中国の視点から世界戦略を見る(2) | 香港IFA玉利の海外投資夜話

中国の視点から世界戦略を見る(2)

アヘン戦争から文化大革命の終焉までは
おそらく中華民族の歴史上でも
もっとも屈辱にまみれた時間だっただろう。

その間、
列強を中心とした
国際社会は国際法を整備し、
世界に新たな方の秩序を作った。

各国の版図も
ほとんどこのときの状況をもとに
決まったと言って良いだろう。

長い歴史の中で
もっとも力を失った
100数十年の間に自国不在のまま
現代の国際ルールが決められてしまった。

中国の領土は長い歴史の中で
広がったり縮まったりしたが、
いずれにしても自分たちの力が
弱まっているときの領土で
国際ルール上で固定化されてしまった。

納得がいかない、
どうにかそれを覆したい、
という気持ちはあって当然だろう。

一方、
1979年の改革開放以降、
識字率もそこそこ高く、
器用な割には安い人件費を売りに
中国は世界の工場としての役割を担い、
急速な経済成長を遂げ、
世界第2位の経済大国となった。

china

だが、
国民が豊かになるほどに
労働コストは高くなり、
さらに覇権的な政府の態度を嫌った国際企業は
別の新興国での展開も視野に入れるようになり、
最近ではその経済成長にも陰りが見えてきた。

国内には
まだ豊かになれていない
数億人の貧困層が控えている。

このまま
中国の経済成長が止まると
その層の不満が爆発するに違いない。

国内は不安定になる。

中国の国際的な影響力は
今が最強で今後は衰えていくかもしれない。

そうなってからではもう遅い。

南シナ海の領土も
東シナ海の領土もその海底に眠る資源も
今のうちに自分のものにしなければ、
今のうちに覆さなければ未来にチャンスはない。

幸い世界最大の軍事力を持つ
アメリカの大統領はこれまでになく弱腰だ。

「やらなければならない。
今を逃したらもうチャンスはない」

そう考えているのではないだろうか。

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