田中さん、ありがとう^^ | ストロングスピリット柔術

ストロングスピリット柔術

ヒクソン・グレイシー柔術連盟AXIS公認支部。東京、高円寺にてグレイシー柔術教室を開講。池袋・武蔵境にて初心者向けの護身術教室を開講。未経験の為のグレイシー柔術(ブラジリアン柔術)の教室ブログです。

長文ですのでお読み頂ける方だけ目を通して頂ければと思います。

アクションクラブパスガードの代表であり、ストロングスピリット柔術の生徒さんである。
田中清一さんが、9月1日にお亡くなりになられました。

あの日から一週間が経ちました。
ストロングスピリット柔術代表として、また柔術の仲間・友人として
何か言葉を発しなければと思いつつ、
なかなか言葉が見つからない日々を過ごしていました。
思い出は尽きません。
田中さんの笑顔が姿が浮かぶ毎日です。

田中さんはとっても優しく、いつも「ありがとうございます」と言って下さる方でした。

田中さんとの出会いは10年以上前のアクシス柔術アカデミーの頃にさかのぼります。
私は今も昔も柔術の研究をするのが好きで、
そんな私のレッスン後の自主練に田中さんは快く相手をして下さっていました。
私は田中さんがいれば毎回の様に「お願いしていいですか?」と聞き。「はい!」と笑顔で答えてくれました。
何回も何回も繰り返す練習を一緒になって考えながら時間を忘れ夢中になってやってくれました。
練習後、田中さんへありがとうと伝えると
必ず「こちらこそ、勉強になりました。ありがとうございました。」
とありがとう返しを受けます。
そんな日々の中、
いつ頃でしょうか?田中さんの姿を見なくなりました。
実はその頃、田中さんはアクションのお仕事や勉強で海外に行ったりお忙しい毎日を過ごし、
柔術の練習に来れない状況だったそうです。
それから月日は流れて行きました。

そんなある日の事です。
街を歩いていた私は目の前に見覚えのある顔を発見しました。
一瞬、お互いに目が合い、田中さんと嬉しい再会を果たしました。
近況を聞くとアクションクラブを作って教えているとの事でした。
連絡先を交換し、二人で飲みに行く事になりました。
田中さんはアクションの事や近況を話す中で
「今でも柔術の練習に行く夢を見るんです。柔術やりたいです・・・」と
柔術を途中断念した事を悔しいと語ってくれました。
私は「いつでもアクシスに来て下さい。またやりましょう」と告げました。
田中さんは芸の世界に生きる人です。
途中で離脱してしまったアクシスに顔向け出来ない気持ちを持っていました。
その後、アクシスに復帰される事はありませんでした。

それから一年以上が経ち、
私は高円寺で柔術教室を始めました。
するとまたもや偶然、田中さんとバッタリ再会しました。
私は高円寺教室の事を話ました。
すると「教室に通わせて下さい。また柔術をやりたいんです!
ただ・・・長年のアクションで両膝を壊してしまい
出来ない事もありますがご迷惑ではないでしょうか?」と言って下さいました。
私は「もちろんです!出来ない事は別でカバーしましょう。
こちらこそ来て頂けたら嬉しいです。一緒にやりましょう!」
と答えました。

それから直ぐに田中さんはストロングスピリット柔術に合流して下さいました。
田中さんは誰に対しても優しく威張る事なく
謙虚な姿勢で接してくれました。
柔術に対しても純粋な興味を持ち真面目に楽しく練習されていました。

田中さんには目標がありました。
柔術を取り入れた新しいアクションを創る事でした。
日本のアクションの絞め技や関節技は見よう見まねで迫力が伝わらない。
本物を取り入れたい!とおっしゃっていました。
私も全面協力を約束しました。
先ずは田中さんのアクションクラブに行って柔術講習会を行いました。
そのうちアクションクラブの生徒さんがストロングスピリット柔術に
体験に来て下さったりと交流が始まりました。
田中さんの盟友・柴田さん、お弟子さんの岸本さんは
ストロングスピリット柔術の仲間になってくれました。
田中さんと私はお互いに助け合い上を目指そうと約束しました。

