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2012-05-31 13:16:02

Goodbye Lullaby

テーマ:Avril Lavigne

Avril Lavigneの4th Album 「Goodbye Lullaby」



自分探し。



1.Black Star

Written:Avril Lavigne


まーた、いつものようにシングル曲から…と思いきや、今回は新曲からのスタート。
イントロのピアノの単音から始まり、少しずつテンポを上げていきながらボーカルを巻き込んで神秘的ながらも開放感のある心地良いメロディーとアレンジが繰り広げられていくミディアムナンバー。

そして少しの感動を得たらさっさと終了。実にこの間、1分半w恐らくイントロダクション的な意味合いで作られた曲なんじゃないかな、と思います。こういう手法はアヴリルのアルバムでは初めてなので若干戸惑いを覚えます。

でも無駄に飾らずシンプルに、それでいてスッと入り込めてしまえるような好感度の良さは相変わらずという所ですね。寧ろ前作のオープニングのようなハードロックなポップチューンよりもこういうほうが実はアヴリルにとっても合ってるのかもしれない。




2.What The Hell

Written:Avril Lavigne,Max Martin,Shellback

タイアップ:日本テレビ系『ザ!世界仰天ニュース』エンディングテーマ


で、仄かな感動の後に持ってきたのはリードトラックでもあり先行シングル曲でもあるアップテンポナンバー。
製作陣もいつもお決まりの人たちなので、アヴリルの中では結構王道なんですが今作にはアップテンポな曲というのが非常に少ないのである意味今回はこういう曲が結構貴重だったり。

今作がリリースされた当時の日本来日の際にもテレビでこの曲を歌ってましたけど、派手すぎない良質なポップロックという感じで安心して聴いてられたし、何よりぴょんぴょん跳ねてて可愛かったwwハードロックというには程遠いけどデビューアルバムの作風と結構近い部分があるので、その当時のアヴリルが好きだった人にはつくづく好印象らしい。

一回聴いたらすぐ覚えてしまえるようなキャッチーさとノリの良さは抜群で、ライブ受けもバッチリな一曲。




3.Push

Written:Avril Lavigne,Evan Taubenfeld


冒頭こそ打ち込みのリズムではあるけれど、全編通してアコースティックなミディアムナンバー。
爽やかなアコースティックギターの音色に乗せられたコーラスが非常に気持ちが良い春っぽい一曲で、これもデビュー当時と雰囲気は良く似てます。

そこにまたアヴリルの伸びやかなボーカルが乗っかってくるので、聴き心地は異常な程に良い。綿毛のように耳に優しくフィットしてくるようなソフトタッチな軽やかさが良いんですよね、この曲。

逆に盛り上がりにやや欠けるような気はしなくもないが、アヴリルの年齢も考えるとこの辺りの少し大人らしい落ち着きを見せた方が流れ的にも印象的にも良いのかもしれない。




4.Wish You Were Here

Written:Avril Lavigne,Max Martin,Shellback


続けざまにアコースティックバラード。3rdシングルにもなってます。
冒頭こそアコギ一本でシンプルなんだけども、打ち込みのリズムが絡んだ辺りからどんどん色んな音が乗りかかってきて、まるで花が一気に開いていくかのような華やかさがあります。サビ辺りがそれに当たるんですけど、こういう開放感というのはアヴリルの曲では久方ぶりな気がします。

というか、こういう絵が浮かんでくる曲というもの自体がこの人にとっては珍しいことかもしれない。

ややメロウ気味なメロディーも中々に子憎たらしく可愛げで、それでいてちょっとセンチ。後ろでシャウト気味になりつつあるコーラスも熱が篭っていて良い味出してますし、女の子しまくりな歌詞との相性も良い感じ。




5.Smile

Written:Avril Lavigne,Max Martin,Shellback


2ndシングル曲。これもWhat the Hell同様に日本来日の時にテレビで歌ってました。
Max Martinの色がやや強く出てるのか、ブリトニーライクにキックの強いビートが印象的なアップテンポナンバー。しかしR&Bではなく、派手すぎないロックという感じにはなっているので雰囲気的には少し2ndアルバムの頃と似てるかな、という感じ。

今作は大人しい曲が多いのは前途の通りですけど、そんな中でも抜きん出てアヴリル特有の瞬発力が生かされてますね。サビ突入の瞬間の気合いの入れっぷりは流石と言った所。シングル曲なだけあって、キャッチーさもあり、ポップロックな一曲になってます。相変わらず中毒性も高いですし。

だけど個人的にイントロだけがどうしても好きにはなれませんwすぐ歌が始まるのでまだありがたいですけど、あのギターは地味だわ。




6.Stop Standing There

Written:Avril Lavigne


で、この辺りから少しずつセルフプロデュース色が出始めます。
完全に一人で書き綴った世界観は、見た目とは裏腹にかなりガーリーでポップ。肉食系のように見えるけど実は結構草食系なんでしょうかね。というか、恋愛ソングのようにも聞こえるけど孤独を歌ってるようにも聞き取れるし、直接的な表現は多いけれども中々に奥深い。

