1 | 2 次ページ >> ▼ /
2005-01-29 00:21:17
テーマ:ブラジルでの生活

ブラジル社会2(さよならトラック)

トラックを所有するというのは、ブラジル人男性だったら一度は必ず夢見ることだ。うちの人も例外に当たらず、アメリカにいる時からずっと願い続けていた。けれど、銃を突きつけられてトラックを盗まれたことで、トラックを所有することの危険性も十分理解できた。できることならずっと所有し続けたいトラックだったが、機会があったら売ることも否めないと自分に言い聞かせていたようだった。

しかし、普通にディーラーを通してこのトラックを売ろうと思ったら、間違いなく値崩れしている。トラックを盗まれた後できる限りのパーツは元に戻したが、運転に支障がない箇所で多少元に戻っていない箇所があった。

けれどいつも神様は彼の味方をしてくれる。損をすることなくトラックを売れる機会がやって来た。

正確に言うと、ブラジルでは今も尚健在の「物々交換」である。

我が家の牧場は、肉牛の繁殖を主にやっていたが、月々の牧場管理人のお給料を捻出するために「乳牛」を入れて、牛乳を売りたいと思い始めていた。これは、牧場管理人からの助言だった。未だ、牧場経営初心者のうちの人だから牧場管理人に教わることの方が多い。けれど、乳牛を買えるまとまったお金はなかった。そうこうしているところに運良く、トラックと乳牛を交換したいという話が飛び込んできたのだ。

これはまたとないいい話だと、わたし達はさっそく乳牛の下見に出掛けていった。売り手は、質のいい牛を購入して太らせた後、より高額に転売する業者だった。彼らの牧場には、それは立派な牛ばかりがゆったりと草を食んでいた。

彼らが交換したいという乳牛は、近所の賃貸牧場3箇所に点在していたから次々と案内されるままに牛の下見をして回る。もちろん、未熟者の彼には細かいところは分からないから、いつも牛を売買する時に価格交渉をしてくれる、牧場近くの町では知らない人は居ないバーの店主ルイーズが中間に入っている。彼は、バーを経営しながら牛の売買の仲介に立って紹介料をもらうことを副業にしていた。彼がどうやって知識をつけたのか知らないが、家畜のことをよく知っている。乳搾りに至っては、普通の人の2倍の速さでジャージャー見ていて気持ちいいくらいに搾り取る。わたしが絞ると、ノミのおしっこくらいしか搾り取れないから改めて感心する。ルイーズは、牧場経営初心者のうちの人が労働者と一緒になって汗水流して働くのに好感を持ち、いろいろと助言をくれたり面倒を見てくれていた。

乳牛を集めてもらって、乳房の付き具合をチェックして、欠陥のある牛をはずしてもらう。向こうは50頭こっちは60頭でネゴが始まった。

うちの人もわたしも、今日は取り敢えずの下見で、ゆっくりとネゴシエーションしていくのだろうと思っていたが、こちらが60頭と要望を出すと、「55頭でどうか?」とさっそく返事が戻って来た。全ては、仲介のルイーズが伝書鳩のようにあっちとこっちを行ったり来たりして直接話さない。「55頭」は、もともとも希望の数だったから、わたし達の心の中では「ラッキー!パン、パーン!」といった感じだったが、ここで喜びを出しては値切られるから、「まぁ、しょうがないな」といった表情を作り、「牛の移動はいつにするか」などの詳細を決めるために、ここで初めて彼らと顔をつき合わせて話を始めた。

ところが、驚いたことに、「今日中に引き取って欲しい」とのこと。
後から分かったのだが、乳牛を転売するために買ったはいいが、あまりの食欲に餌が追いつかず、賃貸牧場をした上に余分な食料を買い与えなくてはいかず、ほとほと困っていたらしいのだ。ということで、今日中にも牛達から開放されたいと言っていた。確かに特別の訳がなかったら、こんなに簡単に取引ができるわけがないからわたし達も納得していた。

