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2005-02-27 07:38:27
テーマ:ブラジルでの生活

ブラジルからの国際郵便

ブラジルという日本人にとっては、「アマゾン」と「リオのカーニバル」くらいしか印象のない国からオークションに出品。果たして売れるだろうかとドキドキしながら様子を見ていたが、出品して3日目に1点売れた。変わったデザインと値段が安かったのが魅力だったらしい。

ひとつ面倒だったのは、ブラジルから何か紙以外を国際郵便で送りたい場合、「箱」に入れないといけないのだ。たった一枚のハンカチだって箱入りにしないといけない。しかも、重量区分が大まかで普通航空郵便の場合は、500g、1kg、2kgの3種類しかない。

ドレス1着の場合は、たいていは500gで収まるが、2着となると微妙で500gを超えるか超えないか。そして、約1年前までは500gの日本までの航空料金は約600円、1kgになると、なぜか1500円と500gを2個送る値段より高くなってしまう。そういう訳で、500gから1kgの時には、落札者に説明して2個口で送っていた。

結構順調に売れるようになった頃、なんの前触れもなくいきなり国際郵便料金が大幅値上げ!なんと1kgまで一律で2千円になってしまったのである。例えば、欲しいものが1万円の品物だったら、2千円の送料も払ってもいいような気がするが、わたしの出品していた品物は、3千円台から5千円くらいまで。これに送料2千円はどう考えても無理な話しである。全てのオークションをいったん中断してどうするべきか考えた末、日本の友人に手助けしてもらう事にした。

値上げ後の料金は1kgまで2千円、2kgまで3千円となったので、全てのオークションを週末に終了するように設定して、日本の友人宅にまとめて航空便で発送して国内はクロネコヤマトのメール便で発送する方法に変えたのである。友人にはわずかながら手数料を払う事にしたので利益は減っても、メール便の料金を入れても送料600円を維持できた。けれど、ちょっと賭けの部分もあり、ちょうど2kgくらいの品物が売れればいいが、半端な時には送料がペイできないこともあった。それでも、ある程度の利益は維持できた。

ところがである。値上げ後なんと半年も経たずに、またもや何の前触れもなく値上げが行使されたのだ。たった1年の間に2回の大幅値上げ。これには、もう、あきれるだけで、ブラジルという国の政府機関が全く国民の事を考えてないことをしみじみと実感するだけであった。今回は、500g、1kg、2kgと当初の形に戻ったのはいいとしても、500gまでの送料が驚く事に2千円となった。年の始めには600円だったから、なんと、3倍以上!先進諸国の値段よりも高いのではないかと思うくらいである。

こうなっては、まとめて友人に送っても1点の送料が千円くらいになってしまい、品物の価格との釣り合いがとれないと判断して、友人経由の発送は取り止めにしてしまった。

この値上げが実施されたのは昨年末のことで、現在は今後どうするべきか思案中。。。何かいい案がある方、教えて下さい。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp

もっといろいろと読みたいなぁと思った方のために「もくじ」作りました。
http://brazil-fashion.ameblo.jp/entry-e0005d86539ead88838216049b9c389e.html
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2005-02-26 06:03:08
テーマ:洋服屋&サロン

日本人が買ってくれる物

アメリカのサンフランシスコに住んでいた時に、重量が軽くて送料が安いということで、ブランド物のベビー服を日本のオークションで売っていたことがある。当時は、まだ、海外からのオークション参加者が少なかったこともあり出せば必ず売れていた。

きっかけは、友人の子供へのプレゼントにアメリカの大型ディスカウントチェーン店ROSSで子供服を購入したことだった。びっくりするほど安いのだ。ROSSは、ブランド商品のアウトレットのアウトレットといった感じの品揃えで、普通のお店が販売を見切った品物を大量仕入れで安価に販売している。薄利多売なので、よく見て買わないと汚れていたり、破れていたりもしばしば。そんな中、ベビー服は試着をさせないで買う人が多いからか子供服や大人の服に比べてきれいなものである。

