サンフランシスコに住んでいた時、彼と弟は思い立ったようにブラジル料理を作ることがあった。ピザ屋に勤めていた時には、材料を持ち込んでピザ屋の厨房で大量に作ってはみんなにご馳走していたようだ。その料理はブラジル人はもちろん、ピザ屋で働いてるアメリカ人や中国人にも好評でみな口々に
「ブラジル料理屋をオープンしろよ」と言っていた。
わたしが初めてブラジル料理を食べたのは、10年以上も前に東京の渋谷で当時できたばっかりの「シュラスコ屋」。いわゆるお肉の食べ放題で、外人ウェイターが要らないと言うまで、いろんな種類の肉の串刺しをスライスして回るという形式。
でも、はっきり言って不味かった。味はないし、生焼け。
そいう記憶があったので、彼らがブラジル料理を作ると言った日も全然期待してなかったのだけれど、出来上がった料理は、日本で食べたシュラスコとは格段に味が違う。もともと牛肉が好きではなかったわたしでも
「美味しい!」という言葉が自然に出て来た。
和牛って霜降りになってたりして柔らかいから、そうそう肉に下準備が必要でないし、固い肉の場合、日本は紙切れのように薄くスライスしてあるから、噛み切れないことはないけれど、アメリカやブラジルの牛肉は赤味と脂身がしっかりと分かれてるから、下準備をしないと食べれたモンじゃない。ブラジルの基本的な薄目のステーキの作り方は、しっかりと包丁でたたいて、下味は、ニンニクのすり潰し、塩、コショウ、レモン(ライム)でしっかりつける。これをウェルダンに焼いて仕上げにタマネギのスライスを加えて甘みを出す。
ところで、みなさんは、ブラジル人はお米を主食としているのをご存知でしょうか?わたしにとってはありがたいのですが、お米は日本米とは全然違って、タイ米のようにポロポロしてます。というか、ブラジル人にとってお米が一粒ずつポロポロ分かれているのが上手に炊けた証拠。日本のチャーハンの作り方に似てます。
まず、油を多めに引いた鍋にニンニクのすり潰しを加えて香りを出し、洗ったお米を加えて炒めます。これにお湯を加えて、沸騰したら塩を加えて炊くというより煮ます。炊き上がりはなかなか美味しいです。
あと、ブラジル料理で忘れてならないのが
「フェィジォン(豆)」。うずら豆(黒豆)を圧力鍋で煮た後、ニンニクをすり潰したものを油で炒めて豆を加え塩、コショウで味を整えたもの。
昔、テレビでラモスが久々にブラジルの実家に帰るという特集があったのですが、ラモスはお母さんの手作りの「フェィジォン」を楽しみにしていて、帰るなり、ご飯にこれをかけただけのものを「美味しい、美味しい」といって食べていたのを見ると、彼もかなり貧しい出のようです。
というのも、貧しいブラジル人家庭ではお肉を買うお金がないから、ご飯にフェィジォンをかけただけのものを食べています。
ちなみに、ブラジル人のもっともお気に入りのシンプルランチは、ご飯、フェィジォン、ステーキ、サラダ(必トマト)。日本人にとってのご飯、お味噌汁、焼き魚、冷奴といった感じでしょうか。
ブラジル料理は、基本の味付けが同じなので、一皿に全部乗せて、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べます。当初は、見た目が汚いから日本人としては抵抗があったけど、混ぜて食べると美味しいことに気づいてからは、もちろんわたしもぐちゃぐちゃに混ぜて食べるようになりました。
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