早朝から出掛けて、話が付いたのは昼過ぎ。それから急遽牛の運搬のトラックを手配して全ての乳牛をうちの牧場に移し終わった時は夜の9時を過ぎていた。相手側の好意でゴイアニアへのバスが出ている町の停留所まで交換したトラックで送ってもらい、なんとか最終バスに間に合った。バスは意外に乗り心地がよく、一眠りするとゴイアニアの入り口に到着。そこからタクシーを拾って家にたどり着いた時には夜中の12時も回っていた。

通常のブラジルペースだと1ヶ月くらいかかることを一日で終わらせて、お荷物だったトラックが立派な乳牛55頭に変わったのは、わたし達には幸運な出来事だった。しかも、全ての乳牛が妊娠中であった。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
AD
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
2005-01-28 02:17:19
テーマ:ブラジル人

ブラジル社会1

盗まれたトラックを修理した後は、新たな盗難防止用の装置をつけて、牧場以外のお出掛けは74年ものフォルクスワーゲンビートル号が活躍していた。それでも、彼はできればトラックを運転したそうだった。男の人の車に対する思い入れは、車に興味のない女のわたしには理解できかねる。

ブラジルという国は、安全とソーシャルのために微妙なバランスを保たないと生活し難い。日本人には理解し難いのがこの「ソーシャル」。ブラジルはポルトガル王国の植民地であったために、一部のお金持ちの間では今も尚「上流社会」が存在している。一般庶民の成り上がり者は、この上流社会の仲間入りがしたくて上流社会に昔からあるしきたりのようなイベントを取り入れたがる。例えば、女の子の15歳の誕生パーティーがこの最も代表的なものだと思う。女の子は15歳で大人の社会の仲間入りが認められる。中流以上の家庭では、この日のために、大金をはたいて親類縁者だけでなく、両親の知り合いのお金持ちを招待して、娘が上流階級の男性に見初められるように大掛かりな誕生パーティを開く。

話がそれたが、国の機関の一部やちょっと洒落たレストランでは、半ズボンは不可だとか、洋服で人を判断するのがこの国の文化である。みすぼらしい格好をしていると舐められて軽い扱いをされるから、中流以上の人間は、ラフなTシャツとジーンズでもぴっしりアイロンをかけたものを着用する。派手な格好をしていればしているほど扱いが良くなるから、身分よりも派手な格好をしている人が多いのではないかと個人的には思ったりする。

ところが、貧乏人が人口の80%くらい占めている国なのだから、窃盗団からすると、「派手な格好をした人」=「金持ち」である。格好の「カモ」だ。たったR$10のために人殺しだってできる。守るべきものがないのだ。

そんなだから、わたしみたいにただでさえオリエンタルな容姿で目立ってる者には、それ以上に目立つような行動や過度のお洒落は危険であると思う。日系人は人口のたった1%にも満たないのである。しかも、ブラジルでは「日系人は日本への出稼ぎでお金を持っている」という定説が定着している。

これが、いつもうちの人とぶつかる問題だ。彼はわたしに人目を引くようなお洒落をしてほしい。一方わたしは、人目を引くと危険が伴うからほどほどのお洒落で押さえたい。お洒落してトラックに乗るなんて最も避けたい。ビートル君で出掛けると多少お洒落してても誰も気に留めないから気が楽なのだ。

まぁ、この問題もひょんなところから解決するのだが。(つづく)

当店のネットショップです。http://www.vk-brazil.com/jp
AD
いいね!した人  |  コメント(5)  |  リブログ(0)
2005-01-26 04:01:11
テーマ:ブラジル人

ブラジルの銀行口座

洋服屋をオープンして、わたし達はブラジルでの本当の生活を始めたような気がした。ブラジルに移って約1年半、ブラジルでの収入はゼロだったからだ。そうはいっても、洋服の支払いはたいてい、チェックで、しかも30日後払い。ちょっとまとまった金額の場合は分割払いになる。まぁ、R$10の品物でも分割払いがOKの国なのだから仕方がない。

売り子の女の子は、ショッピングセンターの洋服屋でも働いたことがあると言っていたので、接客は得意そうだったし、顧客リストを作るのにも積極的だった。毎日、飾り付けを工夫しては売り上げ向上に余念がなかった。

