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2011-11-14

岡本賢一 「屍神少女大戦 キミが、キミを殺す時」

テーマ:  その他出版社
屍神少女大戦 キミが、キミを殺す時 (朝日ノベルズ)屍神少女大戦 キミが、キミを殺す時 (朝日ノベルズ)
岡本 賢一 みなづきふたご

朝日新聞出版 2009-03-19


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 高校生になったばかりのタクヤはいきなり家族から殺されかかる。違う世界から来た者が、タクヤの家族にウィルスを仕込んだのだ。タクヤもまた、感染させられそうになるが…バイオレンス・アクション。

 ライトノベル風のイラストがついてはいるし、可愛い女の子も出てくるものの、内容はかなり壮絶なスプラッターだ。一般受けはしないかもしれないが、だがそれがいい。

 不死者同士が脳ミソぶちまけあって戦ったりなど、西尾維新「傷物語」もかくやのグロ続出の異能バトルには迫力があり、読みごたえがあった。

 何かと主人公のヘルプにまわるおっさんもいい感じ。続編があればぜひ読んでみたいなあ。


p.s.しかし、表紙がヒロインばかりで主人公がカケラも出てこないのって、ライトノベルのお約束なんですかね!??

2011-09-19

松山剛「天才ハルカさんの生徒会戦争 帰ってきちゃった伝説の生徒会長」

テーマ:  その他出版社
天才ハルカさんの生徒会戦争 (ガンガンノベルズ)天才ハルカさんの生徒会戦争 (ガンガンノベルズ)
松山 剛 かんたか

スクウェア・エニックス 2009-12-22


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 幼なじみの胡桃にまとわりつかれながらも、平凡な高校生活を送っていた真一郎の前に、突如現れた美少女。彼女、桜楽坂ハルカは真一郎と胡桃を無理やり私立高へ転校させ、学校一の生徒会を作ろうというのだが…?

 ストーリーはけっこう、あり得ないことの連続である。
 三人が転校する天壌宮学園はとてもヘンテコだし(どうヘンテコなのかは、是非本編を読んでみて!ホントにヘンテコだから!!)、黒犬という伏線はあるが、主人公の豹変ぶりもアリエネー! ことだ。
くるみんはあり得るかもしれないが、そもそも主人公より目立つヒロイン、ハルカさんほどの突っ張った天才もアリエネー! と思わざるを得ない。

 だが、それでも優れた知性のほとんどを真一郎をおちょくることだけに浪費するハルカさんはかわいらしく、魅力的なのである。学園バトルもあるけれど、やはり見所はハルカさんと真一郎の漫才のようなシーンだろうか。二人がイチャイチャとほっぺたを引っ張りあうところは実に微笑ましく、心和む。


 影の悪役や真一郎の生い立ち、そして何よりハルカさんの目的がいまだ謎に包まれているため、続編を希望したいところだ。


2011-08-26

松山剛「怪獣工場ピギャース!」

テーマ:  その他出版社
怪獣工場ピギャース! (新風舎文庫 ま)怪獣工場ピギャース! (新風舎文庫 ま)
松山 剛

新風舎 2007-10-12


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 美少女工場長クレアは、辣腕をふるい怪獣工場を切り盛りするが、ある日戦争が始まって…。

 同人誌即売会「文学フリマ」で知った作家さんの御本です。これがもう!面白いの!なんのって!最初、怪獣工場って怪獣をつくるところ?なんかと思っていたんだが、怪獣が従業員として作業に従事する工場だったのねっ!美麗なイラストは、初音ミクのデザインで知られるイラストレーターのKEI。

 この小説の魅力は物語のスケールの大きさと、キャラの心理描写の細やかさが両立しているところ。とくに、某敵役キャラの半生なんかせつなくて苦しくて、そんじょそこらの一般小説よりももっと深く心えぐる内容で、私にこの感動と驚きを表現する適切な語彙がないことが惜しまれるが、本当にものすごく面白かった。
 怪獣大好き、ウルトラマンを見ているとついつい怪獣を応援してしまうような人は、悪いことは言わない、この本をぜひぜひ読みたまえ。
 爬虫類フェチの私からすると、やや頭足類(軟体動物)と昆虫類に偏った怪獣セレクションなところだけがやや不満だけど、明るく楽しくて、やがてしびれるほど悲しくて、でもラストは物悲しくもいい話だったと思える、素晴らしき一冊だ。
 

 残念ながら本書は出版社の倒産に伴い絶版ゆえ、中古でしか手に入らない。埋もれるには惜しいストーリーゆえ、他社からの新装版再発売を心より願っている。

 松山先生の最新刊、「雨の日のアイリス」もおすすめ!こちらは新刊書店で手に入るよ。

 
雨の日のアイリス (電撃文庫)/松山 剛
¥620 Amazon.co.jp

2011-08-18

松山剛「閻魔の弁護人」

テーマ:  その他出版社
閻魔の弁護人 (新風舎文庫)閻魔の弁護人 (新風舎文庫)
松山 剛

新風舎 2007-02-01


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 私の同人サークル「女医風呂」の小説同人誌にありがたくも寄稿していただいた作家さんのデビュー作。
$読書日記PNU屋-201104201100000.jpg
 ちなみにその同人誌は2011年8月現在、とらのあなで買えます(←リンク先に年齢認証画面が出ますが、全年齢対象の小説誌です:宣伝ココマデ)。

