全選手評第2弾です。
今回はMFの選手たち。どーぞ!


MF

8 アンドレイ
リーグ戦37試合出場 5得点 4アシスト 警告7
(昇格プレーオフ1試合出場 警告1)
天皇杯1試合出場

ブラジルから期限付きでやってきた長身・小顔イケメンのモデル体型ボランチ。
顔に似合わずハードな対人守備が持ち味で、空中戦も強い。
攻撃面では中長距離のパスを得意とし、サイドチェンジで組み立てていく。
一方で細かなボールタッチができるわけではなく、限られたスペースの中ではボール扱いに手間取る様子を見せた。
その割にトップ下のような位置取りをすることが多く、高い位置でボールを受けるものの特に打開できるわけでもなかった。足が長いからかDFが間合いを取りづらく、ボールはあまり失わなかったけど。
序盤戦にコンビを組んでいたのが似たタイプの佐藤健太郎だったことと、石丸監督の攻撃戦術上、彼が前目にポジションを取ることで成り立たせようとしていたところはあったかもしれない。それにしては後方のバランスをあまり考えずに高い位置を取ることも多かったけど。
強烈なミドルシュートも魅力的だったが、終盤戦はあまり撃たなかったね。なんでだろ。ボールを大事にいこうって感じやったのかな。
また、セットプレー時には高さを活かしてターゲットに。しかしヘディングシュートが得意なわけではないようで、フリーでもよく打ち上げていた。
総じて能力の高さを感じさせ、日本でのプレー初年度としては良い感じだったとは思う。思うのだけれど、なんか自分の能力を活かしきってる感じがしないのがなんとももどかしかった。
アンドレイと言えばオスカルは来ないのか、と一部界隈で熱狂的なラブコールがあったが、さすがにチェルシーのオスカルは高すぎる・・・と思ってたら中国に移籍してくるらしい。マジか。89億ってなんなんだ。もうとりあえず京都来ちゃえよ。
しかしその一方でアンドレイのブラジル復帰も報じられているようだ。近付いたと思ったら遠ざかる。報われない愛なのか。


11 堀米 勇輝
リーグ戦37試合出場 7得点 10アシスト 警告1
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯2試合出場

ユースからトップ昇格したこともあり、甲府で大いに期待されていたアタッカーがまさかの京都移籍。
思うように甲府で出場機会を得られていなかったこともあって、殻を破るために退路を断った覚悟の完全移籍・・・だったはずが一年で戻ることになってしまった。
甲府からすれば、U-15から育て上げた「育成の星」であるし、どんなプレーヤーか分かっているのでリスクも少ない。分配金が増える来季に向けて資金的には余裕もあるはずなので、買い戻すという選択は理にかなっているか。
ちなみにこれは京都が複数年契約を結んでいるという前提ですけどちゃんと収支取れてますか。取れてるならぶっちゃけ特に文句はない。
とは言え堀米にとってほんとにそれでいいのか感は否めないが。
慕っていた石丸監督が解任の憂き目にあったとはいえ、本ブログでも取り上げていたようにちょっとサッカー面で限界があるという判断も充分できるわけで。サッカー界はこういう別れ方は当然のものとして受け止めねばならないところもあるし。
こういうユース生え抜き選手の出戻りケースが目立つ気がするが、やっぱりやりやすいんやろね。本人が好むと好まざるに関わらず、なんとなく周囲が特別扱いしちゃうところもあるやろうし。
閑話休題。
いろいろ思うところはありますが、今季の堀米が良いプレーをしたのは間違いなく。
単騎突破で持ち上がることもできるし、全体が押し込まれた時にボールを運べる選手がいるのは助かった。
最前線でもキレのあるドリブルでチャンスを創出し、得点とアシストを合わせて17は立派。アシストはもっと伸ばせたと思うが、決めてくれない味方に苛立ちを見せている時もありましたね。
守備もキッチリでき、中盤のブロック形成もしっかりこなしてくれたのは意外でした。
なお、神様は彼に足下の見事なキレを与える代わり、舌周りのキレを奪ったようであり、おそろしく不安定な喋りをする。
少なくとも「ありがとうございます」の発音はダニエル・ロビーニョの方が綺麗だった。たぶん改善はできない。