前にも書いたが、彼女はとっても純朴そうな感じで余裕のある生活をしていないであろう事は、彼女の洋服を見れば分かった。そして、うちの洋服を彼女には30%引きで販売できるというと、さっそく何枚かまとめ買いして、うれしそうに着て来た。

ブラジルの銀行は、きちんとした給料明細書を持っていないと口座開設できないとかで、彼女も最初の給料明細をうれしそうに持ち帰って、さっそく銀行口座を開いたようで、次の月には、姉や母親の洋服だと言って、分割払いのチェックを切った。

彼女が買ってくれるのはうれしいのだが、彼女のお給料を知っているわたしとしては、洋服だけにこんなに遣っても大丈夫だろうかと余計な心配をして尋ねたが、本人が大丈夫と言う限り売れないともいえず、密かに心配していた。

けれど、彼女はうちでの給料以外でも、知り合いの下着メーカーから安価に仕入れてはそれを知人などに売って小銭を稼いでいるようだったし、毎日接するにつれて、意外にしっかりもので若い頃からあれこれできる限りの小銭稼ぎをしてきたように見受けられた。

彼女の両親は離婚していて、彼女は、父親と他の兄弟と住んでいると言っていた。

アメリカにしろブラジルにしろ銀行口座は日本のような通帳はなく、口座は、インターネットバンクで履歴を見るか、ATMマシーンで履歴を印刷して見る。うちはインターネットバンクで履歴を見ていたから、ATMマシーンで履歴を印刷したことはなかったが、先月インターネットが使えなかった時にATMから履歴を取り出して、それにもチャージされたのにびっくりした。

また、日本では個人がチェックを持つことはめったにないが、ブラジルでは銀行口座を開設するとチェックを渡される。これが曲者で、チェックがあると分割払いなどができるようになるために、小額だからと油断して次から次にチェックを切って払えなくなる人が山ほどいる。2回支払いができないと口座は抑えられるが、支払いできなかったチェックを銀行が保障してくれるわけではないから、こういうチェックを受け取ると店は大損害を受けることになるのだ。

当店のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
AD
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
2005-01-23 09:17:35
テーマ:ブラジルでの生活

美容師が決まる

洋服屋をオープンして、そろそろサロンの方の準備にかかり始めた頃、うちのお店の税金や雇用等を管理してくれている、日本で言えば税理士事務所と社会保険事務所が一緒になったようなところの社長から、大型サロンのオーナーを紹介してもらった。このサロンは、最近売上が落ち込んだために美容師を大幅カットしているということで、その中の一人で腕に定評があるという男性美容師を紹介してくれた。

さっそく彼に連絡を取って面接する事になった。当日現れたのは、これ以上ピアスするところはないだろうというくらい耳、鼻、口にピアスした小柄で細身の青年(?)だった。どうして?がついているかというと、一見して「ゲイ」だと分かったからだ。彼の名前はフランク。「ゲイ」独特のソフトな話し方で嫌味はなかった。というよりも、わたし達はできれば「ゲイ」の美容師を希望していたから、会うなり採用を前提の話しを始めていた。

なぜ「ゲイ」の美容師を希望していたかと言うと、ブラジル人は世界一嫉妬心の強い国民だとなんかの調査で聞いたことがあるが、イケメンの若い普通の男性美容師のいるようなサロンに男性は恋人や妻を通わせたがらない。日本だったら、恋人や妻の通っているサロンにイケメンの美容師がいるかなんて到底分からないが、ブラジルでは、恋人同伴でサロンに来たり、送り迎えは普通である。というか、サロンの雰囲気をチェックしに来ているようにも思える。

それに、アメリカの美容学校に通っている時に感じたが、「ゲイ」の美容師は自分自信が女性の心を持っているから、とってもきめ細やかなサービスができるのだ。

そして、前回もしたわたしの唯一の質問、「自分で使う道具とかハサミを持っているか?」は、もちろん「YES」であった。彼は、わたしが求めていた以上にほとんど全て必要とされるであろう道具は持っていたからサロンオープンも予定以上に早くできることとなった。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(7)  |  リブログ(0)
2005-01-21 10:03:12
テーマ:ブラジルでの生活

クレジットカード盗用される

カード会社から電話がある前に、実際に自分が使っていない支払いのチェックをしてみると、約R$800ほどあった。日本円で3万ちょっとだが、ブラジル人にしたら大金である。月の最低賃金がR$300もない国なのだ。