子供のいないわたしだから、どういう品物が売れるか分からない。数日、オークションのベビー服を研究した結果、次のキーワードが売れ線だと判明。

「ラルフローレン」「トミー」「クラシック プー」「YSL」「ピーターラビット」

この手のブランド品は、日本だとすごい値段がついている。アメリカでも正規店で購入するともちろん高い。けれど、日本ほどではない。ROSSでも高目の値段設定ではあるが、これを日本の価格に比べるとバカ安だった。もちろんアメリカでも人気の品物だから、あっという間に売れてしまう。そして、いつも入荷するわけではなかった。ということで、当時、働いていなかったわたしは、週に1度はダウンタウンにバスで出掛けて、お目当ての品物があると大量に買い込んでいた。

当時のオークションには、わたしのような参加者が少なかったので、同じ品物を倍以上の値段で販売している人もいたが、もともと根がケチな性格からか、いくらなんでも儲け過ぎはいけないと、安く出したのも功を奏して調子よく売れたものである。

といっても、利益を計算すると月3万ほどだったからほんのお小遣いほどだったが、友人とたまに食事したりするのには十分だったし、何よりも暇つぶしには最適だった。

かれこれ5年も前の話で現在のオークションではこうした品物が溢れていて、そうそう簡単にお小遣い稼ぎもできないようである。

実は、この経験がブラジルでの洋服屋オープンへとつながった。

アメリカには、日本人が欲しがる魅力的な品物に溢れているが、ブラジルには。。。「プロポリス」???こんなものに興味は沸かない。。。
ブラジルに移って来て3ヵ月も何も収入がないとかなり不安になって来た。なんとか日本人が買ってくれそうな品物はないだろうかと、買い物に出かける度に目を皿にしていたが、そうです。この国は「ダンス王国」ではありませんか。わたしの両親が社交ダンスに狂っていて、たいしたことのないドレスに何万円も払っていたことを思い出したわたしは、「ダンス用のドレス」なら売れるのでは?と思った。

子供の頃にコマーシャルの「ランバダ」を見て恥ずかしい思いをした人は多いのでは?この国ではダンスが日常的なもので、音楽が流れるとみなすぐにステップを踏み始める。つまり、普段着がそのままダンスに使えるデザインだったりと、ダンス用の洋服を探すのにさして苦労しなかった。

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2005-02-25 04:33:32
テーマ:挨拶とお知らせ

もくじ作りました

初めてこのブログにアクセスされた方のために「もくじ」を作成しました。

タイトルは「洋服屋の裏話」になっている割に、いろいろと話が違うことに飛んでいるので、ご興味のある部分を探して読むのにご使用下さい。
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2005-02-24 09:49:24
テーマ:もくじ

もくじ

■■■ 自己紹介 ■■■

アメリカのサンフランシスコの美容学校に通っている時に知合ったブラジル人の彼と結婚して、現在ブラジルはブラジリアのある州都ゴイアニアという田舎町に5匹のジャーマンシェパードと賑やかに住んでいます。

そのつもりがあったわけでもないのに、流れに流されてサロン兼洋服屋を2004年にオープン。副業で牧場経営もしています。あぁ、あと旦那さん担当の音響と照明のレンタルとかも。幅広い割に細々とした暮らし。。。(爆)

皆様の貴重な時間を割いてまで読む価値のあるブログかどうかは謎ですが、わたしの個人的な視点から見たブラジル(ゴイアニア)や純日本人以外の人達、アメリカでの思い出の出来事などを書き記しています。ほとんどの記事は過去ものを思い出しながらなるべく落ちをつけつつ書こうと努力していますが、素人なので面白くない場合はゴメンナサイ。(笑)

結構たくさんの記事になったので、以下、整理してみました。
コメント大歓迎で~す!

