監督・脚本 クラウス・ハロ
原案・脚本 ヤーナ・マッコネン
撮影 トゥオモ・フトゥリ
出演 カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン
2009年 フィンランド
終身刑で12年間服役していたレイラに恩赦が下され、
フィンランドの寂れた村に一人暮らす盲目のヤコブ神父に届けられる
悩みの手紙を代読する仕事を嫌々引き受ける事になる。
最初は仕事を馬鹿にしていたレイラだが、ある事件を境に、
手紙が突然届かなくなってから、体調を崩しはじめた神父の姿を見て、
彼も手紙によって救済されていたことに気付き、閉ざされていたレイラの
心に変化の兆しが現れる。
届いた手紙の送り主に返事を書くことを拠り所にしている神父と、
人とのコミュニケーションを絶たれていた女囚人の孤独な魂の
救済をテーマに、キリスト教における無償、不朽の愛である
アガペーの愛を描いた作品ですが、宗教臭い押し付けがましさは
全くありません。
75分という短い上映時間に、神父と女囚人以外に郵便配達人だけが
絡むだけのシンプルな構成ですが、伝わって来るメッセージは濃厚です。
本作品を観た後に、フェリーニの『道』の有名な台詞を思い出していたのは、
私だけでしょうか?
「Non lo so a cosa serve questo sasso io,
ma a qualcosa deve servire.
Perche' se questo e' inutile allora e' inutile tutto.」
「この石ころがなんの役に立つのか僕には分からない、
ma a qualcosa deve servire.
Perche' se questo e' inutile allora e' inutile tutto.」
「この石ころがなんの役に立つのか僕には分からない、
でもきっと何かの役に立つはずだ。
なぜなら、もしこの石ころに意味がないなら、
なぜなら、もしこの石ころに意味がないなら、
全てのことに意味はないのだから。」
出典:mixiコミュニティ「フェリーニFederico Fellini) 」