さっそく日本が朝になってから電話がかかってきて、カード会社の情報とわたしの使用状況とを照らし合わせて、不信な支払いについて調査をするということだった。カード会社の人の話では、こちらの警察には届出をする必要はないということだった。

数日後、カード会社の担当の方から電話があり、盗用された全ての支払いはクレジットカードマシーンを通していないと言っていた。履歴に上がっていたピザ屋や文房具屋など、どこも大型チェーン店ばかりで、後日その中の一つのピザ屋に行ってクレジットカード払いについて尋ねたが、マシーンを通さないことはないということだった。

結局、損害額は全てカード会社が保証してくれ、盗用されたカードも再発行してもらい事無きを得た。ただ、もう1枚持っていたクレジットカードがちょうど磁気が弱くなり使えなくなり、約1ヶ月ほど現金もなければカードも使えず、うちの人はお父さんのお供で遠くに住む病気のお婆さんを訪ねに1ヶ月ほど留守だったし、とっても苦しい生活を余儀なくされた。日本人だから、お米とふりかけと多少野菜があればお肉がなくっても生活できたけれど。(笑)

結局、それから1ヶ月くらい経った頃、テレビのニュースで大規模なクレジットカード盗用の組織的犯罪が検挙されていたので、もしかしたらそいつらにやられたのかなぁなんて思っていたが、ブラジルはインターネットを使用して銀行のお金を引き出したり、今回のようにクレジットカードを盗用したりセキュリティーが弱いのか、犯人たちが頭がいいのか、どうも理解に苦しむ。

わたしのクレジットカードが盗用された期間はわずか1週間。というのも、履歴をまめにチェックしていたから。もしも、月に1度くらいしかチェックしてなかったらきっと被害額もかなり膨らんでいたと思う。なぜか、わたしの悪い予感は的中するから、これからも嫌な予感を感じたら備えることを怠らないようにしようと思わせる一件だった。

ちなみに、盗用が始まったのはあの、洋服を大量仕入れしたメーカーだったから個人的には一番怪しいと思っていた。たまたま先日近くを通ったこともあり久しぶりに寄ってみると、なんだかガラリと様相を変えていて、サンパウロの展示会にも参加していた華やかなデザインの洋服は皆無。普通以下のデザインで、値段も投売り状態。メーカー名こそ同じであったが、以前接客をしていたオーナーらしい女性も見当たらない。どうやら、人手に渡っているようだった。

ブラジルでは、ちょっと売れ始めて調子に乗って大量生産し過ぎて在庫を溜め込んで倒産したり人手に渡ったりすることが度々あるから、今回もこのパターンかなとは思ったが、クレジットカードのこともあったから、どうもやっぱりこの店が怪しいような気がしてならない私だった。

当店のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2005-01-20 09:43:12
テーマ:ブラジルでの生活

洋服屋部分やっとオープン

2003年内中にお店をオープンさせる予定だったが、結局内装に手間取り年明けの2004年1月19日になんとか洋服屋部分だけ先にオープンする事にした。というのも、サロンの方は美容師も未定だったし、椅子やシャンプー台を買うお金もなかったからだ。

売り子の女の子もかわいくて純朴そうな人を紹介してもらった。とはいえ、彼女も面接に彼氏と一緒に来て、彼女の代わりに彼氏がいろいろと質問するのには閉口したが。。。

お店で売るための洋服は思ったよりも十分にあって、なんとか洋服屋の体裁を保てるくらいの陳列はできた。というのも、前々から日本へ販売するために購入していた地元のメーカーから季節遅れの売れ残りを格安で販売したいという申し入れがあったからだった。このメーカーは、手の込んだ装飾が売りで、日本人にもなかなか好評だった。

うちの人は、相手が可愛そうになるくらい値切りまくる。今回は、大量仕入れということで、原価ぎりぎり位まで値引してもらった。現金のないわたし達なので支払いは、いつものようにクレジットカード。このお店はクレジットカードの機械がなく、マニュアル式で今回いつになく待たされた。