■■■ アーカイブ ■■■

●サロン兼洋服屋関連
お店オープンまで1   美容師を探す   お店の内装完了   洋服屋部分やっとオープン   美容師が決まる   ブラジルの銀行口座   サロン部分オープン   サロンの魔術   ブラジルのお会計   売り子の女の子辞める

●ブラジル人関連
ブラジル人ってどんな外観だっけ???   ブラジル人のおしゃれ   人種のるつぼ ブラジル

●ゴヤス州ゴイアニア関連
ブラジル遠い国   ブラジル人的国際線の上手な使い方   ゴイアニアという地方都市   ブラジル ゴイアニアという町1

●ブラジルに住む日系人関連
ブラジルに住む日系人1

●うちの旦那さん関連
うちの旦那さん1   ブラジルへ帰郷   トラックを買う   ブラジルの洗礼(トラック盗まれる)   トラック見つかる   ブラジルの車事情   レストランの建設

●牧場関連
牧場経営1   食料大国ブラジル   ブラジル社会2(さよならトラック)   賃貸牧場1
   牧場管理人   牧場の生活

●心霊現象、災難関連
黒魔術   心霊現象1   賃貸牧場3   心霊現象2   牧場のお祓い   賃貸牧場のその後


●アメリカ関連
サンフランシスコのブラジル人   ついでにアメリカのお洗濯事情   アメリカの美容学校で   マニキュアの先生(サンフランシスコの美容学校で)   サンフランシスコの美容学校   チャイニーズ系ピーター   ロシア人 マリーナ

●我が家の日常生活関連
ブラジルでの生活   犬を買う   うちの犬   ブラジルの税関   クレジットカード盗用される   ブラジル社会1   ブラジル社会2(さよならトラック)   日本人が買ってくれるもの   ブラジルからの国際郵便


●ファミリア関連
ブラジルの結婚事情   弟の悪態   財産を分ける   事件   弟のトラック盗まれる   事件の真相   Meu Sogro メオ ソグロ お義父さん

●ブラジルの料理、食材関連
ブラジル料理

●ボランティア関連
小さなボランティア


●その他
皆様へのお礼と挨拶   カーニバル中です
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2005-02-24 04:31:49
テーマ:洋服屋&サロン

売り子の女の子辞める

久しぶりにサロン兼洋服屋の話に戻ろうと思う。

洋服の販売員の女の子、勤務時間中の爪の手入れ(マニキュア)禁止令をだしたが、一向に聞き入れる気なし。例の縫製人の電話番号事件以来、うちの人の彼女に対する信頼度はかなり下がってしまい、彼女もそれに気づいているらしかった。

髪のケアも一部料金をチャージするとは言ったが、わたし達がチャージしないのをいいことに、わたし達がいない時に美容師にいろいろと頼むのも止まらなかった。

洋服の販売意欲も美容師とのコミッションの違いにばかばかしくなったのか、すっかり売る気はないようで、何週間もショウウィンドゥのマネキンは同じ服を着たまんまだった。

そして、そんなある日、体調がすぐれないと店に電話がかかりその日は午後から来ると言うことだったが、結局表われず、次の日から数日無断欠勤。こういうことは今までなかったので、当初心配していたが、「辞めるつもりなのだろう」と思い始めた。

そして、無断欠勤4日目の朝、近所に住むうちの人の友人から興味津々で電話がかかってきた。

「君のところの売り子の女の子、辞めちゃったの?今、うちの前にあるサロンに入って行ったよ。」

これを聞いたうちの人、そのサロンの出入り口が見える裏の義父の家の門から様子を伺っていた。ブラジルの住宅街にあるサロンは、通りに面してガラス張りになっているところは意外に少ない。これは、安全対策でもあるのだが、門番が居てお客様の車が盗まれないように見張っていて、お客様が到着すると中が一切見えない高い門扉を開くのである。一見様には、入りにくいシステムだ。

彼女が入って行ったサロンは正にこのタイプだったから、うちの人には中の様子は一切分からないが、彼女がお客として入って行ったのでないことだけは確かだった。その証拠に、待つこと10分程で彼女は姿を表した。

うちの人は、サロンと道を挟んだ向かいの家に住む友人の家を尋ねる振りをして、歩き出し彼女の後ろから「あれっ!アナパウラじゃない。具合はどう?」と声を掛けたものだから、彼女は口から心臓が飛び出すくらいびっくりしたらしい。随分慌てつつ、

