bookbath
2008-06-21 18:56:27

普通の小説家への道/夢を与える

テーマ:小説 や・ら・わ行

夢を与える

綿矢りさ


夢を与える/綿矢 りさ
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幼いときに芸能界にスカウトされた女の子が、芸能界と関係を保ちつつ順調に育っていくものの、初めて彼ができてからだんだんとバランスを壊していく、という話。


母がフランス人と結婚するためにわざと妊娠したとか、フランス人の父がずっと不倫をしていてそれが非常に年上の人だったとか、主人公の起用されたCMが、本人の成長とともにほぼ永年撮影していくというCMだったとか、要所要所に面白いところがあるのですが、ストーリーも出ている人物も想像の範囲を超えない人たちばかりで、そういう意味では何を書きたかったかよく分からなかった作品でした。


唯一、そういうものかと思ったのは、男性の性についての女性の感じ方。

思い通りにならない彼氏との間について、


「男の子の性欲は規則正しくて、尽きたと思えばまたきちんと湧いてきて、なんて安心させてくれるものなんだろう」


なるほど、うまいことをいう。


あと、相変わらずタイトルはうまいですね。

蹴りたい背中』といい『夢を与える』といい、ちょっと違和感を与えて、読むと納得というタイトルは秀逸です。

まぁ、時間が空いたとはいえ芥川賞受賞後第一作目。

結構小さなこだわりに固執して、なんだか変な作品になることが多い受賞後第一作目、ということなのか今までの、通常の人物設定のなかであらわれるリリカルな感性(蹴りたい背中 )は影をひそめてしまったように感じました。


その路線に戻るのか、それは若さゆえということで違う路線をいくのか、ただのうまい作家になってしまうのか、これから数冊が本当の力を試されるところですね。


しかし、いまでは同時受賞の金原ひとみ にずいぶん差をあけられてしまいましたね。

コメント

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1 ■初めまして 

 コメントありがとうございました☆僕も早速遊びにきちゃいました。ずらりと並んだ書評参考にしたいデス。それとTBさせて頂きますねヾ(@°▽°@)ノ

2 ■普通の小説家

こんばんは。
うーん、「普通の小説家への道」、うまいですね~。
実は、私は「蹴りたい背中」はあんまりだったので、うまくなったなー、とは思ったんですが、確かに重苦しいものは描かれていたけれど、後になると「それで?」という気もしてきたり。
夕子に感情移入して読むと、辛い小説ですね、これ。
(トラバがうまく反映されないようなので、URLに記事のアドレスを入れちゃいました)

3 ■郁江様コメントTBありがとうございます

こちらこそはじめまして。
おひまがございましたら、また是非いらしてください・そちらにも伺います。

4 ■つなさまお久しぶりです

引越し着々と進んでいるようでよかったですね。
これ、たしかに主人公目線はきついんですよね。
でも、いったん本を離れて数日経つと、なんだか当然のことのように、思えるんですよね。その後ゆうちゃんは、誰も知らないところで一般人として普通に逞しく生きていく様子を、普通に感じました。
りさたんもインタビューで「ばれた方が幸せだったかも」と言ってましたし。

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  • 1 ブログタイトル:活字中毒
  • 記事タイトル:夢を与える
  • 記事概要:2001年に「インストール」で強烈なデビューを飾り 2004年「蹴りたい背中」そして2007年に出版されたのがこの「夢を与える」綿矢りささん 非常に寡黙な作家さんデス。  全作と言ってしまっても3冊なんですが 僕も3冊読んでマス(*^▽^*)徐々に本が分厚く
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