マンション偽装証人喚問。12月14日。
テーマ:ブログ姉歯さんの「鉄筋を減らさないと仕事干すって言うけどさ、違法な図面を出して検査で引っかかれば木村さん諦めてくれるかなあ」「通っちゃった。だったら僕、やるしかないじゃん。どうしてさ」みたいな裏ぶれた感じがなんともいえない証人喚問だった。初めに見たときから、「検査機関で見つけてくれれば僕はやらずに助かったのに」という思いがにじみ出ていて、私は子供達に「人間、仕事が取れない立場になると、他人の奴隷になるしかないんだからね」と、いつもの説教の新題材にして力をこめたもんだ。
万引きを友だちに強要されて「どうせ捕まらないんだから何を嫌がってるんだ」と脅される子供も、つるつるのタイヤで過積載してスピード違反するトラック運転手も、同じことを言いたいだろうと思う。「なんで見張ってくれないのよ。違法で成功する限り、俺も違法やらないとヒドイ目にあうんだ」ってね。
姉歯さんがなんで初めから全然自分が悪いって顔してないかというと、本人的には、「ちゃんと仕事がわかってる自分は違法なことまでやらないと家族揃ってホームレスなのに、一目でわかるものもわかんない検査機関がどうして堂々と営業成り立ってるのか。不公平ではないか。そういう不公平のために僕は犯罪やるはめになったんだ」という思いがあるからだろうと思う。
調査機関は法的に求められるチェックは全部やってるという。しかし、図面はプロなら一目でわかるものだという。つまりは、その法的に求められるチェックというのはド素人でもできるものか、業界の常識的にまずいことがあっても口を出すべきじゃない、法的に関係ないところが黙ってろよ、というプレッシャーが有効だったかだ。つまりは、ド素人か泥棒、どっちがやっても危険な結果になるようなチェックでいいと決めた奴がいちばん悪いんじゃん。侵せば大金持ち、守ればホームレス、というような法令を、チェックするのは素人だの泥棒だの。そういうシステムってヤバイの当然じゃん?泥棒に、泥棒したオマエが悪いって言っても、そいつが賠償できなきゃ終わりじゃん。人間、コストパーフォーマンスがよければ、一定の人数は泥棒やるよねえ。泥棒が割に合わないように法律作るんじゃん。
私としては、これは結局、データをチェックするシステムをちゃんと作らなかった国土交通省がいちばん悪いんだろうなあ、と思うけど、補償するとしたら、税金じゃなくて、国土交通省の公務員の給料で補償して欲しい。どこの世界に、失敗をした補償金をお客様(国民)に当然のごとく請求する企業があるのか。「保証金払うから製品の価格上げます」って聞いたことありますか? それで給料下がるのイヤな人はとっとと辞めてくれれば、待ちに待たれている国のリストラやっと進んで、税金の節約になるじゃん。役所は企業と違うから、っていうのなら、これを機会に省庁も民営化して欲しい。
しかし、この証人喚問は、たくさんの人がすごく期待してたみたいで、民放全局中継ですよ。私もしっかり見ながら録画までして、夜には家族で鑑賞しようって感じ。これだけの教育題材、ちょっと出ないわ。
他の登場人物について。ヒューザーの社長が「偽装を隠せ」と言い張ったセンスが、インチキ業界の立志伝の人物らしくて感心した。「この人は人生が有限だってことも、お金は使ってしまえば勝ちってこともよく理解してるんだな」という感じ。いわば、自分なりの人生観というか、哲学を究めてるといえる。結局、自分が生きてるうちにバレなきゃいいんだもんね。会社だって、どんな内容だろうと回していけてる間は、社長さんでいられるし、お金もかなり好きに使える。
けれども、もしインチキをしなかったら、自分は一生貧乏人。大きな会社の社長にもなれない。だったら、地震がくるまで派手に幸せに生活できたほうがいいじゃん?自分にとって。地震が来たら来たで、うやむやになってしまうかもしれないんだし。