「元気になったから、今日は午後からお店に行くよ。」

といって、去って行ったらしい。

そして、午後にお店に表われた彼女は予想通り店を辞める事を告げて帰って行った。

本人から聞いたわけではないから事実は分からないが、彼女は裏のサロンに「マニキュアリスト」として面接に行ったのだと思う。彼女の姉が「マニキュアリスト」として働いているのは知っていたし、一度、うちのマニキュアリストが居ない時にマニキュアのお客様が来て、彼女がやりたいと言い出したので、やってもらったことがあった。その時は、マニキュアが思った以上に面倒くさくて金額が安いために「二度とやらない」と辟易していたのだが。

洋服にマニキュアがつくと売り物にならなくなるからと何度注意しても仕事中に爪の手入れをやめなかった彼女、ちょっと変わったデザインを作るとうれしそうにお客様に見せていたから、お客様の誰かが彼女に裏のサロンを紹介したのかも知れなかった。

ブラジルのマニキュアの料金は安い。。。安過ぎる。。。マニキュアとペディキュアセットでR$10(約400円)という値段のお店がほとんどである。もちろん需要もあるが、労力に対して適正料金とはいえない。だからといってR$12にするとお客様は安いサロンへと移っていく。人件費の感覚のないブラジルである。

結局、彼女が裏のサロンで働いているとも聞かなかった。
わたし達としては、彼女との信頼関係がもう元には戻らないことをじゅうじゅうに感じていたから、彼女が自分から辞めると言ってくれた事に感謝した。

彼女の去った洋服屋部分は、その後売り子を入れるのはやめて、うちの人とわたしの交替で務めることにした。

彼女が辞めた後、彼女は銀行口座の住所をうちのお店にしていたらしく、銀行から再三の残高不足を警告する手紙が届いていた。心配したとおり、支払える予定のないチェックを使い果たした結果のことだった。。。

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2005-02-19 04:39:33
テーマ:ブラジルでの牧場経営

牧場のお祓い

タロット占いのおばさんの名前はドナポリシダという。彼女は、70近い年齢にもかかわらず栗色の髪に白い肌がつやつやしていて50代くらいにしか見えない。アメリカにいる時から、なにか大きな判断が必要な時には姉を通して見てもらっていた。

ドナポリシダは、特に悪い予感に強いようで知り合いが死ぬ予感はかなり的中するそうだ。彼女が悪い予感を感じて、当事者宅に電話を入れて「外出しないように」と忠告したにもかかわらず、酔っ払って忠告を忘れ出掛けてしまい交通事故で亡くなった人もいた。

とはいえ、占い師の性で自分自身のことは予言できないと言っていた。

うちの人がジューシを伴ってドナポリシダを尋ね、賃貸牧場の様子を見てもらったところ、この世に大変未練を残した女性の霊が居座っていると分かった。恐らく、亡くなった賃貸牧場の女主人の霊だろうとわたし達は推測した。けれど、一方ではこの賃貸牧場で小人の霊を見たことがあるという人も多かった。けれど、この小人は日中に現れる事が多く、人に危害を加えたりはしなかったようだ。前に住んでいた牧場管理人のロロなんかは、逆に小人を脅かして楽しんでいたらしい。

よくよく考えてみると、「悪霊の悪戯」は、わたし達が4年以上も誰も使用していなかった元経営者の住居を開け放ってから始まったように思える。しかも、4年以上というのはわたし達が知っている限りでの年数で、もしかしたら、女主人が亡くなって誰も住まなくなって以来、一度も誰も開かなかったのかも知れなかった。だとしたら、女主人の霊がこの世に未練を残しつつ密かに自分の住んでいた家に隠れていたのに、見ず知らずのわたし達がどかどかと入って来て彼女の物を使用することを快く思うわけがない。

とはいえ、できれば「悪霊」に立ち去って頂きたいと次の日にドナポリシダを伴って賃貸牧場のお払いをすることにした。

次の日の朝、ドナポリシダの指示で「コットン」「砂糖」「ポウブラ(弱い火薬)」を準備してわたし達、ジューシ、ドナポリシダで賃貸牧場へと出掛けて行った。

賃貸牧場に到着すると、ドナポリシダは準備した「コットン」で少量ずつの「砂糖」と「ポウブラ(弱い火薬)」を包んだものをたくさん作った。そして、うちの人の案内で悪霊のついていると思われる元経営者の家の至る所にそれを一つずつ置いていく。その作業はジューシの家の中や牧場のいくつかのポイントにも続けられた。