ようやく支払いも終わり、嬉々として家に帰って戦利品の数々を日本向けに販売できるものとそうでないものに分け、クレジットカードの支払いまでになんとか原価を取り戻そうとオークション出品の準備に追われたものだ。その甲斐あって、売れ線の品物はガンガン売れて行き次月のカード代金の引き落とし日にはなんとか間に合った。という訳で、お店に並んだのは言ってみれば売れ残りの売れ残りだったけれど、「枯れ木も山の賑わい」というごとく、既にペイしている品物だから売れても売れなくてもあるだけで華やかではあった。

話は変わるが、最近のブラジルでは移って来た当初に比べると、クレジットカード払いのできるお店が俄然増えている。きちんとクレジットカードマシーンがあるお店は安心だけど、未だにマニュアル式の所も少なくない。ブラジルでは各種犯罪が多いから、マニュアル式で支払った場合は、必ずカーボンは家に持ち返って焼却していた。また、クレジットカードの使用履歴も頻繁にネットでチェックしていた。

ところが、ある日のこと予期していた事が起こった。

クレジットカードの履歴に見覚えのない支払いがずらりと並んでいる。
「ピザ」「ピザ」「ピザ」。。。


はっきりいってわたしはゴイアニアのピザが嫌いである。不味いのだ。それはいいとして、現金のないわたしは「大丈夫かな~?」と思うようなお店でもクレジットカードを使用していたから「カード情報を盗まれた」のだ。というのも、クレジットカード自体はちゃんと手元にある。

カード会社の被害連絡用の電話番号を調べて即刻日本に国際電話した。日本時間は深夜だったが、24時間サポートしている。電話に出た男性は、学生アルバイトといった感じで眠そうな応対だったが、わたしがブラジルから電話をしていることを知るとちょっぴり興奮しているようだった。取り敢えず、使用されたカードを無効にしてもらい、後はカード会社からの連絡を待つ事になった。

我が家のネットショップです。http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2005-01-18 23:58:59
テーマ:ブラジルでの生活

お店の内装完了

お店の内装には。。。すごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく時間がかかった。。。というのも、壁のペンキ塗りや天井の装飾なんかはあっという間に終わったのに、お洋服をかけるために注文した鉄製のパイプ棚が全然出来上がらなかったからだ。

彼の知り合いの鉄工に安く頼んだのだけれど、いつもは暇な彼にその時に限って大きな注文が入り、当然お金になる方を優先させるから、安いうちの注文は後回し。「来週には納品できる」「来週には納品できる」を繰り返し、1ヶ月の予定がやっと3ヶ月もかかって持ち込んで来たのはいいけれど、持ち込んできた後、一向に設置しない。設置を終了するのにまたもや1ヶ月近くもかかった。。。

いつも思うのだが、ブラジル人は「最後の一息」というところで仕事を中断して一向に終わらせない人が多い。終わらせない限り代金は頂けないのに、不思議な感覚である。

それでも、やっと飾り棚が設置され、鏡が入ってガラスが入って、お店らしく出来上がった。ここまでの間に彼とわたし、なんど喧嘩したことか。というのも、感覚の違いからだ。わたしとしては、お金がないのにムリをしてまで余計な装飾は必要ないと思う。回収できるかどうかわからない物にお金をかけるとポシャった時に大損害につながる。

一般のブラジル人はお金がないから、みんなお店はシンプルにオープンして、余裕が出てきてから少しずつ手を加えて行くのだ。というか、お金がないのだから当然の話である。ところが、うちの場合、彼がアメリカに出稼ぎしていた時に作ったブラジルの銀行で口座にお金がなくてもかなりの額を借金できる。そういうこともあり体裁を整えようとする彼。まぁ、華々しくアメリカからご帰還して来たプライドがショボい外観のお店を出すのを憚ったのだろう。

とはいえ、ブラジルの金利はバカ高い。クレジットカードの支払いを滞納すると、月に20%近い金利がつくから日本のサラ金並み。当初、わたしはそんなことを知らなかったから、なんでクレジットカードの支払いが一向に終わらないのか?なんで銀行のマイナスアカウントが増すのわからなかった。