14 山瀬 功治
リーグ戦34試合出場 7得点 警告3
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯1試合出場 1得点

ベテランアタッカーも今季で契約満了。
前から好きな選手だったので京都に来てくれた時は本当に嬉しかったのを思い出します。
怪我に悩まされ、京都に来てからもそれは変わらなかった。
若い頃のような、鋭く直線的なドリブルから射抜くようなシュート、というのはさすがに減っていて、京都に来てからも負傷の影響でシュートの当たりが悪くなっている印象もありました。
一方で中盤のバランスを取る役割でも上手さを見せるようになり、戦術眼の高さを魅せつける円熟の境地に。
今季もサイドハーフの位置で攻守に大いに貢献。
まだ守備が成熟しきっていなかった前半戦は彼のバランス感覚で助けられていたところも多く、ホーム清水戦の強烈ミドルシュートに代表されるように、往時のシュートのキレも戻ってきた感があった。
ただ、負担の大きいサイドハーフでは消耗も大きく、90分持たないことも多くなっていたか。
特に役割として求められていたであろう逆サイドからのクロスに合わせる形ではあまり点が取れず、重要な場面で決定機を逃すシーンも多かった印象。
おそらくそう言ったところや年齢も加味して、契約満了という判断に至ったのだとは思う。
それも納得できる部分があるのだが、個人的心情から言えば一番納得してなかったりする。
俺は貴方と昇格したかったよ。


18 石田 雅俊
リーグ戦7試合出場
天皇杯出場なし
*7月に相模原へ期限付き移籍

ついに開幕スタメンを獲得。今季は飛躍の年になるかと思われたが、徐々に出場機会を失い、相模原へレンタルとなってしまった。
ボールタッチに非凡なものがある一方、ボールに絡まなければほぼ消えてしまうことと、守備面に課題をこれまで抱えていた。
今季はまだまだ消えがちになってしまうところはあったものの、苦手だった守備でハードワークできるようにもなっていて、チームプレーヤーとして成長したところを見せていただけにちょっと残念である。
「中2のメンタル」と称されていたようにやはり精神的に未熟なところがあるようで、それも期限付き移籍の理由の一つか。
悩ましいのは相模原でも終盤にかけて出番を失っていたことなのだが・・・うーん、大丈夫だろうか。


22 佐藤 健太郎
リーグ戦34試合出場 1アシスト 警告7
天皇杯1試合出場

千葉からやって来た地味系ボランチ。
千葉では「いろんな新加入選手がいながらも最終的にボランチにいるのは佐藤健太郎」と言えるぐらいの安定度を誇っていた選手。
ちなみに千葉では似たような状況をもたらす選手に佐藤勇人と岡本昌弘がいるが、この辺りの話は千葉サポに聞いてみたい。読んでたらコメントよろしくね、あらたん。
佐藤健太郎の話に戻ると、特長は中盤の底でのカバーリングと的確な受けと散らし。
最終ラインに入る形でビルドアップするプレーもよく使っていた。
しかし、スピードに欠けるところがあり、素早いプレッシャーに晒されるとミスも多くなった。
コンビを組むことが多かったのはアンドレイが、ガンガン前に出て行ったため、サポートが少ない局面も多くなって辛い部分もあったと思うけど。でもアンドレイが引き気味でプレーしても、2人の特徴が被ってしまって何も起きないということも多かったんですけど・・・。
アンドレイとのコンビはちょっとチームとしてもしんどかったかもしれんね。
ちなみに彼に攻撃力がないわけではなく、ビハインド時など、前への志向を強く打ち出した時には良いプレーをしていたので、例えば吉野、アンドレイと組む3センターは面白そうだったのだけど、さすがに時間も余裕もなかった。
なお、結構顔もカッコいいのだけど、コンビを組むのがアンドレイであったために地味感が強まってしまった。ここもコンビがあってなかったかもしれない。
残念ながら彼も今季限りで退団。とは言え欲しがるクラブは多かろう。


