世界で約10億人もの患者がいるといわれる高血圧症。それ自体には自覚症状がなくても命にかかわる病気の原因となり、「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれる。食塩の取り過ぎ、糖尿病、ストレス、運動不足などが要因とされている。高血圧が原因の脳出血で倒れた、漫才師の宮川大助さん(59)も「ご主人が倒れると家族を大変な目に引き込んでしまう」と、特に働き盛りの男性にアピールする。(草下健夫)

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 「右の後頭部でバチッと音がした。その瞬間、火災報知機が鳴ったというか、セミが5千匹ぐらい体に入ったような感覚で体が鳴り出した。終わった、と思いました」

 ≪家族の警告的中≫

 平成19年2月5日、宮川さんがダンスの稽古(けいこ)の合間に座って水を飲んでいると、突然こんな症状に襲われ、即入院となった。

 「塩分の取り過ぎでした。漁村育ちのせいか、子供のころの食生活の辛(から)さが味の標準になり、みかんにまで醤油(しょうゆ)をかけた。高校では血圧が一番高く、『初めて人に勝てた』って喜んだけど…」

 結婚すると妻、花子さんの母から「なんぼなんでも醤油のかけ過ぎ。そのうちひっくり返る」と驚かれたが、好物の明太子スパゲティに塩を振りかけるなど“激塩”生活を続けた。結局、1カ月の入院とその後の通院を余儀なくされた。

 ≪年齢とともに割合増≫

 高血圧は、腎臓病やホルモン関連など別の病気が原因のものを除くと、食塩の取り過ぎ、遺伝的要因、加齢による血管老化、糖尿病、ストレスや過労、運動不足、肥満、喫煙などが要因といわれる。

 高血圧が続くと、それに耐えるため血管が厚く硬くなる動脈硬化を起こし、血液が流れにくくなって血圧はさらに上昇。全身の臓器に負担がかかり、脳出血や脳梗塞(こうそく)、心肥大、心筋梗塞、狭心症、腎機能の低下といった合併症のリスクが高まる。

 日本高血圧協会の荒川規矩男理事長(福岡大学名誉教授)は「全国で約4千万人が高血圧症といわれるのに、半分は治療を受けていない。そしてある日、突然倒れてしまう。宮川さんもその一人だった」。

 高血圧は年齢とともに割合が高まる。男性が多く、特に30代で女性の約3倍、40代で約2倍に上る。

 ≪減塩心がけて≫

 血圧を戻すには食事や運動など生活習慣を変えることや降圧剤が有効。「とりわけ日本人は欧米人に比べて塩分の多い食生活を送っている」と、荒川理事長は減塩を強く勧める。

 「日本人は今も1日10グラムを超す塩分を取っているが、世界的に6グラム未満が推奨されており、それでかなり防止できる。6グラムは患者だけが守るべき数値との誤解があるが、誰でも心がけてほしい」と荒川理事長は注意喚起する。

 復帰した今も後遺症を抱える宮川さんは「忙しくて健康管理ができず、症状もないから突っ走っていた。そして、いきなり車輪が外れて脱線した感じでした」と“サイレントキラー”の怖さを訴える。その上で「高血圧は食生活を中心に、心がけで防げる。皆さんも気をつけて」と呼びかけている。

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 ■「白衣」「仮面」に注意

 病院で測ると高血圧なのに、家で測るといつも正常血圧-。こんな状態を「白衣高血圧」と呼ぶことがある。病院で測ることの緊張が血圧を高めるためだが、真性の高血圧に移行するリスクが高いとも言われている。

 逆に、病院での血圧は正常なのに家などでは高血圧の場合を、診察時には分からないという意味で「仮面高血圧」という。家庭での血圧測定が特に重要になる。病院に行くことで職場のストレスから解放されて正常血圧となる「職場高血圧」も、この一種と言われている。

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