おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ
正垣泰彦
日経BP社
ISBN978-4-8222-3348-8

おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ/正垣泰彦

¥1,470
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<目次>
第1章 「客数増」がすべて
第2章 十分な利益を確保するには
第3章 リーダーと組織の在り方


本書はサイゼリヤ創業者が書いた本です。

飲食業に関する経営を指南する本はたくさんありますが、本書ほどロジカルに端的に書かれているのが特徴的です。


ロジカルなのは、著者が理系出身だからかもしれません。

読んでみると、サイゼリヤの経営は科学的手法のように感じます。

つまり、仮説を立て、数字で検証し、結果を確認し、改善する。

PDCAのサイクルで経営していることです。


抽象的な方針であいまいに運営し、結果だけで成否を見るのでは、正しく成長できないのではないかと思います。

科学的ということは、不確実であることが前提であり、何かを行った場合、成功か失敗かといえば、失敗することが前提です。


昨今の成果主義からすると、失敗することが許されない風潮があると思いますが、途中経過の失敗を容認し、最終的に成功することを認めてもらえるならば、社員はトライしやすいのではないでしょうか。

もちろん企業ですから、短期間に成功にしなければならないでしょう。

理系的な経営は、曖昧な文系的経営よりも、実はドライな分、やりやすいのかもしれません。
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おもてなしの経営学

テーマ:
おもてなしの経営学
中島 聡
アスキー新書
ISBN978-4-7561-5134-6

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)/中島 聡

¥790
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<目次>
第1章 おもてなしの経営学
第2章 ITビジネス蘊蓄
第3章 特別対談

サブタイトルに「アップルがソニーを超えた理由」とありますが、本書は現代に売れるモノを作るための方向性を「おもてなし」というキーワードで説明しています。

2000年以降にアップルはiPodで大成功し、その後,iPhone、iPadとヒットを連発しています。

その背景には、モノとしてのiPodだけでなく、その背後にあるiTunesとiTunes Storeとの連携が、非常に使い勝ってが良いのが勝因でしょう。


20世紀のソニーは、モノが優れていたことでブランド価値を高めました。

値段が高くても、「ソニープレミアム」として納得されたものです。


しかし、現代はモノの品質が高くても、それだけでは消費者には満足されません。

モノとそれを使うためのサービスをまとめて、品質で捉える必要があります。


その神髄が「おもてなし」というキーワードです。


日常生活でいう「おもてなし」は、モノとしてハードウェアを整える事と、ソフトウェアとして人を気持ちよく迎えるためのサービスの両面が大切です。

おもてなしを受けた側の心地よさをどう実現するか?が現代の経営には必要なのです。


本書の第一章ではその「おもてなし」を中心に展開します。

第二章は、IT技術者には興味深い内容ですが、一般読者には専門的すぎて理解が難しい部分があるかもしれません。

しかし、技術者の思考の特徴が分かることと、その中には技術を実現するためのさまざまな工夫と葛藤があり、読み物として面白い部分もあります。

第三章は対談です。

やはりIT寄りですが、それぞれの立場でITと実現したいことの違いが分かり、興味深いないようです。


ちなみに、対談は著者と、西村博之氏、古川享氏、梅田望夫氏なので、興味のある方はご一読ください。
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コンビニがなくなる日

テーマ:
コンビニがなくなる日
平野和之
主婦の友新書
ISBN978-4-07-274306-5

コンビニがなくなる日―どうなる?流通最終戦争 (主婦の友新書)/平野 和之

¥820
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<目次>
第一章 「コンビニが消える!?」
第二章 「コンビニのからくりと、その全貌」
第三章 「コンビニ消滅までのカウントダウン」
第四章 「コンビニはコンビニとして生き残れるか?」
第五章 「生き残り戦争に勝つ未来型コンビニ」


本書タイトルに「なくなる日」とありますが、コンビニが無くなることを前提に書いているわけではありませんでした。

「なくなる日」シリーズの一環なので、このようなタイトルになったようです。

本書のテーマはサブタイトルの「どうなる?流通最終戦争」の方が適しています。

コンビニが日本に誕生したのが1970年代。

コンビニは時代に適合するように運営を変化させながら、小売業のなかで成長してきました。

成長の理由には、コンビニが「コンビニエンスストア」=「便利な店」の定義のもとで運営されてきたからです。

小売業というくくりでは、百貨店、スーパー、専門店、個人商店もそれぞれ便利になるように進化してきましたが、最も時代の流れに合ったのが「コンビニ」という形態だったのではないでしょうか。