そんな歌詞とは裏腹にサウンド自体はかなりポップで中庸的。可も無ければ不可もなく、非常に無難という所です。この手作り感は個人的には好きですが。

でもその手作り感含め、もう一捻り何か欲しかった。特別酷く盛り上がることもないので、流し程度に聴いてるのが一番イイのかもしれないですけどね。




7.I Love You

Written:Avril Lavigne,Max Martin,Shellback


ウクレレ?らしき音を投入した軽やかポップナンバー。
アヴリルの音らしくない新しい要素が加わってますが、重さを感じない爽やかなラブソングには結構合っててこれも春っぽくて良い感じ。やっぱり然程キャッチーではないのでアルバム曲っぽいなぁとは思いますが、伸びのよいボーカルとメロディーは聴き心地抜群です。

コーラスに関しても非常にラフな物を採用してるので気軽に聞けるし、個人的にはこれならもっとアコースティックでシンプルな物でも良かったかな、と思える程に上加減。

ただこれもやっぱり今ひとつ盛り上がりに欠ける。中盤の山場っていうのもそろそろ用意しないと、ずっと平坦コースでは飽きますよ…。




8.Everybody Hurts

Written:Avril Lavigne,Evan Taubenfeld


と前曲を批判してるのか高評価してるのか分からない状況のまま流して聴いてたらいきなり雰囲気が変わりました。やや重めなグランジロックという感じで、随分と渋い曲調。
まるでカウボーイハット被って荒野の酒場でウイスキーをロックで飲み干してそうな、良い意味でオッサン臭い雰囲気がプンプン漂ってくるんですが、アヴリルが居るというだけでそこまで汗臭い感じはしませんw

ややマイナー調でメロウなコード進行に加え、影が見え隠れするようなメロディーが秀逸です。好きな人はどっぷり嵌れるし、これもやっぱデビュー当時と何処となく近いものを感じます。

いきなりポップさが薄れたので若干戸惑いを覚えるところではありますが、Losing GripだとかComplicated辺りが好きだった人にはピッタリ合うかと思います。




9.Not Enough

Written:Avril Lavigne,Evan Taubenfeld


更にメロウな雰囲気が強調されたかのようなバラードナンバー。
冒頭からギターを弾く音の生々しさが録音したてのフレッシュな空気を醸し出してるんですが、今作の中では結構楽器が多い曲かな、という感じ。というか、ここまでドラムが派手に聞こえる曲というのが少ないですからね。リズムが取りやすい分ノリやすくて覚えやすい曲じゃないかと。

さらにはストリングスもしっかりバックに控えてあるため、今時なロックという感じはしますがやっぱり曲そのものに分厚さが出てくるので、ここまでの不満を一気に解消してくれるのではないでしょうか。

これもマイナー調なメロディーが秀逸で、地声とファルセットを交互に組み合わせたパートがちょっとセンチメンタリティー。つーかあれなんですよ。個人的にこの曲に関しては俺何も言うことがないのです。

だって全部パーフェクトなんですもの。理想通りのロックバラードって感じなので。




10.4 Real

Written:Avril Lavigne


完成度の高いバラードでおなか一杯にさせてもらった後もまだバラードは続きます。
ここからは再びセルフプロデュースによるアコースティックバラードではありますが、Nobody's Homeと雰囲気が凄く良く似てます。ちょっとした哀愁感が漂っていて、それでいて黄昏時のようなセンチメンタリティーに溢れてる。

なのに全体的にはアイリッシュな空気感が出てたりするもんだから、雰囲気作りは本当完璧です。

ちょっとばかしコーラス辺りはR&Bっぽいかな、と思うような箇所もありますがメロディーそのものはアヴリルらしいポップさをキープしてて、良い意味で癖が少なくて聴きやすいです。

必要以上に音を詰め込まなかったのがシンプルで良いです。




11.Darlin

Written:Avril Lavigne


前曲と同じ路線のアコギバラード。
路上で弾き語りとかしてそうな、そういうストリートに似合いそうな感じがしますね。実際アコギ一本だけで歌ってるのでそう思うのは別に不思議なことでもないのでしょうけど。2番Bメロ辺りからはストリングスを絡めてしまうので、折角のシンプルさが若干損なわれた感はありますが。

2番終わった頃からはドラムも入ってきたりするので、気がついたらそういうストリート感はビックリする程なくなってしまうので、どっか途中で頭を切り替えて聴いてかないと、バラードな割りに忙しないという印象が残るかも。

しかし、それとこれとは別に演奏自体はかなり丁寧で粗雑感ゼロなので上品と言えば上品な曲。




12.Alice(Extended Version)

Written:Avril Lavigne


日本盤シングル「What The Hell」カップリングナンバー。
元々は今作発売の少し前にアヴリル自身が映画「アリス」の主題歌を手掛けたと話題に昇ってましたが、これがそれ。そのエクステンドという事でもう少し尺を伸ばしたバージョンになってます。