水を入れたコップを用意して全ての準備は整ったようだった。一方、わたし達がいろいろと準備をしている間、ジューシはというとこの牧場に居る事が大変居心地悪そうに常に離れたところにいた。彼の心はすっかり牧場から離れているようだった。

まずは、全員揃ってドナポリシダがなにやら唱えてからお払いは始まった。わたしは西洋流のお祓いがどういうものなのか興味津々で後に続いた。彼女は、例のコットンを置いた一番近い場所に進み、マッチでコットンに火をつけるとコットンにボワァ~と火がついたかと思うと「ポン!」とはじけて忍者の雲隠れの術のような煙が上がる。ちょうど、煙が上がったのに合わせて

ドナポリシダ 「火を消すものは何か?」

うちの人   「水だ。」


煙の出ているコットンに彼が少量の水をかける

ドナポリシダ 「この世に神より強いものがあるか?」

うちの人   「あるはずない。」


これをコットンを置いた全ての場所で繰り返した。
全てのコットンが煙に化した後、離れた所に立っていたジューシを呼んで、彼の家の戸口に彼を中心に火薬をぐるりとまいてそれに火を灯し煙で彼が見えなくなると、ドナポリシダは何かお祓いの言葉を短く発した。

その後、家の近くの小川のほとりに米粉で作った団子状のものをお皿いっぱいに盛り、お水と一緒に供え、蝋燭に火を灯してブツブツとお祓いの言葉を1分くらいの間続けて牧場のお祓いは終わった。

わたし達は、ほっとしたがジューシの顔色は相変わらず冴えず、「新しい牧場管理人を探さないと」と考えるのであった。

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2005-02-18 01:15:17
テーマ:ブラジルでの牧場経営

心霊現象2

前回の事件が起きて以来、賃貸牧場の管理人家族は大丈夫だろうかと密かに心配していた。そして、ある日曜日の朝に珍しく電話が鳴った。ちょっと嫌な予感を感じつつ電話に出たうちの人だった。

予感は的中して、電話の相手は牧場管理人のジューシだった。ジューシの奥さんが足をくじいて今ゴイアニアの病院に居るそうで、後でうちを訪問したいと言ったらしい。

私たちは敢えて口には出さなかったが、お互いあの「悪霊」が関係しているかもしれないと考えていた。

間もなくジューシが我が家に到着した。牧場で働いている時のジューシとは別人のように小奇麗な洋服を着ていて、なんだか不思議な感じがした。そして、彼の様子も牧場で会う時と違っていた。人懐っこい笑顔は同じなのだが、ふっと影を落とす。そして彼は、うちの人に昨夜の出来事を淡々と話した。

いつもと変わらない夜を迎え、奥さんとベッドで寝ていると何者かが彼の上にのしかかって首を絞めてきたのだと言う。うちの人と同じパターンであった。違ったのは彼の横に奥さんが寝ていたということ。ジューシはその「誰か」を振りほどき、いつも携帯していて、眠る時は枕元に置いておくナイフを咄嗟に手に取り、自分を襲った「誰か」を切りつけようと飛び起きた。その「誰か」が外に逃げ出したので追い掛け回して豚の囲いのぬかるみでようやく捕まえて、ふと我に帰るとその「誰か」は「ジューシの奥さん」だったという。ここで彼のナイフについて補足しておく。牧場に住む人達は、邪魔な木の枝を切ったり、なっている果物の皮をむいて食べたり、急に表われた蛇を殺したりするのにナイフを持ち歩く人が多い。また、最近では牧場を専門とする泥棒も多いので自己防衛のために枕元にナイフを置いておくのも普通である。

話は戻って、ジューシの首を絞めたのはもちろん奥さんではなかった。ジューシが飛び起きてナイフを振りかざしたので、びっくりした奥さんは逃げ出して、我を失って「悪霊」を追いかけようとした彼が「悪霊」と「奥さん」を取り違えて追い掛け回してしまったのだ。

