ベストセラー小説の映画化 『八日目の蝉』『白夜行』 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
監督 成島出
原作 角田光代
脚本 奥寺佐渡子
撮影 藤澤順一
出演 井上真央、永作 博美、渡邉このみ、小池 栄子
2011年 日本

あのさ…
前に蝉の話 したよね
七日で死ぬより
八日目の蝉の方が悲しいって
私もそう思ってたけど違うかもね
八日目の蝉はさ
他の蝉には見られなかった
何かを見られるんだもん
もしかしたら それ
すごく 綺麗な物かもしれないね


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督・脚本 深川栄洋 
原作 東野圭吾
脚本 入江信吾、山本あかり
撮影 石井浩一
編集 坂東 直哉
出演 堀北 真希、福本史織、高良 健吾、今井 悠貴、船越 英一郎
2011年 日本

私はいつも夜だった
でも暗くはなかった
太陽に変わるものがあったから
明るくはないけど
私には十分だった


テレビドラマ化もされた角田光代『八日目の蝉』と東野圭吾『白夜行』
二つのベストセラー小説を映画化した作品を、DVDを借りて鑑賞しました。
どちらの作品も、文化芸術振興費補助金制度に応募して、
37の劇映画から選ばれた作品ですが、八日目の蝉』5000万円、
『白夜行』2000万円の支援金額の差が示すとおり、脚本、演出、役者、
全てにおいて『八日目の蝉』の方が優れていました。
『八日目の蝉』は、虐待のニュースが連日のように報道されている現代社会で、
希薄になっている母性愛や、家族とは何かを考えさせてくれるタイムリーな作品で、
『白夜行』も、不幸な子供時代をすごした主人公の悲しいドラマが孕んでいて、
原作の緻密なストーリーの面白さに助けられて、2時間以上の上映時間が
苦になりませんでした。残念だったのは、『八日目の蝉』は、
“父親も母親も娘を大事にしよう”と歌う、ジョン・メイヤーの『Daughters』が
BGMで挿入されていますが、美しい日本の風景が印象的な本作の映像には
マッチしていなかった事と、『白夜行』は、堀北 真希と高良 健吾のフレッシュな
若手と粟田 麗が艶な演技で、良い雰囲気を作ってくれたのですが、
船越 英一郎のTVサスペンス風な相も変わらぬベタな演技が、それらを全て
台無しにしてしまった事でしょうか。それと『白夜行』もそうだったのですが、
日本映画を観ると、技術的な問題なのか、役者の発声に問題があるのか、
台詞が聞き取りにくい事があるので、『八日目の蝉』の特典にあったように、
ビデオ化された時には、日本語字幕が表示できるようにしてほしいですね。

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