アルバムの路線自体からは少し外れたような感のある、壮大なバラードナンバーになっていて、良くも悪くも映画主題歌の域を抜けない完成度。映画の為に製作すると、どうしてもその世界観に沿うような物かストーリーにリンクしたような曲になりますが、これはその両方って感じですね。

絶えずハイトーン&伸びやかなロングボイスが響き渡るファンタジーチックなサビや、その後に続くピアノ伴奏をバックにファルセットによる歌唱が透明感を生み出し、そして大サビに戻ればダイナミックなオーケストラの演奏をバックに果てしなく広大な世界観を演出。

迷いがない筋の通った歌い方をしているせいもあるのかもしれないけど、ビックリする程果てしなく広い野原が脳内一杯に広がってきます。やっぱりこの人、確実にソングライターとしての技量も上がってきてます。




13.Remember When

Written:Avril Lavigne


前曲とは一転してのピアノバラード。
ストリングスののっぺりとした音もセットでくっ付いてきてて、ちょっとしたクラシックのよう。アヴリル流ポップバラードの王道をビシビシと突き刺してくるかのようなメロディーも相変わらず秀逸で、いつもよりも控えめというか、抑え目なボーカルも品があって非常に丁寧に作られてます。

それでいて後半からは更に一転してのロックバラードに化けてくるので、その熱唱部分との温度差がまた聴いてて凄く気持ち良い。グワーッと盛り上げるのが上手いですよね、この人は。

決して淡々としてないパワフルさが最大の売りポイントなのかなとは思いますが、それを差し引いてもまだ魅力充分な良曲。こういうのをシングルカットすれば良いのに。




14.Goodbye

Written:Avril Lavigne


前曲と同類のストリングスから幕を開ける本編の締めナンバー。
日本で言う鬼束ちひろ路線のバラードだな、という印象が非常に強いんですけれども、最後らしくアヴリルからの愛情がたっぷりと詰め込まれていて凄く温かみのあるハートフルな一曲になってます。

10代の少しツンツンしてた時代からは想像も着かない程、大人の包容力があるとでもいうんでしょうかね。寧ろ母性ですかwそういう、女としての愛がある曲。別れの唄なのに悲しさを感じないです。

これが実体験に基づいた歌なのかどうかは定かではないですけど、きっとハッピーエンディングだったんでしょうね。ある意味セカンドに収録されていた「MY HAPPY ENDING」での報われなかった別れを綺麗に作り直して良い終わり方にしたって感じ。

やや癖はあるものの、やっぱり曲自体は良く出来てます。




15.Knockin' On Heaven's Door

Written:Bob Dylan


ボーナストラック。とは言っても前々作「Under My Skin」からのリカットシングル「Nobody's Home」のオーストラリア盤やUK盤などには収録されてたものです。でもシングル版聞いた事無いんで、もしかしたら新しく歌いなおしてるのかもしれない。
ボブ・ディラン屈指の名曲のカバーで、国内外問わず多くのアーティストがカバーしている曲なので恐らく大概の人が一回は耳にしたことのあるような曲ではないかと思います。なので多くを書く必要性もないんですが、今作の雰囲気を壊さずにアコギ一本でシンプルに歌い上げてます。

結構古い曲ではありますが、そういうノスタルジックな空気感までもパッケージング出来てるというのはなかなかのもんじゃないでしょうか。シンプルだからこそ味があるというか、素材本来の持ち味を生かしてるというのか。

再録でガッカリした人もいるかもしれませんが、このオケなら再録でも個人的にはおkです。





全体評価。


約4年ぶりという、アルバムを出す枚数ごとにリリースする間隔も枚数と同じだけ開いてしまうアヴリル・ラヴィーンの4thアルバム。これだけ空いてしまったのはレコード会社の関係というのもあるそうで、実際はもっと早くに完成してたんだとか。

過去作含めて今作が最もパーソナルな部分を見せたとインタビューでも答えていたけれど、そういうテーマがテーマなだけにいつものようなド派手なガールズロックというのはやや影を潜めてバラードが多い一枚になってます。そこらへんで若干盛り上がりに欠けるというか、前作のポップさが気に入ってた人からはちょっと不満な所らしいけど、逆にデビューアルバムの雰囲気が好きだったという人には概ね良作という評判も。

まぁ、実際聴いてても万人受けするようなポップアルバムではないよな、っていうのは思ったし、What the Hell以外にももう一曲くらい同じテンションの弾けた曲が欲しかったっていうのは事実。そして出来ればもう少しバラエティー豊かだとありがたい。しかし、それとこれとは別にこういうシンプルなスタイルの方がアヴリルのライティング能力だとか歌手としての技量だとかは分かりますし、成長を感じるという意味ではもってこいの一枚。ドープなファンにはたまらないかと思います。

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