奥さんは外に逃げ出したが、この賃貸牧場は家から裏の豚の囲いに向かってかなり坂になっていて、雨季のこの時期は足元が滑りやすい。そして、とうとうぬかるみにはまって転んでしまい足をくじいたということだった。

かなり強く足をひねって、奥さんは当分ゴイアニアの実家で療養すると言っていた。わたしは、彼女のお腹の赤ちゃんに別状はなかったと聞いてほっとした。

そして、ジューシはわたし達が予測したとおり、牧場管理の仕事を辞めたいと言い出した。ジューシが賃貸牧場で働くようになって、まだ2ヶ月余りしか経っておらず、ようやく慣れてきた頃だったから、わたし達としては今辞められると大変困った。なんとか引き止められないかと思い、いつも何かある時にはお世話になっているタロット占いのおばさんに助けを求めることにした。

それにしても、誰もいない真っ暗な牧場の中で、たった一人頼りになるはずの夫が何かにとり付かれてナイフ片手に追い掛け回してきたら、それはもう、映画のジェイソンの世界である。奥さんの恐怖はただ事ではなかっただろうと心配するわたしだった。

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2005-02-17 01:36:43
テーマ:ブラジルでの牧場経営

賃貸牧場3

賃貸牧場には、いろいろと文句を言う弟もいないから、前からやりたいと思っていた養豚を始めるべく種豚を探すことにした。メスの豚は既に数匹持っていたのだ。わたし達が養殖しようと思った豚は、普通の豚よりも脂肪が少なく大型のイタリア製の豚の置物によく見られる耳の大きなやつだった。

いろいろな人に尋ねていると、格好の種豚を持っている人がいると聞いたので教えてもらった牧場を訪ねていった。訪問した牧場は、それほど遠くではなかったが、国道からかなり入ったところにあったので雨季ということもあり、舗装していない道を尋ねていくのはなかなか骨が折れた。

牧場主の家に近づくにつれて、サトウキビやとうもろこしが整然と植えてあり、立派なトラクターもあったので、なかなかお金持ちの牧場だと分かる。古くはあるが、しっかりとした牧場主の家の前は広く、きれいに手入れがされてあり、呼び鈴代わりに大きく「パンパンッ」と手を叩くと奥の方から花柄のワンピースを着た牧場には似つかわしくない中年のきれいな女性がゆったりと現れた。一目でここの女主人とわかる。

種豚を探しに来たと説明しているところに、ここの当主らしき50代くらいの恰幅のいい男性がにこやかに現れた。今まで畑に出ていたらしく、多少汚れているが、きちんとした格好をしている。雇い人に口早に指示を出すとわたし達に挨拶してきた。牧場に住んでいると、そうそう他人との接点がないので訪問者は常に大歓迎なのだ。

うちの人が、自己紹介の時に「この近くの牧場をデボラという女性から賃貸した者で。。。」と言った瞬間に、男性の顔が固くなり奥さんが「あっ」と小さな声を発して旦那の脇を突付いて一瞬ではあったが顔をしかめた。そして、ここの主人が「デボラは、わたしの姪でして」と説明したが、この様子を見ただけで、たいていのことが憶測できた。主人は、それ以上のことには言及せずに、豚の話になりわたし達の探している豚は彼の弟が持っていると言ってすぐ近くの弟の牧場に案内してくれた。

彼の弟の牧場も整然として豊かな印象であったが、弟自身はこの牧場には住んでいないようであった。たまたまその日は、牧場を訪れていて商談することができた。

種豚を探す一連のやり取りで分かったのは、この一帯の広々とした放牧地は、現在ではいくつもの境界線で仕切られているが、一世代前は一つの巨大牧場だったこと。大牧場主が亡くなった後に子供達に分け与えられて、その中の一部を両親が亡くなったわたし達の賃貸主のデボラという女性が受け継いだのだ。

牧場を賃貸する時に聞いた、親族との揉め事は、訪問した牧場夫婦のやり取りで察することができたし、お互いあまりよく思っていないのが手に取るように感じられた。

それにしても、親類縁者の牧場の豊かな印象に比べて、わたし達の賃貸牧場からは牧場自体の豊かさに対して、人間生活の部分で荒んだ印象を受けるのがやはり不思議でならなかった。

