っかかって速度が落ちてしまい、すぐに交代した。
「だめだ!引けない。前に出て!!」
と後ろの選手に声をかけた。

「引けないなら割り込んでくるな~!」
とすぐ後ろのスカイジャージさんに怒られる。
「流れがあるだろう!流れが~」と応戦する。

集団が安定するまでは無理にでも回る必要がある。
そうじゃなきゃ中切れで置いてかれるかもしれない。
落ちた速度を上げる余裕が無いからすぐ交代したのだ。もう。

そんなこんなで1回目の下りへ入る。
左半分はアスファルト右半分はコンクリートで、
その継ぎ目には隙間があるヤバい下り。

タイヤの空気圧はいつもより少し下げたからか、
ガタガタコンリートに乗り上げても跳ねない。
登りを考えたら圧下げたくなかったけど、安全第一ね。

でコースは漁港に戻ってくる。
そこが最高にスリリングな区間。
民家すれすれにコーナーを抜けて行く。

右に左に曲がってるもんだから、
後ろに居ても全然休めない。
本当にジェットコースターだ。

二つ目のトンネルへの登りは短いからなんとかなった、
で1キロのストレートで1周目を終える。
応援に笑顔でこたえるも、心拍がヤバい。

2回目の登り。先にスタートしたE2の選手が混ざってる。
ここは冷静に自分達の黄色のナンバーをしっかり確認。
他カテゴリーをパスして黒潮の集団に付く。

って死にそう。速すぎ。暑すぎ。水浴びる。
重いけど冷水ボトルを持っていて良かった。
後ろの人にも水が飛んでしまい。しまった!と思った。

「ヒャッホー!!」
「あー気持ち良い!!ありがとう。」
みんな暑いのは同じなのね。やれやれ。

自分は2周目から全くローテーションに入れなかった。
ただ後ろについているだけ。ただずっと限界状態。
ほとんど最高心拍数の90%で走ってた感じ。

こんなに集団が速いのに、前に1人居る。
あのスカイさんは前を追って1人で飛び出していたのだ。
10人が回っているのになかなか追いつかない。こやつ強いな!

先頭2人。追走スカイさん1人。で13人ほどの集団。
2周目の途中までは先頭の2人は見えていたけど、
3周目に入る頃には見えなくなっている。

息絶え絶えに3周目、ラスト周回に入った。後10キロ。
黒潮13人の後ろにE2の選手10人くらい居る。
一応自分の集団は黒潮のメイン集団かな?

E2の選手達は大きく遅れた選手達だから、
黒潮のメインに配慮して前に出ないでくれている。
つまり自分がその境目にいるわけ。

自分がローテーションで降りてくる選手に
「もう限界です。自分の前に入って下さい。
自分はいつ切れるか分からないんで。」と言っていたら。

年配の(失礼!)アスタナジャージさんが、
「ここまで来たら一緒に完走しましょう!」
と声をかけてくれた。いい人だ~

やる気ロケット1段目に点火した!

1周目にすでに気付いてはいたが、
この集団の平均年齢はかなり高い。
ほとんどが40代以上。50代に見える人も居る。

そしてみんな走りが上手い。
安心してコーナーに突っ込める。(気は抜かないよ)
ちょっとふらついたのを見たのは1度だけ。

もう何が何でも完走してやる。
つい1週間前は勝つ気満々だったけど、
最低目標のメインでの完走。できるか?

漁港の曲がりくねった区間で自分の前に少し差が開いてしまった、
追わなきゃ!と思った時、ふっと体が軽くなって、
勝手に前に近付いて行った。

E2の人がお尻を押してくれたのだ。
「しっかり着いて行こう!!」
「ありがとう」

やる気ロケット2段目が点火!!

いよいよ最後の登りだ。
ここを登れば完走が見えてくる!!
シケインを抜けて登りに入った。

あれ?左足が動かない。ふくらはぎが痙攣し始めてる。
痙攣の具合を確認するために少し力を抜いてしまった。
黄色いナンバーの黒潮集団に1車身以上差が開いてしまった!!ヤバい!!