田中さんは柔術護身術体験会を手伝ってくれたり、
練習後の掃除、片づけを率先して行ってくれたりと
いつも裏方としてもサポートしてくれました。
私にとっては心強い存在でした。

ある時、護身術体験会の依頼者である高山さんが新しい企画がないか
悩んでいました。
私はピンときました!
田中さんの技術をより広めるチャンスだ!と思い
アクション体験会を田中さんに打診しました。
すると二つ返事で承諾してくれました。

田中さんはこの企画に向け、色んなアイデアを考えいました。
とても難しいデモンストレーションを披露する為
一生懸命みなさんと稽古をしてくれていたそうです。
反響も良く。多くの方が申し込みをしてくれていました。
いよいよ間近にせまる体験会を前に、
高山さんには「楽しみにしていて下さい!」
私には「がんばります!ありがとうございます。」とメールで告げてくれました。
私も高山さんも当日は思い切り楽しもうと思っていました・・・

その翌日、柴田さんから連絡がありました。
田中さんが日中倒れられ意識不明で病院に搬送されたと・・・
次の日の午後、私は病院に向かいました。
田中さんは一命を取り留め意識の回復を待っている状態でした。
何もしてあげられる事がない私は「がんばって下さい、待ってますから」
と耳元で告げ帰って来ました。

その日の夜、急変し田中さんはお亡くなりになりました。



田中さんと私は柔術という絆で繋がっています。
偶然の連続で何回も再会した事、
再び一緒に柔術が出来た事は運命以外の何物でもありません。

一つの事を貫く強さ、誰にでも与えられる優しさは
私がこれから田中さんから勉強させて頂く事でした。
年下で未熟な私をいつも先生として礼儀正しく接してくれました。

そういえば、二か月程前の事です。
私はどうしても研究したい柔術の技術があり、
田中さんに連絡をとりました。
すると「お願いします。やりたいです。」と言って下さいました。
その時もお互い時間を忘れ、同じ動きを何度も何度も繰り返し、
一緒に考えながら夢中で柔術をしました。
気がつけば三時間以上たっていました。
「田中さん、やっぱり柔術は楽しいね!」
「はい!」
と二人で笑いました。
私達はあの頃と変わらない事を嬉しく感じていました。
「またお願いします。ありがとうございました。」
と告げるとやはり
「勉強になりました。ありがとうございました。」
といつもの様にありがとう返しを受けました。

なのにもうお願いする事が出来ません・・・
私は「もっと一緒にやりたかったよ!」と言いたいです。

でも心配するだろうから言葉を変えます。
「特例だけど黒帯渡すから、向こうで練習しながら待っててね、
また柔術しよう!
それとストロングスピリット柔術を生徒さんのみなさんをどうか見守っていて下さい。
本当にお世話になりました。
ありがとうございました。」
とお伝えします。
きっと田中さんは「こちらこそありがとうございました。」
といつものように優しい笑顔でありがとう返しをしてくれていると思います。



アクションクラブパスガードのみなさんへ

田中先生には大変お世話になりました。
先生はストロングスピリット柔術を愛してくれました。
チーム名のパスガードとは柔術用語です。
相手の防御も攻撃も突破するという意味です。
きっとどんな事も諦めず、突破しろよ、がんばりましょう!
という気持ちが込められているのだと思います。
これからのみなさんのご活躍を心より応援しています。
そして今後も協力・交流よろしくお願い致します。


思い出のフォト集


パスガードにお邪魔した私に嬉しそうにお弟子さんのお話をして下さいました。


護身術体験会では受けをしてくれました。


お弟子さん達が体験に来てくれました。


田中さんのお弟子さんに絞められております^^;


田中さんの盟友柴田さん・お弟子さんの岸本さんが爆笑中!


お弟子さんのスファさんに絞められる柴田さん


師弟で柔術!


まるで兄弟の様なお二人(田中さんと柴田さん)


熱心に柔術研究!


愛弟子とアクションポーズ!


お弟子さん達と腕十字の練習中


パスガードのみなさんと交流!


ストロングスピリット柔術のみんなと笑顔で!