23 和田 篤紀
リーグ戦出場なし
天皇杯1試合出場

大卒2年目のシーズンでしたが、これといって存在感を打ち出すことができず、退団が決まった。
ボールテクニックは高く、天皇杯でも的確にサイドに散らすプレーを見せたものの、厳しく言えばそれしかなかった。
スピードに欠ける分、ワンタッチプレーを磨いてきた選手であるように見受けられるが、そのための判断力がまだ不十分か。
昨季は実父が監督を務めていたこともあって色眼鏡で見られることが多く、ちょっと気の毒なところもあった。
繰り返すが技術は確かなので、それを活かせるように成長できれば。


25 國領 一平
リーグ戦10試合出場
天皇杯1試合出場 1得点 1アシスト

期限付き移籍を繰り返しながら、ついに戻ってきたユース上がりMF。
ようやく京都でのデビューを迎えることができたのは彼にとっても、下部組織の将来にとっても喜ばしく、JFLを中心にキャリアを積み重ねていく良いモデルケースとも言える。
齊藤もそうですけど、これまでのチームで結果を出してきたことから得られるものですからね。
京都でのプレーについては、ボランチとしては良いバックアッパーと言えた。
元々DFをやっていたこともあって、守備も丁寧にやろうとするし、技術もあるので捌きも問題ない。
シュート意識もついてきていて、練習試合で得点を量産。天皇杯でもしっかり結果を残した。
一方でリーグ戦ではサイドハーフで起用されることが多かったが、この位置ではほとんど何も出来ず。
プレッシャーの掛かる位置ではまだ厳しいところがあったか。
ユース5年目と言うこともあってか、契約満了という判断になったが、ボランチとしてもう一年見ても良い気はしたが・・・。本人の希望もあったのかなぁ。


27 永島 悠史
リーグ戦出場なし
天皇杯出場なし

狭い局面でプレーできる強みを持っていることから、今季の中盤の選手の中で異質な特徴を出せる上、石丸監督が好む中央攻略の中で重要なピースとなるだろうと期待していましたが・・・。
負傷の影響もあり、今季は公式戦出場なし。
まずはしっかり怪我を直し、来季に再起をしてほしいところ。


32 荻野 広大
リーグ戦出場なし
天皇杯出場なし
*7月に讃岐へ期限付き移籍

昨季は2種登録ながら公式戦で起用され、石丸監督の期待の高さを窺わせたボランチも今季は出場なしのまま讃岐へ期限付き移籍。
ボランチのバックアッパーに考えていたと思ったのだけど、起用する決断には至らなかったか。
シーズン序盤で佐藤が欠場したのがよりによって清水戦だったというのも影響したかもしれない。
讃岐では主にCBとして起用された模様で、守備面強化には非常に良かったかな。


37 吉野 恭平
リーグ戦13試合出場 警告2
(昇格プレーオフ1試合出場 警告1)
天皇杯2試合出場 警告1
*7月に広島から期限付き移籍で加入

夏に広島から期限付きで加入ボランチ/CB。
本人はCBとしてのプレーを希望しているようだったが、京都ではボランチでのプレーが中心となった。
CBとしてプレーできるとあって空中戦もそれなりに強いし、対人守備にも自信を見せる。ぶっちゃけ結構ダーティーなプレーもするけど目立たないところは秋本倫孝を髣髴とさせる。秋本さんは目立ってましたかそうですか。
また、東京V出身らしい足下の上手さもあり、後方の選手とすればボールタッチは器用。
奪ってから持ち上がり、ショートパスでの崩しに参加できるというのは、アンドレイにも佐藤健太郎にもない特色であり、彼がレギュラーを掴むのも当然だったか。
毎試合のように「借りパクしよう!」と言わしめるほどの存在感を見せた。広島さんどうか譲ってくれませんかね。吉野くん京都で上を目指さないか。なんつって。
実際広島はどうするつもりなんでしょうね。禁止薬物使用によって千葉和彦に出場停止が課せられていれば戻すだろうと思っていましたけど、千葉への出場停止が課されないことが決まったので状況はまた分からなくなったか。
ぜひとも残って欲しいですが・・・どうなりますかね。