っと、左前に1人居る。白いナンバーだ。
右手を後ろに伸ばしてる。?何してるんだ?
振り向いて僕の目を見た!!!!!!!

きたーーーーー!!マディソンタッチだ!!
自分に「走りきれ!!黒潮メインに付いて行け!!」と目で語りかける。
僕は左手を伸ばした。精一杯前に伸ばした!!

すかっ。

しまった!レース中初めてで、フラフラなもんだから、
手の向きを間違えた!!平を外に向けなきゃ!!
ああだめだ!!タッチ失敗か!!

その時、彼は自分の手の向きを変えて、
掴んだ!!
僕の親指を掴んだ!!

そしてぐっと握り、力を込めた。
ぐっと引っ張った!!
ぐぐっと前に押し出した!!

親指1本のマディソンタッチ!!
千切れないでくれ俺の親指!!
いや、構わず押し出してくれ!!!!!!

やる気ロケット3段目が爆発した!!!!!!!!!

すぐさま前に追いつき食らいついた!!
ふくらはぎがバリバリ音を立て始めた!!
こうなりゃおかまい無しだ、踏み倒せ!!

越えた!越えた!
登りは終えた。
後は耐えるのみ。

高台を集団は舐める様に進んで行く、
前に逃げていたスカイさんにもようやく追いつき話しかける。
「さっきはすみませんね~さすがに強いですね~」

強さが全てだ。スカイさんは強かった。
この集団に居る為には、
僕は謝るしか無かった。

最後の下りに入る手前で後ろを見る。
誰もいない?あれ?
さっき助けてくれたE2の人達は?

もしかして切られたのか?
足切りに引っかかったのか?
僕を助けて?

なんということか。
これがサイクルロードレースか。
アシストした者が犠牲になり散って行く!!

たまたまカーブしていて、
見えなかっただけかもしれないけど、
涙が止まらなくなった。

あの人達の為にも、
この集団で完走せねば。
走りきらなければ。

下りはもちろん最後尾で慎重に走る。
少し出来た差はコーナーの突っ込みで埋める。
10人が港町を駆け抜ける!!

残り2キロをすぎて最後のトンネル。
少しの登り、どうにか耐えた。
暗闇から、光へと。希望が見えた!!

緩く下ったらラスト1キロ。
平坦直線。
向かい風。

スプリントの足は有る訳無い。
20キロずっとくっついているだけ。
何にもしていない。

最後の力を振り絞って前に出る。
ラスト400
声をかけながら上がって行く。

「最後だけは前を引こうね~」
これだけ引っ張ってもらったんだ、
逃げには追いつかなくても、少しでも役に立とう。

集団は1列から横に広がり始めた。
先頭を引く選手に並んで、
さらに前に出ようと思った。

が、力が足りず。
並ぶ事も出来ずに力つきた。
「右に落ちるよ~」

ラスト200
選手達が左から追い抜いて行く。
速度差はかなりのものだった。

足は動かない、
前方にもがく姿が見える。
集団から取り残されてしまった。

ガラパさんの声が聞こえる。
誰々が後続集団の頭を取って2位だと。
知らぬ間に先頭は1人になっていたんだな。

左に一人居る。
黄色いナンバーだ。
自分と同じ様に取り残されたのがいたんだ。

お互い顔を見る。
笑顔だ。
完走の笑顔だ。

手を差し出す。
向こうも手を出す。
握手でフィニッシュラインを通過した。

順位は正確には分からなかった。
自分は15位以内くらいか?
実際は2位争いの最後で11位だった。

で自分が黒潮の最終完走者だった。
ほんとにレベルが高かった。
一昨年から3年連続で完走は11人だけらしい。

完走者達が集まってお互いの健闘を称えている。
ほとんどが何年も争っている仲らしい。
また来年も!と約束していた。

少しだけ休んだ、
国際レースの2周は見逃した。
3周目から仕事に入る。

炎天下2時間、じっと耐えた。
チーム・アンカーの走りが印象的だった。
トマ・ルバのアタックが目の前で見れたのが良かった。

今回は3日間晴れてくれた。
それがよかった。
また来年、ツールド熊野で会おう!!

以上、え~すの、バカ丸出しレポートでした。