動画講座のLP(ランディングページ)のコピーを作る仕事をA社から請け負った。動画講座は、テーマに合わせて専門家が解説し、それを録画してDVDにしたものだ。その数は30以上あった(つまり、30以上のLPのコピーを作らなくてはいけない)。

 

ある日、担当者から「Kさんの講座はもう作らなくていいです。理由は、販売協力してくれないからです」との連絡をいただいた。販売協力とは、講師自身が有するメルマガやWEBサイトなどで宣伝するという意味だ。Kさんは、どうやらそれに非協力的だったらしい。

 

この連絡をいただいたとき私は、この担当者は人の気持ちを推量できない人なのだなと直感した。なぜなら、Kさんは自身のサイトでも全く同じ講座を販売しているからだ。別の会社で販売するよりも、自身のサイトで直接販売したほうが身入りはいい。利益が減ると分かっている宣伝活動に非協力的なのは当たり前の話である。それに、販売活動に尽力するのは講師の仕事ではない。A社の仕事だ。Kさんをはじめ、講師は専門知識を提供する、それを商品化して販売するのはA社。そういう役割分担のはずだ。それを「販売協力してくれないから、LPはもう作らなくていい」というのは、いくらなんでも横暴だ。

 

こういう人は、トラブルがつきものである。本人は、相手が悪いと思っているだろうが、そうではない。知らず知らずのうちに、非礼を働き、誰かを不快にさせている。真に横暴な人間は、自分のことを横暴だと自覚していない。だからこそタチが悪い。

 

私も、この担当者から度重なる非礼を受けた。遠回しにも直接的にも「失礼ですよ」と伝えたが、本人は何を怒られているのか、私が何に怒っているのかさっぱり理解できていなかった。そういうものである。道義や節度は、大人になってから身に付けさせるのは、ほぼ不可能なのだから。

 

案の定、私はこの担当者と決裂した。私が納品したLPの原稿15のうち7つを10カ月も使わず放置されたのだ。「○月中にアップしてください」と催促したところ、「自分は努力している」「あなたは無理な催促をしてきている」と文句を言われる始末。

 

担当者なりに頑張っていたのかも知れない。それを嘘だと言うつもりはない。ただ、仕事は頑張っていれば許されるというものではないことは、それなりの人生経験を積んだ人間なら分かるだろう。納品したLPの原稿を10か月も使わなかったのは紛れもない事実であり、それを「頑張っているんだから文句を言うな」と言われても私は困る。何より、私はこの仕事を成果報酬型で請け負っていのだ。つまり、放置されれば、私への報酬は発生しない。

 

そもそも、成果報酬型は担当者がそうして欲しいお願いしてきた話だ。話を持ってきておいて、そんな対応をされれば、怒るのは当たり前である。だが、担当者にはそれが分からない。そう、Kさんの時のように、人の気持ちや状況を推量することができないからである。10ヶ月間辛抱して催促した私を非礼と言う人に、これ以上何を言っても私の気持ちは伝わらないだろう。

 

ちらみに、10ヶ月間も使われなかったLPの原稿7つのうち5つは、Kさんの商材だった。販売協力してくれなかったため、売る気が失せたのだろうと推測する。

 

私も反省するところがある。「納品後、○ヶ月以内にアップすること」という一文が入った契約書を結ぶべきだったし、手付金ぐらいはもらっておくべきだった。相手は大企業だったため、まさかこのような非礼を働くとは露程にも思わなかった。油断した。会社が大きかろうが有名だろうが、仕事をするのはあくまでも担当者とだ。この点を見落としていた。

 

少しでも、「あれ、この人ちょっと変だな。それは筋が通らないぞ」と思う感触を持ったら、後々トラブルになる可能性がある。ぜひ、私の失敗談を参考にして、同じ轍を踏まないでほしい。