小さな村の小さなダンサー | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督 ブルース・ベレスフォード

原作 リー・ツンシン

脚本 ジャン・サーデン

撮影 ピーター・ジェームズ

出演 ツァオ・チー、ブルース・グリーンウッド、カイル・マクラクラン

2009年 オーストラリア



ヒューストン・バレエ団のプリンシバルだったリー・ツンシンの
自伝を映画化した作品です。
中国山東省の貧しい農家に生まれたツンシンが、
11歳の時に、500万人に1人という難関の北京舞踏学院で、
バレエの英才教育を学ぶ生徒に選ばれ、1979年の米中国交樹立の年に、
バレエ研修で渡米することになります。
「君が見るのはアメリカの一部だ。いい部分だけ。
本当の姿はなかなか目に触れない。誰も信じるな。
特に女性は堕落への道だ。
忘れるな、 君は中国と中国人の代表だ。」と
政府要人に念押しされながら、アメリカ人(エリザベス)と恋に落ち、
アメリカで本当のバレエの魅力を知ったツンシンが、
毛沢東第4夫人で文化大革命4人組のひとりだった江青が
推し進める革命的バレエを強要する中国に戻るのを拒否して、
エリザベスと結婚、亡命を決意し、バレエのために国と家族を
捨てる苦渋の決断をします。

(ここからネタバレあり)

映画は、当時の中国の政治状況、ツンシンの生い立ちや家族との絆を
駆け足で描いて、一流のバレエダンサーに成長していく姿がメインに
なってしまっているので、数年後にアメリカのバレエ公演にサプライズ招待された
両親との再会場面が、もうひとつ盛り上がりに欠ける結果になってしまいました。
ツンシンは、亡命から一年後にエリザべスと離婚して、
現在は、オーストラリア最大の証券会社でマネージャーをしているそうですが、
最終的にはバレエをも捨ててしまっているので、ツンシンを渡米させる際に、
中国政府が危惧していた、資本主義の誘惑に負けてしまったというのが
本当のところではないでしょうか。

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