監督・脚本・編集 是枝裕和
撮影 山崎裕
音楽 くるり
出演 前田 航基、前田 旺志郎、内田伽羅、オダギリ ジョー、大塚 寧々
夏川 結衣、阿部 寛、長澤 まさみ、樹木 希林、橋爪 功
２０１１年 日本
鹿児島発の“さくら”と博多発の“つばめ”が初めて擦れ違った時に
凄いエネルギーが生まれて、それを見た人は、流れ星を見たときと
同じように願いが叶うと信じた子供たちが、『奇跡』を求めて
電車を乗り継いで小旅行する話をメインにした人間賛歌で、
九州新幹線全線開通を記念して製作された企画物の作品です。
題材自体はファンタジー性を帯びていますが、是枝裕和監督は、
この世に生まれてくる確立が、「１億円の宝くじに１００万回連続して
当たったのと同じ」（筑波大学名誉教授村上和雄）人そのものを
『奇跡』と捉えて、人と世界の関わりを日常的な視点で描いているので、
劇的な終幕を求める人には期待はずれの内容と言えるでしょう。
『スタンド・バイ・ミー』のように、子供たちの冒険だけに集約して
描いていれば分かりやすい映画になったと思うのですが、
それを取り巻く大人たちの営みにも目をやっているので、
ストーリーが全体に散漫になってしまっているのが惜しまれます。
救いは、『誰も知らない』同様の子供たちの自然な演技で、
特に主役のまえだまえだ（『エンタの神様』で最年少出演。）は、
漫才同様のボケとツッコミが冴え渡り、映画全体をほのぼのとした
雰囲気に作り上げることに成功しています。
まえだまえだ
まえだまえだ
出典：nabe505.at.webry.info
そしてもうひとり、本作の収穫は、出演者の樹木希林が無理やり
オーディションを受けさせて出演が決まった、本木雅弘の長女で
孫に当たる内田伽羅（１１歳）です。
彼女がいるだけで華やいだ雰囲気になるのは、やはり役者の
血を受け継いでいるからなのでしょうか。将来が楽しみな逸材です。
内田伽羅
出典：blog.so-net.ne.jp
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