人生とお金に対する世界標準の考え方はこっちじゃねえ? この人の考え方のほうが人間として元々考えることなんじゃないだろうか。
まあ、しかし私は自分としては赤の他人であろうが儲けよりも人の命のほうがずっと大事だと思うほうで、自分が株をもってる会社には、生命最優先でいてほしいと思う。つぶれたって投資金額が飛ぶだけじゃん。誰の命もかかってなくても会社なんて飛ぶときは飛ぶんだから、人の命のほうが大事。
でもそれは、余裕があるからなんだな。金持ちを夢見て夢見て、詐欺商法しか金持ちへのアプローチが思いつかなくて、バカな奴だからいいんだと人を騙して、そういう悪人だから世間から犬みたいに扱われて、という人生を送ってきてたら、「自分が金持ちになる唯一の方法なんだ。何が悪い」って気持ちになるだろうし、姉歯建築士だって、「自分が生きてける唯一の方法だったんだ、世の中が悪いんだ」って気持ちでしょうよ。
しっかし、私はさ、ずーーーっと思ってたわけ。どうしてパンパンに膨れ上がっていた建築業者の倒産がそれほどないのかなあ、って。不思議でならなかったな。違法なことをしなければホームレスになりそうな人って、この人たちだけじゃないよねえ。全然。木村建設だって、違法にやってたからガンガン稼げたわけだけど、もしやってなかったら普通に生きてこれたってことはなくて、大昔に倒産してたでしょうよ。ということは、もしかしたら、建設業者の三割近くがつぶれるのは自分たちの縄張りとしてまずいと考えた国交省が半分意図的に目をそらしてたってことだってありえるよ。わざわざ目をつぶると責任を追及されるけど、はじめっから見えてないことにすればいいじゃん。みんなそろって。現在危ないのは自分たちの大切な縄張りで、バレる時だって「見えてなかった」で済んで、「給料返せ」って言われるわけでも国が倒産するわけでもない。どっちにしろ自分は安泰なんだから、業界が大きいままに温存されたほうがおいしかったとかさ。
どっちにしろ、最低なのは倒産も減給もリストラも無い役人。考えてみればさ、「俺達は死ぬほど働いてるのに違法行為をしなきゃホームレスになるところまできているのに、公務員は何のリスクも無く、ものすごい額の給料が一生保証されてる」って思ったら、「こんな世の中知ったことか」って気持ちになりそうだよね。泥棒を責めるのもいいけど、じゃあ正義が通る世の中なのか、法律を守ることに誇りを持てるのか、というと、いちばん国民の模範になってほしい人たちが自分たちだけよけりゃあいい、法律は自分たちの味方だから泥棒する必要ないだけ、って状況じゃあ、ぎりぎりのところで踏みとどまれるほどの正義なんて行き渡るわけないじゃん。
だいたい、ものすごい過当競争で必ず誰かは、しかもかなりの数の会社が倒産しなきゃならないのに、会社更生法とかいって、倒産してるはずの会社を生き返らせてるんだから、他の会社は頑張りがいもないよねえ。頑張っても、贔屓されてるところはつぶれないですんで、自分のところがつぶれなきゃならなくなる確率がそれだけ上がるんだから、建築行政、どこにも正義なんかない。上のほうの人たちは安楽にやってるのに、そこでオマエは路頭に迷うまでマジメにやれって言われても、って感じじゃねえ?
昨日の朝のこと。太郎に先に起きてシュウマイを揚げてもらい、次郎を布団の中でだっこしながら起してたら、仕事が終わった太郎が戻ってきて、ぼーーーっと枕元に立っていた。で、次郎を顔洗いに行かせると、布団に入ってきた。朝、起されるときのだっこが物足りなかったんだろう。中学にもなって、だっこの順番を待ってぼーーーーっと待ってる様子がおかしくてかわいかった。
今日の晩御飯はちゃんぽん風うどん。









1 ■TBありがとうございます
>「なんで見張ってくれないのよ。違法で成功する限り、俺も違法やらないとヒドイ目にあうんだ」
至言ですな。
こういう人間と、「ばれないからOK」という人間との戦いが、いつでも行われているようです。