当時、ブラジルでの収入はなかったから、わたしのネットでの洋服販売で全てを賄っていた。その頃はかなり売れていたから、ブラジルで生活する分にはなんとかなっていた。とはいえ、売り上げは全て日本の銀行に振り込まれるからこちらでの支払いは主にクレジットカードに頼っていた。現金は送金してもらう以外に入手する方法がなく、たまに家族に自分のお金を送金して手数料の最も安い郵便局からブラジルに送金してもらっていたが、到着までに1ヶ月はかかる。クレジットカードでの買い物しかできないから、日々の小さな支払いをするお金がない。当時は、日本円でわずか10円くらいのパンさえも買う余裕がなかった。しかも送金してもらっても、彼のマイナスアカウントをフォローするとすぐに消えてなくなってしまう。

この頃まさに、「愛ではご飯は食べていけない」と思った。
「背に腹は変えられない」、奇麗事を言って霞を食べては生きられない。「お金」というものが結婚生活には不可欠な要素なのだとしみじみと思わせられた。これは、日本で結婚生活を迎えていたら、決して味わうことにない試練(?)だったかもしれなかった。このことがあったから、お互いの思いを吐き出しての喧嘩もたくさんして相手のことをより理解できたと、常にポジティブ思考のわたしは思うのだ。

当店のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
2005-01-16 10:07:04
テーマ:ブラジル人

美容師を探す

「サロン」と「洋服屋」をオープンするに当たり、内装の準備と併せて「美容師」を探す必要があった。わたしは、美顔やマッサージはできても「ヘア」に関しての知識はない。あれこれ知合いに聞いてみたり、ゴイアニアの美容学校を訪ねてみたりしたがなかなか良さそうな人は見つからなかった。ブラジルに果たして美容師の資格というものが存在しているかも謎である。ちょっと器用な人は、門前に「美容室」という看板を立てて何の登録もなく小銭を稼ぐ国である。

すると、ある日、おばさんの家に遊びに行ったうちの人が嬉々として帰って来た。

「今日、おばさんの家に従兄弟で美容師のホナウドが来てて、知合いで腕のいい美容師を紹介してくれたんだ。君もきっと彼女のことを気に入ると思うよ!」

従兄弟が紹介してくれたという美容師は、結構中年のおばさんで美容師歴も長いとか。。。で、わたしは嫌な予感がした。うちの人、中年の口の上手いおばさんにいい含められ易い性格なのだ。今まで彼が「すごくいい人」と表現したおばさんで「いい人」と言えるような人は一人もいなかった。みんな、上辺は「いい人」なのだが、どこかしら腹黒さが滲み出ている。同姓だから分かるのかも知れないが。。。

けれど、せっかく彼がお勧めしてるし後日ここを見に来ると言ってるから、取り敢えず「いい人だといいね」とか話しを合わせておく。

そして、当日現れたのは、こういう表現をしたくないのだけれど、美容に携わる人として評価すると「その辺にいるおばちゃん」だった。。。一見して、一緒に働きたくないタイプ。華というかオーラが全くない。しかも、一応面接だというのに彼氏らしき人を連れて来てる。で、話しをする時もどっちが面接に来てるのか分からない態度。ブラジル人式である。

ここが田舎だからかもしれないけれど、ブラジル人は、職場の面接に彼氏とか家族を連れてくる。しかも、本人でなく付き添い人が質問したりするのだ。これだけでも、日本人の感覚では却下なのに、わたしが恐る恐るした唯一の質問

「自分で使う道具、ハサミとか持ってる?」

の答えは「NO」であった。。。

「自分のハサミを持っていない美容師なんて信用できない。。。」

もう、わたしの中では彼女は絶対不採用だったけれど、彼女のことを気に入ってるうちの人にどう説明したことかと思いを巡らせていた。というのも、彼は思い込みが激しい性格だ。ところが、まだ、内装を触っていない店舗予定の説明をしていた彼に彼女はいろいろと指示を出して来た。「ここには○○が必要だ」「ここは××してほしい」ブラジル人はおしゃべりで調子に乗る人が多い。うちの人が素人だからと下手に出たのをいい事に彼女の口が災いした。彼は、人から口出しされるのが大嫌いなのだ。彼女の言い方は、提案を通り過ぎて完全に指示だった。これを見ていたわたしは、余計な説明をしなくていいなとホッとしていた。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2005-01-15 09:18:52
テーマ:ブラジルでの生活

