今夜は彼女と神楽坂で待ち合わせ。
目的のお店は、スパニッシュの名店、『エスタシオン』。
でもその前に、神楽坂の裏道をちょっと散策。
まず向かったのは、かくれんぼ横丁。
場所を確認したいお店があるのだ。
それは、2月16日に開店したばかりの、豚肉専門のイタリアン、『エノテカ・エ・マイアーレ・レグス』。
黒塀に掲げられた表札には、『レグス』の名前と豚とワインを組み合わせた絵。
次に向かったのは、芸者新道。
神楽坂芸者の英子(ひでこ)さんが経営するバー、『英(えい)』。
先日『しゅうご』に届けられたお花で知ったお店で、ここにもいずれ来たいと思う。
そろそろ目的の場所に向かうとしよう。
神楽坂を渡り、見番横丁に向かう。
見番横丁から熱海湯階段に抜ける。
階段の途中にあるのが今夜のお店、『エスタシオン』。
人気のスパニッシュのお店である。
店のドアの前には干し肉がぶら下がっている。
彼女は臭いを嗅いで、「これ、本物よ」。
野堀シェフに聞くと、いずれスープに使うのだそうだ。
テーブル席が10、カウンター席が6の小さなお店。
今夜も満席なのだそうだ。
私達の席はカウンターの一番奥、シェフの真ん前。
最初はカタルーニャ州ペネデスのスパークリング、ラヴェントス・イ・ブラン、コンカ・デル・リュ・アノイア・デ・ニート、2015年。
ご存知の方には「それならカヴァでしょ」、と言われそうだが、自由なワイン造りを行うためカヴァから脱退した造り手なのだ。
ラヴェントス・イ・ブランは1497年創業で、現当主は18代目。
カヴァの確立に尽力してきた名門である。
活き活きとしたミネラルと酸のバランスが素晴らしい辛口。
ぶどう栽培はビオディナミ、18ヶ月以上の瓶内熟成を経てリリースされている。
セパージュは、マカベオ37%、チャレロ37%、バレリャダ18%、モナストレル8%。
スペインの全ての三ツ星レストランで採用されているそうだ。
何時ものスパークリングのお供。
私達が注文した料理を忙しく準備される野堀シェフを邪魔しないように、シェフとの会話は控え目に。
白ワインもグラスでお薦めをお願いする。
ナバラ州のセニョーリオ・デ・サリアが造る、ヴィニェードNo.3、シャルドネ、2013年。
このナンバーはぶどう品種ごとに付けられているようで、No.4はメルロー、No.5はガルナッチャ(ロゼ)、No.7はグラシアーノ、No.8はマスエロのようだ。
濃い透明感のある黄金色。
パッションフルーツやパイナップルのニュアンス。
強い果実の熟成感を持つシャルドネだ。
最初の料理は、高知県産鰤の軽い炙り、アホブランコソース。
鰤は軽く燻製をかけ、目の前でバーナーで炙って出された。
鰤は脂がのって美味しく、軽い薫香も心地良い。
神楽坂の人気のスパニッシュ、『エスタシオン』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。