クラブに出掛ける前に、水着を持って来ていない友人にわたしの予備のビキニを渡すと、
「ゲッ!こんなに小さいの~?!」
「あれ?それでもお店の中で一番大きいのを選んだんだよ。(笑)」
女性の皆さん、ブラジルであんまり露出したくない方は、水着の現地調達は危険です。
ということで、前回の続き。
ウキウキ軽い足取りでクラブ内に到着。
丁度、お昼という事で、取り敢えず軽く何か食べる事にした。小さなカウンターだけの売店で友人と日本語であれこれ迷いながら話していると、聞き慣れない言葉に周囲の人達が耳をダンボにしつつ、あからさまに私達を見ているのが分かった。クラブ内は会員制なので変な泥棒はいないことは分かっていても、ブラジルで安全のためになるべく目立つ行動を避けていたわたしはちょっと戸惑って、早速カウンターの席で缶ビールを飲んでいるうちの人の所に寄って行った。
うちの人と英語で何を注文するか話していると、今度は皆の注目がうちの人へと移った。その目は「アメリカ人が外国人の女性を二人も連れてうさんくさい」とするどい目付きだった。うちの人は、かなり流暢に英語をしゃべるから周囲の人達は彼をアメリカ人だと思ったようだった。けれど、注文が決まり、どっから聞いても母国語で彼が店員に注文すると、周囲の男性達の目が一瞬にして「やつはブラジル人だったのか!すごい!」という尊敬と嫉妬の眼差しに変わっていた。
やっと注文したものをもらって、わたしは彼の隣のカウンター席に座り、友人は売店に近いベンチへ腰を下ろして早くプールに行こうとパクパク食べていると、うちの人が誰かと話していた。ふと相手の顔を見ると、こんなところで最も会いたくない知合いのクラウジオ。。。
彼とはサンフランシスコに居た頃からの顔見知りだったが、裕福な家の息子である彼はサンフランシスコでもフラフラしてて、パーティーに明け暮れていた。ブラジルに戻った今も、親のくれたアパートを賃貸にして働かなくても生活できたから、忘れた頃にうちのサロンにだべりにやって来る。クラウジオは、わたしと目が合うと、
「あの子は友達?シングル?シングル?シングルだよね?」
とシツコイくらいに同じ事を繰り返して言うから、「彼女はレズビアンで男に興味はないの!」と言っても目をハートにして「紹介して!紹介して!」と繰り返す。厄介なので、早く食べて場所を移そうと伝えるために友人の方を振り向くと!
げっ!既に変な男二人に絡まれている!!!
二人の男はいかにもナンパ慣れしてそうな勘違い野郎だった。わたしはうちの人の腕を掴んで「ちょっとなんとかしなさいよ~」というと、クラウジオとブラジル人男性の節操のなさに飽きれていた彼は、無言でビールを飲んで知らん顔している。
まぁ、友人も助けの必要な年齢でもないし、二人の男性は英語で話しかけてるみたいだったからその場から様子を伺っていると、いい加減にあしらってこっちにやって来た。
この騒ぎのせいで、周囲の注目はかなり広がっていたので急いで場所を変える事にしたが、クラウジオがわたし達の後ろをトコトコとくっついて来ていた。昼過ぎて、いい場所はほとんどなくなっていて、かなりうろつき回る間中、すっかり無視をしているとクラウジオも諦めてどこかにいなくなった。
その後は、のんびりと波のプールで遊んだり、日焼けを楽しみ、有意義な一日が過ぎていった。
日本人も外国人がいると、特に田舎では注目の的になるが、わたしの住む田舎町ゴイアニアには日系人も少なく、アジア人はほんとに目立つ。しかも、ブラジルに住んでいない日系人は色白だから、すぐによそ者とばれてみんなあからさまにジロジロ見るのだ。彼らからすると、細い目や小作りな顔立ちがとってもオリエンタルで美しいらしい。