 いや、みんな、ふだん一般小説しか読まない人はさ、ラノベって漫画みたいな絵がついててせいぜい中高生までが読む本でしょ?とか、新風舎って自費出版の出版社じゃんとか思うだろうよね、でもだまされたと思って読んでみてよ、これがもうすっごくおもしっろいんだから。現在新刊で手に入らないのがもったいない、もったいなさすぎる。ラノベは萌えだけの軟弱な書物でしょ?っていう偏見を持つ人にこそ読んでほしい骨太なハードボイルドファンタジーなのだっ。シャワーのように本を浴びる私だが、今年読んだ本の中で一、二を争う面白さだったことを断言しておく。
 
 私もヒイキとかシットとかそういう感情を押し込めてニュートラルな気持ちでこの本を読み始めたのさ。
 つかみからしてもうすごいの、なにしろ地獄の裁判所で、主人公ははらわた出ちゃっているんだもん。どんなワイルドなシチュエーションだよ、ってわくわくしてしまうのだ。
 最初の数ページは、地獄のシステム(往生要集をベースに、著者が独自設定を加えた緻密で魅力的な設定)を頭に入れるのにちと手こずったけれども、それを過ぎたらもう一気読み。

 もう独自すぎて何にたとえたらいいかわかんないけどね、たとえばアクションシーンのいくつかは平井和正「ウルフガイ」ばりだし、壮絶な戦闘シーンは友成純一「ナイトブリード」にも迫る勢いで、もうとにかくすごいったらないの。なんでジャパンのカンパニーはこれを原作にシネマを作らねーのか全く理解に苦しむってもんよ。

 もちろん、ラノベらしい(?)ドジっ子美少女(ご都合主義ではなくて、思わず応援したくなっちゃうようなのろまなカメっぽい娘…)も出て来るので、いわゆるラノベ好きにも強烈にオススメだ。

 キャラの魅力が壮大なストーリーに乗せられた本作には(序盤の設定のややこしさを除けば)およそ欠点が見受けられないが、ひとつ残念なことがあるとすれば、後半が急ぎ足であることだろうか。あまりに壮大なストーリーであるんで、もともと一冊に収まる分量ではなかったのかもしれない。

 人情も心に染み入り、設定の妙に酔い、キャラクターの魅力にどっぷり浸かれる、三拍子そろった良作なので、食わず嫌いなどせずにぜひぜひトライしてみてほしい。

 かえすがえすも、残念なのは本書が新刊では入手困難なことである。諸星大二郎挿画(←私の脳内イメージ)で、大手出版社から再版されないだろうか。その価値は充分にある、中身の濃い一冊だ。


2011-07-12

糸尾思惟「五年二組の吸血鬼」

テーマ:  その他出版社
五年二組の吸血鬼 (一迅社文庫)五年二組の吸血鬼 (一迅社文庫)
糸緒 思惟 小路 あゆむ

一迅社 2011-03-19


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 小学生の翔は好きな女子にそそのかされて隣家の廃屋を探検するうち、棺で眠る全裸美少女を発見する。彼女は現役小学生かつ吸血鬼の真祖、桃子だった。桃子により小学校は総吸血鬼化してしまい…。

 ロリぃイラストがエロいと話題になったライトノベル。

 一読して思ったのは、割と普通だなぁと…(←そうか?)。確かにやたら少女をノーパンや全裸にしたり、裸に絆創膏(私にゃわからんが、そういう萌えがあるらしい)、衆人環視の中でのおもらしやら人前での排尿(これまたエロマンガと見間違いそうなイラスト付き!)が、吸血鬼の桃子に百合っ気があるという理由で無意味に頻出するが、そこを除きさえすればシンプルなストーリーだ。

 主人公に特殊能力が与えられているため、苦悩や選択を放棄することが許されているのには都合の良さを感じるし、後半に出てくる九頭虫が唐突かつ魅力がない。だが、主人公が少女とむにゅむにゅするのを愉しむためだと割り切るのなら、こういう作品もアリなのだろう。

 気になったこととしては、目が金色の小学生なんているのかよとか、少女の真祖なんて寡聞にして知らねーぞとか、桃子は吸血鬼の視力があるくせになんで眼鏡っ娘なんだゴルァとか、人間上がりの吸血鬼は翼持って飛べねーんじゃなかったっけかとかあるのだがまあいいや。

 エロエロする理由がついていたのは素直にすごいと思ったが、それがまたキャラが自分で物を考えなくてもいい、流されてもいい理由にもなってしまっているのが厳しいところ。

 それより、イラストがロリすぎるのが気になるな…。体質的に無毛な娘もいるだろうけど、小学生なんて四年生くらいからもうボーボーだろ? つるつるが強調されすぎて違和感がある。五年生で、こんな末広がりのムーミン谷の住人みたいな凹凸のない体形ってのもまず有り得ない。イラストから見ると、五年生ではなく二年生くらいにしか見えないのだよな…。

 脅威と驚異をかけた言葉遊びや、萌え系怪異は西尾維新の影響があると見た。そこはかとなく、ペンネームも似てるし。



類書?

怪異暴走なら、コレで決まりだよなぁ。

傾物語 (講談社BOX)/西尾 維新
¥1,365 Amazon.co.jp


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