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2005-02-16 01:53:40
テーマ:ブラジルでの牧場経営

心霊現象1

賃貸牧場には、小さな掘っ立て小屋のような家が2軒並んでいた。ロロ夫婦はその1軒に4年ほど住んでいた。もう1軒はもともと貸主の家族が住んでいたらしいのだが4年以上も開かずの状態だった。

貸主の女性が、この家の備品などを自由に使用していいと申し出てくれたので、少ししかないのだが、わたし達の牧場用の炊事道具などを運び込むことにした。4年かそれ以上も誰も使わなかった家のドアの鍵を開けて、うちの人と中をそーっと覗き込んでみた。というのも、人間の出入りがない家に、よく大蛇が住み着くことがあるからだ。

家の中はひんやりとして、埃をかぶっているもののゴキブリやネズミ以外の小動物以外はいなさそうで安心した。ただ、わたしが思ったのは、ゴイアニア近郊でも高値をつけるこの牧場の経営者家族が生活していたという家が、あまりに質素で貧弱な上に家財道具に至っては牧場管理の貧しい人達と変わらないような内容だった。少ない家財道具の中でひときわわたしの目を奪ったのは、小さな居間に掛けられた一枚の絵だった。油絵を飾るくらいの余裕はあったのかと、少し安心しながら絵をよく見ると、それは「山火事の絵」だった。その絵を見て、なんだかここの元住人の心の歪みのようなものを感じた。

ガラスの入っていない木でできた窓を開け放つと、昼間でも薄暗闇の家の中が生き返ったように明るくなってほっとしたが、間違ってもくつろいで家の中のソファに座る気にはなれなかったし、どうがんばってもここには泊まれないと思った。なんだか不気味な印象だったのだ。

前に書いたように、牧場として最も重要な部分、牛の放牧地や湧き水の確保は完璧だといえる牧場なのだが、人間の生活の豊かさは感じられなかった。というのも、我が家の牧場に比べると、家の周りにフルーツの木など皆無なのだ。あるのは、マンゴーとバナナくらい。パパイヤやコーヒーの木さえなかった。

ブラジルは、水のあるところには一度植えてしまえばたいした手入れをしなくても植物はぐんぐん大きくなるし、フルーツは食生活に彩りを与えてくれるのにそれをしていないのが不思議でならなかった。いずれにしても、わたし達にとっては賃貸牧場だから、フルーツの木を植えても仕方がないことだった。

この賃貸牧場は、ゴイアニアから車で1時間ほどの距離に位置して居たので、わたしはもとよりうちの人も宿泊することはなかったのだが、ある日のこと帰りの遅くなった彼は、初めて賃貸牧場の家に宿泊した。牧場に泊まったら、たいてい次の日の夕方くらいにしか帰ってこない彼が、朝方6時くらいに帰って来た。「珍しいこともあるもんだ」と、眠い目をこすりながら出迎えると彼の表情はこわばっていた。

「今朝、誰かに首を絞められて目が覚めたから急いで帰って来た。」

一体何が起こったのかよくよく尋ねると、彼は昨夜、元経営者の家のベッドで寝たらしいのだが、明け方誰かが彼の上にのしかかって首を絞めてきたから、それを振りほどいてそのまま帰って来たというのだ。そして、誰かというのは、元経営者の家に住みついている「悪霊」なのだとか。

わたしは知らなかったが、彼が昨夜眠ったベッドは、貸主の女性の母親が交通事故の後病んで亡くなったベッドだった。そして、この牧場に幽霊が出ることは、牧場周辺の人達にとって暗黙の了解で、うちの人もその話しは知っていたのだとか。ただ、わたしが恐がると思って言わなかったらしい。けれど、過去にこうした悪さをしたという話しは聞いてなかった。

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2005-02-15 09:45:28
テーマ:ブラジルでの生活

黒魔術

みなさんは、超自然的なものを信じますか?

