小さな交差点でお巡りさんに停車を命じられた。

横断歩道が手前から見えたし、十分に徐行し、歩行者がいないことも確かめていた。日曜日の午後3時半で周りは明るいし、飲酒運転を取り締まる時間でもないだろう。不審がる私にお巡りさんは窓を開けるようジェスチャーで示し、窓を開けると「ちょっと降りて下さい」と私に命じた。

車から降りると、お巡りさんは先ほど通り過ぎた交差点まで私を連れて行った。そして、こう言った、「ここに『止まれ』の標識がありますが、あなたは止まらなかった。しかも、今日から交通安全週間なので、見逃す訳にはいきません」。

交通違反

言われて見れば、確かに「止まれ」の標識があった。しかし、目立たないところにあるし、横断歩道の方が余程目立つから、私のように徐行し、歩行者がいるかどうかを確かめるドライバーが多いのではないか。その上で安全を確認して通り過ぎれば、事故を起こす可能性はないだろう思う。しかし、ルールはルールだ。潔く罰金を払おう。そんな気持ちで帰路についたのだが、さすがにいつもより更に安全運転になった。

自宅が近付いてきた頃、左手の歩道を走る自転車が目に入り、その先の家の駐車場から車が出ようとしているのが見えた。これは自転車が驚くな、と思っていたら案の定、出てきた車に驚いた自転車が歩道から車道にはみ出してきた。ただ、それを予想していた私は余裕で自転車を避けることができた。もし、いつものように車を走らせていたら、自転車とニアミスしていたかも知れない。そう思うと、亡くなった母が良く言っていた「大難小難」という言葉を思い出した。母は、良くないことが起こっても怒ったらあかん、それはもっと大きな良くないことを避けるために起こったんかも知れんのやから、と言っていた。

罰金を払うのは痛手だと思っていたが、却ってそれで慎重になった私は大きな問題を回避できたのではないか。ひょっとして、これは母からの「調子に乗ったらあかんえ!」というメッセージだったんだろうか? そう思って、罰金を払うための納付書を見たら、納付期限が4月14日になっていた。この日は母の誕生日だ。やっぱり、母からの忠告だったのだろう。お母ちゃん、ありがとう。せやけど、やっぱり7000円の罰金は痛い(笑)