お店オープンまで2

我が家の1階の商業スペースは、まぁまぁ広さがあったから、最終的に半分「サロン」半分「洋服屋」としてオープンすることに決めた。

どうして洋服屋を入れたかというと、今後ネットでの販売を考えた時に、店舗が存在した方がお客様に安心感を与えると思ったからだった。

その日から、わたし達は店舗の内装をどういう風にするか日々プランを考えた。ブラジルにも丸投げできるインテリア業者は存在するが、そうした業者はお金持ちを相手にしているから料金が高い。ブラジルに来て以来、現地収入がない上に、トラックの修理に思わぬ大金を払ったわたし達だったから、懐に残されている資本金はすずめの涙ほどだった。

ブラジルで家を建てる場合、たいていの人達は自分たちで建築資材を選んで現場に持ち込むから、大工達が材料を揃えるということはない。大工の棟梁のような人が、必要な材料を紙に書いてくれ、そのメモを持って本人が建設材料店に行って購入する。こういう段取りだから、家を建てるのはなかなか面倒な仕事だ。また、途中で材料を買う資金が切れて骨組みの段階で放置されている家や、外装が終わらないままに住みながら少しずつ財布と相談しながら材料を買って仕上げていく家もたくさんある。家が建つのが早ければ早いほどそこにお金があるのが明らかに分かるから、泥棒に狙われる可能性も高くなったりする。この国では何事ものんびりやった方が安全なのだ。

我が家の場合は、ほんとうにお金がなかったから、いろいろな情報を頼りに少しでも安く仕上げてくれる腕のいい塗装屋やガラス屋、鉄工、石工など、個々に価格交渉してやってもらうことになった。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005-01-11 11:22:52
テーマ:ブラジルでの生活

お店オープンまで1

弟と財産を分けた後、彼とわたし、何の商売をして食べていこうかと話し合った。牧場で牛を放牧はしていたが、それだけでは到底生活できない。我が家の1階の一部は商業スペースとして確保してあったから、賃料はいらない。何かしら、食いっぱぐれしなさそうな商売を考えた。

最初に考え付いたのは「酒屋」。ブラジル人と炭酸飲料、ビールは切っても切れない間柄。まぁ、それなりにやっていけそうだった。けれど、今一つ「ピン」と来なかった。

次に考え付いたのは「郵便局」。当時、ブラジルは資本金約40万円で郵便局が開設できた。これは、なかなかいいと思い、さっそくゴイアニアの郵便局を管理する事務所へと出掛けた。ところが、残念なことに次年度から募集する郵便局は、郵便局と何かしらの商売が抱き合わせたものに限るとの事。というわけで、残念ながらこれも断念。

ブラジルに来てから、なんの収入もなく不安を覚えたわたしは、アメリカにいた時、ベビー服を日本のオークションで販売していた経験を生かして、ブラジルのドレスをダンス向けに販売していた。ここゴイアニアは、服飾産業が盛んでたくさんの洋服問屋が軒を並べている。ここに来た当初、そんなこととは知らなかったから、洋服屋があまりにたくさんあることに疑問を感じていた。

日本へのドレスの販売は好調で、毎日のように日本へ郵便を出していた。そういうこともあって「郵便局」をやろうかと考え付いたのだった。「郵便局」が駄目になった今、どうせやるのなら自分の好きなことで、できること。

わたしは、アメリカにいた時、「ネイル」と「エステティシャン」の資格を取っていた。日本では、これだけで食べていくことはかなり難しいだろうが、アメリカに住んでいたら最も食いっぱぐれしない職業だと思う。「ネイル」は、黒人女性にはなくてはならないお洒落だし、「フェイシャル」は、白人女性には不可欠のケアだった。

ブラジルにこれが当てはまるか否かは不明だったけれど、美容というものの必要ない国はないはず。という理由で、「サロン」をするという案が一気に浮上した。

我が家のネットショップです。
http://www.vk-brazil.com/jp
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
1 | 2 次ページ >> ▼ /

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。