ご存知の方も多いかと思うが、ブラジルには黒魔術というものが存在する。もともと、黒人がブラジルに持ち込んだもののようで、バヒア辺りがメッカである。映画や漫画の中でよく見かける「呪いの人形」を作ってそれに針やら釘やらを打ちこむという魔術である。呪いをかけられた人の体から本当に「針」や「釘」が見つかったという話しも山のようにある。フランスで開催されたワールドカップの時にロナウドが活躍できなかったのは黒魔術をかけられたせいだと言っていたこともあった。

アメリカからブラジルに戻って来たばかりの頃、うちの人はちょっとおかしくなったのではないかと思うほど鬱状態になったことがある。カウンセリングに行って薬をもらっても全く効果はなく、最終的にたどり着いたのは、「スピリット医療」とかいう非合法的な診療所だった。

ブラジルには、こうした診療所が結構あって、診療所を主宰する医者は霊能力があると言われている。そういう所だから、インチキ診療所も数多くあると思うが、わたし達が訪問したのは過去にいろいろと不思議な手術を行ってきた事で有名な診療所だった。有名な所だけに大変な田舎にある上に新年明けというのにたくさんの人が訪れていた。ほとんどの人達は、通常の病院通いで治らなかった人達で、みな一様に不安そうな表情であった。診療所の建物は、牧場に囲まれた小さな村落の片隅にあり、看板などは何もなく質素なたたずまいである。

「スピリット医療」の特徴は、問診や手術にお金を取らない。ただ、ちょっと怪しげなナチュラル素材の薬に多少の代金を払わなければならない。問診は20名くらいが一度に部屋に呼ばれて、順番にみなの聞いてる中で医師と話をしていく。そして、医師が彼らの手を取って「気」のようなものを発するというものだった。

うちの人は、特別にお願いして、後で個別に問診してもらえるように頼んだ。うちの人以外に、もう一人女性も個別をお願いしていた。全員の問診が終わった後でわたし達の名前が呼ばれて先ほどとは別の医師の部屋に案内された。医師は、先程よりもちょっとリラックスしているようで、以前新聞に載った手術の写真やその時に取り出した「針」や「釘」などを見せてくれた。こうした手術に道具や麻酔は一切使用されないそうだ。「本当かな???」と思いつつも、その場では信じておく事にした。

結局、うちの人に誰かが「黒魔術」をかけているということだった。彼も思い当たる節があったらしく、「やっぱり」と頷いていた。まぁ、サンフランシスコでの生活の最後の方は、かなりいろいろな事もあったし、妬まれたことも多かったので、「黒魔術」くらいかけられたかもしれなかったのである。ブラジル人は嫉妬心が人一倍強いのだ。

問診の後、ブラジルらしく牧場の馬の話しで盛り上がり、カリスマの医師もその時ばかりは全身のオーラが解けて、少年のように目をキラキラさせていた。

それから、わたし達は別棟の小さな教会に行くように言われて、そこでお払いのようなことをしてもらった。3人の牧師のような格好をしたおじさん達が、日本で言えば「いたこ」のようで、次々と別人が彼らの口から現れてくるのだ。もちろんポルトガル語のよく分からないわたしには何を言ってるのかチンプンカンプンだったが、状況柄神妙な面持ちを作りつつ立ち会っていた。「いたこ」のおじさん達は、我に返ると大変疲れたような感じだった。

後で、うちの人になんて言ってたか尋ねたが、彼はお払いの間我を忘れていたみたいで、あんまり覚えていないようだった。

もう一度徹底的なお払いを勧められてその日は帰った。
それ以来、彼の鬱病はかなり軽くなって、もう一度のお払いも「行こう、行こう」と言いつつ延び延びになり本日に至っている。もう一度の特別なお払いにはR$200掛かるといわれていたから、考え様によってはやっぱりお金儲けのように思えるが、それで救われるのなら安いものかもしれない。けれど、たくさんの患者達の中でお払いを勧められていたのは、ほんの少しの人達だったから、やっぱりそれが必要な人達にだけへの治療なのかもしれないし、「いたこ」のおじさん達もボランティアでやってるらしいから、R$200くらい払うのが当然かもしれない。

わたし自身、霊能力とは最も縁のない人間だから、このあたり理解に苦しんでしまう。

我が家のネットショップです。
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