10.22 今日の代々木第二体育館 | ボクシング・ジーンのブログ

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The REAL
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
10月22日(水)国立代々木競技場第二体育館 17時00分開始
主催:帝拳





<メインイベント WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>
○山中慎介(帝拳)チャンピオン
[判定3-0]114-110 116-108 115-109
●スリヤン・ソールンビサイ(タイ)挑戦者1位

※山中は7度目の防衛に成功

4回終了時:38-38×2 37-39

8回終了時:76-74 77-73 78-72


山中慎介選手の話「(左拳が腫れているように見えますが、と聞かれて) 相手の頭を打ち過ぎたんでね。今日は序盤、ちょこちょこ当てられて、とられましたけど、そこでも冷静でいられました。1ラウンド目にあれだけ右ストレートをもらったので、自分の方はジャブを多めにしようと思って、それがうまくいき始めたのが中盤でした。相手の右には気をつけなくちゃ、とは思っていました。でも、特に強いパンチではなくて、効いたものもありません。ただ、相手は巧かったし、気持ちも強かったです。(7回にダウンを奪った時、ニュートラルコーナーに行かなかったのは? と聞かれて)本能がそうさせてしまいました。あのままちゃんとやってたら、終わらせられたかも。要所で連打はしたけれど、アゴに当てることができたパンチがほとんどなかったのは、よく研究されていたからだと思います。ああいう、自分にとって相性の悪い相手に大差で勝つことができたのは、自信になりました。KOは期待されているし、自分でもKOして終わりたかった、という気持ちはあります」。


スリヤン選手の話「自分としては、ヤマナカが特に強いとは思わなかった。ただ左だけは強かった。それ以外は、強いとは思わない。プランとしては左右に散らしてボディから攻めていく作戦。最後まで動きを止めず、左だけに気をつけて戦い続けようと思った。(なぜ警戒していた左をもらってしまったのかと聞かれて)わからないけど、一発もらってしまっただけ」











<第5試合 137P契約10回戦>
○粟生隆寛(帝拳)WBAライト級5位 WBC4位 IBF8位
[判定3-0]97-93 97-94 98-92
●ファン・カルロス・サルガド(メキシコ)


 世界2階級制覇、3階級目を目指す粟生が、元WBA,IBFスーパーフェザー級王者サルガドを迎えてのテストマッチ。11か月ぶりの実戦で2連敗中のサルガドは、大きく振ってはバランスを崩し、本調子ではない様子。これは、プレッシャーをかけて左ストレートを狙う粟生が早々に仕留めるか、と思われました。

 しかし前に出る粟生は3回、サルガドの右カウンター、右フックを立て続けに食ってしまいます。チャンスとみて攻勢に出るサルガド。もともとカウンターパンチャーの粟生にとっては、逆にこの方が願ったりの形だったでしょう。左アッパーから右フック、左カウンターなど、ヒットを重ねます。しかしラウンド終盤、またもサルガドの右を顔面ど真ん中に打ち込まれました。

 中盤戦も粟生が圧力をかけて自ら仕掛ける形は変わりません。少し気を緩めると相手の右を食うものの、強気に左ストレートを狙います。5回、右を狙ってきたサルガドに粟生が左ストレートをクリーンヒット。しかしここも耐え切られ、次第に接近戦の時間が長くなっていきました。粟生は手数と上下の打ち分けでアピール。しかし倒そうと意識しすぎてか、力んでしまってスピードとキレを欠いてしまいます。

 終盤戦は、粟生が左アッパー、左フックを多用してポイントを拾い、試合をはっきりとリードします。そして最終回、終了10秒前の拍子木の後、粟生が渾身の左ロングをヒット。ロープ際で大きくのけ反ったサルガドに一気に攻め入り、最後の最後にKOか、と期待させます。…が、ほんの少し時間が足りず。ゴングまで逃げ切られました。粟生はこれで31戦27勝12KO3敗1分です。










<第4試合 スーパーフェザー級8回戦>
○尾川堅一(帝拳)日本スーパーフェザー級8回戦
[TKO7R0'44'']
●高畑里望(ドリーム)


2年前のショッキングな初黒星から復活、尾川が5連続KO勝ちです。日本ランク復帰を果たした強打者尾川が、長身の試合巧者・高畑を棄権に追い込んだ……今後の展開が楽しみです。

試合は立ち上がり、高畑が長いジャブと軽めの右で尾川をけん制していました。どうやって入ろうか、と考えているようにも見えた尾川ですが、初回終盤にはパワーで上回る左ジャブでプレッシャーを強めました。2回には相手の距離を崩して中に入り、右クロスから左フック。3回には中間距離でのやりとりとなります。上下への左右フックで対抗する高畑に、尾川は右ボディブロー、右から左フックの返し。ラウンド終了間際には右ストレートを顔面に叩き込みます。

4回、尾川の右ストレート、左フックが次々と決まり、そして少しタイミングをずらして放った右ストレートで顔面を痛打。身体が泳いだ相手にすかさず右をフォローしてダウンを奪いました。再開後まもなく、尾川は2度目のダウンを追加します。しかし5回、6回と、高畑は粘りをみせ、右アッパーの相打ち、6回には左目が腫れて視界難の中、やや打ち疲れが感じられる尾川にコンビネーションで迫りました。が、7回。尾川の右フックが高畑の顔面をきれいにとらえたところで、レフェリーがドクターチェックを要請。ここで高畑陣営から棄権の意思が伝えられました。26歳の尾川はこれで14戦13勝11KO1敗です。







<第3試合 フライ級6回戦>
山田健太(セレス)○[判定2-0]●佐藤拓茂(石神井スポーツ)

試合は一進一退。ですが、山田の方がより左ジャブから積極的に右につなげ、攻めの意志を見せていました。巧さでは上回る佐藤ですが、山田の圧力に押されて下がりながらのパンチには威力が感じられず、際どいラウンドを山田に譲りました。

山田はこれで11戦7勝4敗です。





<第2試合 57.5kg4回戦>
布谷柾人(八王子中屋)○[KO3R2'28'']●磯崎亘平(TEAM10COUNT)

開始から磯崎が突進し、布谷は下がりながらも的確なワンツー、左フックで相手をとらえます。そして3回、そんな布谷が右フックでダウンを奪い、再開後の左右フックでレフェリーストップを呼び込みました。布谷はこれで2戦1勝1KO1敗です。







<第1試合 58.0kg4回戦>
加川達志(M.T)●[KO1R0'32'']○本吉 豊(reason)

開始早々、本吉が放った右フック一撃で加川がもんどりうってダウン。立ち上がったものの10カウントが数え上げられました。本吉は12戦4勝4KO8敗。




< 予備カード バンタム級4回戦>
山崎真儀(協栄)○[判定3-0]●木ノ下克明(ミナノ)

40-35×3

サウスポー同士の対戦。前のめりになって攻める木ノ下を、山崎がバックステップに乗って左ストレート、右フックで迎え撃ちます。2回は山崎が前に出てコンビネーションでポイントを獲り、3回、左ストレートでスリップ気味ながらダウンを奪いました。決め手を欠いてフルラウンドを消化しましたが、山崎、フルマークで初勝利(2戦1勝1敗)です。






<photo by Hiroaki Yamaguchi 山口裕朗


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