ドラゴン・タトゥーの女 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督 デヴィド・フィンチャー

原作 スティーグ・ラーソン

脚本 スティーヴン・ザイリアン

撮影 ジェフ・クローネンウェス

編集 カーク・バクスター、アンガス・ウォール

出演 ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー

2011年 アメリカ/イギリス/スウェーデン/ドイツ

 

本作は、大物実業家から、40年前に失踪した孫娘の調査を依頼されたジャーナリストの
ミカエルが、パンクファッションに身を包み、ボディピアスにドラゴンのタトゥーを背中に入れた
女調査員リスベットの協力を得て、事件の真相に迫っていくサスペンス小説「ミレニアム」
3部作の第1部「MAN SOM HATAR KVINNOR(女を憎む男)」を映画化(TVドラマを映画用に
編集)したスウェーデン版(2009年制作)に続いて、「セブン」のデビッド・フィンチャー監督に
よってリメークされたハリウッド版です。
原作のミカエルとリスベットの活躍度が7対3、スウェーデン版が5対5だったのに対して、
本作は3対7でリスベットを超人的なヒロインとして際立たせており、リスベット役に
大抜擢された新人女優のルーニー・マーラが、 スウェーデン版のノオミ・ラパスに
勝るとも劣らないリスベット像を創出していますが、その煽りを食ったミカエル役の
ダニエル・クレイグが、損な役回りを演じる羽目になり、脱ジェームズ・ボンドの布石を
打つまでには至りませんでした。

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
最近のリメーク作では上出来の部類で、ビジュアル面での面白さはスウェーデン版を
凌いでいますが、リスベットのアウトローとしての性格を形成した幼少期のトラウマや
仲間からリンドグレーン作の「名探偵カッレくん」の愛称で呼ばれているミハイルの性格描写、
スウェーデンの暗部を描いた原作者のジャーナリスティックな視点が掛けており、
スウェーデン版よりもストーリーが分かり辛いのが減点材料でしょうか。

スウェーデン版は、同じ役者で第3部まですべて製作されましたが、
デビッド・フィンチャーには、その才能をリメーク作ではなく、
新たなオリジナル作品に生かして貰いたいものです。

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