時代の流れは、経済状況、人々の生活習慣の変化、嗜好の変化によって、刻一刻と変化します。

将来もコンビニがコンビニとして生き残れるかは、誰も分かりません。

小売業はどれも生き残りのために、時代に合わせこんできます。

その時代の流れと、コンビニがどのように対応しているかが、本書で分かります。

短時間でコンビニ業界の一端が理解できますので、一読することをおすすめします。
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電子マネー革命

テーマ:
電子マネー革命
伊藤亜紀
講談社現代新書
ISBN978-4-06-288078-7

電子マネー革命─キャッシュレス社会の現実と希望 (講談社現代新書)/伊藤 亜紀

¥798
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<目次>
第一章 「おカネ革命」進行中
第二章 「資金決済法」があなたのおカネを守る
第三章 電子マネーに似ているけれど -ポイントは「オマケ」か
第四章 「おカネ革命」が新たな市場をつくる
第五章 「おカネ革命」は世界へ


本書は、身近な存在となった電子マネーの現状と、電子マネーがもたらす未来を述べています。

また、疑似通貨である「ポイント」についても電子マネーの一種として合わせて述べています。


電子マネーはEdy、WAON、Suica、ICOCA、おサイフケータイなど多様な形態で生活に入ってきています。

自分も使っていますが、読者のみなさんもお使いなのではないでしょうか。


本書では、電子マネーの登場を「第五次おカネ革命」としています。

革命たる由縁は、過去のおカネと決定的に違う点があるためです。


それは、物理的なモノを持たない、電子データであることです。

つまり、キャッシュレスであることです。


また、過去のおカネは国家や自治体など、公的機関が発行していましたが、電子マネーは民間企業が発行している点です。

発行とはいうものの、日本では通貨は政府が、紙幣は日本銀行が発行しており、電子マネーは物理的なおカネを数字に置き換えて電子データ化しているだけです。


しかし、その電子データが失われた時や、電子マネー発行会社が倒産した場合はどうなるのでしょうか?

それは法律で保護されるように制定されています。

それが「資金決済法」です。

本書ではその仕組みが述べられています。


本書では、電子マネーの説明と同時に、予想される未来について述べている点が特徴です。

筆者の予想では、電子マネーが国際化し、電子マネーでの決済が通貨の壁を乗り越え、統一的に簡便に決済できるように進化するとしています。

人や物が国家間を容易に行き来するグローバル化が進行する中で、各国の通貨の換算レートを元にした決済がネックになる場面が多々あります。

最近では、円高が日本経済に与える影響の大きさは実感しているとおりです。

通貨レートが単なる経済上のルールで変わるならば納得度が高いですが、政治問題も絡むとややこしくなります。

電子マネーが国際間の決済に新たなルールを作る、というのはあながち空想ではないと思います。

今後発展が確実な電子マネーの世界を知っておくために、本書を読んでおくと良いと思います。

ビジネスの成功はデザインだ

テーマ:
ビジネスの成功はデザインだ
神田昌典&湯山玲子
マガジンハウス
ISBN978-4-8387-2118-4

ビジネスの成功はデザインだ/神田 昌典

¥1,470
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<目次>
Chapter1 裸で語るブランディング講座 神田昌典
Chapter2 このデザインされつくした世界で 湯山玲子
特別対談 あとがきに代えて


本書は、経営コンサルタントである神田昌典氏と出版•広告ディレクターである湯山玲子氏のそれぞれの講演をベースに加筆修正したもの、と対談を収録したものです。


経営コンサルタントの視点でのデザイン。

出版•広告ディレクターの視点でのデザイン。


立場が違えば、デザインに対する考え方、アプローチが違っています。

共通しているのは、ビジネスとデザインは切り離せないだけでなく、重要だということ。


人は見た目じゃない、中身だ、とよく言われますが、その実、見た目に大きく影響されていることは事実です。

注目されるには、見た目が大切なのです。

中身は見た目で認められて、その次に認識されるものです。

当然見た目だけで中身が無ければダメですが、見た目が第一条件というのは間違いないところでしょう。


その点で経営コンサルタントがデザインを語るのは実は大切なことなのではないでしょうか。

私はデザイナーではないので、経営コンサルタント視点のデザインとブランディングに興味がありました。


成熟したビジネス環境では、他社との差異、差別化をするのは大変な苦労があります。

特に技術を売りにする場合は機能、能力での差別化に注力する方向になりがちです。

ここでデザインの視点を持ち込むと、差別化ができ、目立つことができます。


また、会社や製品の将来の方向性をデザインに組み込むと、社員のモチベーションの向上や、製品イメージの向上など、副次的な効果をあげることもできます。

これは整形美人になった人が、見た目に自信を持てるようになって、人生が明るくなるようなものなのでしょう。

自分がビジネスを始める時には、信頼できるデザイナーと組んで、ビジネスにデザインを含めて展開したいと思いました。